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素人の発表会でよく耳にする歌曲 その6 「グラナダ」

 今回ご紹介するのは、ララ作曲の「グラナダ」です。この曲、ほんと、よく聞きますね。とにかく、ある程度歌えるようになったテノールなら、誰でも歌うと言っても過言ではないほどの、大人気曲です。まずは、全盛期のドミンゴ(1987年)の歌唱でお聞き下さい。

 ほんと、いい曲ですね。この曲は、テノールでなければいけません。ソプラノでもバリトンでもダメなんです、とにかくテノールでなければならないし、本当にテノールのために書かれた曲、私はそう思ってます。

 私も歌ってみたい、ぜひ歌ってみたい…そう願ってます。ただ、Y先生はこの曲をレッスンで取り上げたくないような事を言っていたので…独学で学んでレパートリーにするしかないかなあと思っています。独学で仕上げるとなると…ちょっと難しいなあ…とも思ってます。

 今回の訳詞は、こちらのモノです。

Granada, tierra sonada por mi,
 夢に描く土地、グラナダよ
mi cantar se vuelve Gitano cuando es para ti;
 君に歌うとき私の歌もジプシーの色合いをおびる
mi cantar hecho de fantasia.
 幻想でできた私の歌
mi cantar flor de melancolia que yo te vengo a dar.
 愁いの花にも似た私の歌を君に捧げにやってきた

Granada, tierra en sangrentada en tardes de toros;
 闘牛の昼さがりには血に染まる土地、グラナダよ
mujer que conserva el embrujo de los ojos moros;
 ムーア人の瞳の魔法を今も守る女よ
te sueno rebelde y gitana cubierta de flores,
 夢に描く君は花に覆われた異端のジプシー女
y beso tu boca de grana,
 口づける赤いその唇は
Jugosa manzana que me habla de amores.
 私に愛を語る汁多い林檎の実

Granada,manola cantada en coplas preciosas;
 美しい歌に出てくる粋な娘、グラナダよ
no tengo otra cosa que darteque un ramo de rosas,
 私の捧げ物はバラの花束しかない
de rosas de suave fragncia
 やさしい芳香を放つバラの花は
que le dieran marco a la Virgen Morena.
 褐色の聖母マリアのまわりを飾るにふさわしい

Granada, tu teirra esta llena
 グラナダよ、君という土地は
de lindas mujeres, de sangre y de sol
 美しい女たちと血と太陽に満ちている

Granada, tu teirra esta llena
 グラナダよ、君という土地は
de lindas mujeres, de sangre y de sol
 美しい女たちと血と太陽に満ちている

 いやあ、ほんと、ノリノリな歌ですよね。いかにもスペインなノリって言うのかな? イタリア歌曲にはない魅力があります。作曲家のララはスペイン人ではなくメキシコ人ですから、この曲は正確に言うと、スペイン歌曲ではなくメキシコ歌曲って事になるのかな? まあ、十把一絡げで日本人的には“ラテン歌曲”って感じになるんでしょうね。

 現在のポピュラー音楽の主流占めるのは、いわゆるテクノ寄りのロックですね。いわゆる“打ち込み系”ってヤツです。それ以前は、テクノ要素の無いロック、つまりエレキギターをギンギンに弾きまくっていた時代の音楽が主流であり、その前…と言うか、ロック以前に主流だったのがジャズです。で、ジャズの前は…と言うと、日本ではラテン音楽と言うのが流行っていました。

 そのせいがあるのかどうかは定かではありませんが、こういうラテン系の音楽や歌、ここで言うところの、ラテン歌曲を含むスペイン語で歌われる歌曲に関して語ると…この手のスペイン語系の曲って、日本のクラシック歌手たちは、あまり歌いません。およそ、例外的に、この曲が歌われる程度です。

 このように我が国のクラシック系歌手はあまり取り上げないラテン歌曲ですが、アメリカのクラシック系歌手たちって、ラテン系の歌…と言うか、スペイン歌曲などのスペイン語の歌って、古今東西問わず、結構歌われます…と言うよりも、あちらではスペイン語って、イタリア語と並んで“歌の言葉”として認知されているようです。

 まあ、ニューヨークあたりでは、英語を話す人よりもスペイン語を話す人の多いので、スペイン語が幅をきかせているんだと私に教えてくださった方もいらっしゃいますが、そんな事情もないわけではないのでしょうが、スペイン語が歌に向いた言語である事は、どうやら事実のようです。

 日本ではスペイン語系の歌曲を歌う人は少ないから、私、このジャンルに挑戦してみようかな。案外、お年寄りは昔懐かしのラテン音楽って事でシンパシーを感じてくれるかもしれないし…でもまあ、それならそれで、少なくともスペイン語の読みぐらいはちゃんとできないといけないだろうなあ。そこは厳しいね。

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