声楽であれ、合唱であれ、アマチュアで歌だけやっている人の話を聞いていると「私は楽譜が読めません」という人がたくさんいて驚いてしまいます。
とは言え、かつての私もご多分に漏れず、ほぼ楽譜は読めませんでしたので、何となく楽譜が読めない理由は察します。
だって、歌の世界にいると、楽譜が読めなくても、あまり支障がないのです。
歌うべきメロディは、耳コピでどうにかなってしまうのが歌の世界なのですから。
声楽ならば、プロの歌唱を聞いて、それを耳コピすればいいわけだし、合唱ならば団から配布される“音源”を聞いて、それに歌詞を載せて歌えばいいわけなので、歌詞カードは必要ですが、五線譜は別に無くても、全然困らないのです。
なので、歌だけを5年10年やっても、必要が無いので、ちっとも楽譜が読めるようにはなりません。そういうモノなのです。実際、私もそんな感じでした。
けれど、今の私は、まあまあ楽譜が読めます。絶対音感は無いので、調はデタラメになってしまいますが、初見の楽譜でもまあまあ歌えます。
なぜ楽譜が読めるようになったのかと言えば…それは器楽を学んだからです。具体的にはピアノとフルートを学んだからです。
器楽って、歌ほどフリーテンポじゃないので、リズムはかっちりと読めなければいけませんし、基本的に歌よりも楽譜は黒い(細かい音符で書かれている)ので、その細かい音符を正しく演奏できなければいけません。なので、器楽を学んでいると、嫌でも自然と楽譜が読めてしまえるようになります。いや、楽譜が読めなければ演奏できないので、いつの間にか楽譜が読めるようになってしまいます。
声楽ならば、雰囲気で歌っても、どうにかなるし、合唱ならば譜読みが不正確でも、周囲に合わせていれば、正直、どうにでもなりますが、器楽って、吹奏楽やオーケストラをやらない限り、原則的にソロ演奏だし、ソロと言っても伴奏が付いてくるので、いい加減には演奏できません。ピアノだと、メロディと伴奏の両方を自分で演奏しないといけないので、かなりかっちり演奏しないと、音楽になりません。
そんなわけで、器楽を学ぶと楽譜が読めるようになりますし、楽譜が読める歌手は、たいてい器楽(主にピアノ)が得意だったりするわけです。
でも、アマチュア歌手は声楽であれ合唱であれ、歌しかやらない人も大勢いて、彼らは歌しかやらないので、いつまでも楽譜が読めないまま…ってだけの話なのです。
結論。楽譜を読めるようになりたければ、器楽を学ぶべし。
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