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素人の発表会でよく耳にする歌曲 その5 「口づけ」

 さて、今回ご紹介するのは、アルディチ作曲の「口づけ」です。ほんとこの曲、かなり難しい歌だろうと思いますが、よくソプラノさんが歌っていらっしゃいます。と言うわけで、ミリアム・ガウチの音源を貼っておきます。

 さすがにこの曲を歌うテノールさんは…いませんね。明らかに女性向けの歌詞だし、メロディも、いかにも女性向けの華やかな曲です。これはテノールに限らず、男性が歌ってはダメな曲でしょう(笑)。女性的な…受け取り方によっては、かなり色っぽいというか、エロっぽい歌で、それこそ男性が歌ったら、ちょっとおかしいな気分になるようなタイプの歌だと思います。また、歌手によって、加わるバリエーションが異なるので、同じ歌であっても歌手が違うと、印象が変わる曲でもあります。いいですね。

 歌詞も熱烈な愛の詩です。今回の訳詞は、こちらのモノです。ま、実際の歌唱は、同じフレーズを何度も何度も繰り返して叫んでいますので、歌詞を目で追って…なんて事をやっても、不毛かもしれません。

Sulle labbra se potessi dolce un bacio ti darei.
 あなたに口づけができるなら
Tutte ti direi le dolcezze dell’amor.
 愛の歓びが自ずとあなたに伝わるだろう

Sempre assisa a te d’appresso, mille gaudi ti direi, Ah! ti direi.
 百千の喜びを語らずとも。私の心臓の鼓動も, ああ、
Ed i palpiti udirei che rispondono al mio cor.
 愛の歓びと共にあなたに伝わるだろう。

Gemme e perle non desio, non son vaga d’altro affetto.
 宝石も真珠も求めない、他の人の愛情もいらない。
Un tuo sguardo è il mio diletto, un tuo bacio è il mio tesor.
 あなたの眼差しは私の歓び、あなたの口づけは私の宝、

Vieni! ah vien! più non tardare!
 ああ、遅れずに来ておくれ。
Vieni a me, vien d’appresso. Ah vieni a me!
 ああ、来ておくれ

Ah vien! Nell’ebbrezza d’un amplesso, ch’io viva sol d’amor!
 二人して生命の愛に酔いしれようではないか。ああ!
Sulle labbra se potessi dolce un bacio ti darei.
 あなたに口づけができるなら

Vieni a me, vien d’appresso. Ah vieni a me!
 ああ、来ておくれ

 歌の主人公さんは…盛り上がってますねえ、テンションあげあげですねえ、明らかに発情してますね、最後はイッちゃっているし…。いや、情熱的と言うべきか。とにかく、激しい愛の歌です。そういう意味では、おしとやかな人が多い日本女性には向かない曲ですが、向かないからこそ、パーッとはじけてもらって、自分とは違う人格になった歌い飛ばすのも良いかもしれません。日頃の自分とは違う自分になってみるというのも、立派な自己表現ですからね。いやあ、それにしても、激しい歌です。

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コメント

  1. operazanokaijinnokaijin より:

    久々の書き込みにして、
    今年最初の書き込みと思いますので、
    遅ればせながら、
    すとん様、新年あけましておめでとうございます。
    本年も、よろしくお願いします。

    さて、歌曲の方ではなく、ひとことの方で、
    被選挙権(選ばれる方)の年齢について、お書きで、
    すとん様におかれては、若過ぎ、経験不足の政治家に、
    不信・不安を抱いておられることと思います。

    若き人格者と、老いた愚か者と、
    どちらが政治家に相応しいか、となると、
    やはり、前者(若き人格者)でありましょう。

    とは言え、18歳の知事・国会議員なんて、不安。
    しかし、選挙は結局、人気投票。
    若者の組織票で、AKB48の誰かが当選したりして。
    ( ̄▽ ̄;)

    財政難の折、議員を減らせ、定数削減、よく言われますが、
    一方で、1票の格差が大き過ぎるのを解消するには、
    議員数を増やした方が、格差を解消しやすいかな、とも。

    そこで提案したいのは、議員たるもの、給料ゼロ。
    必要経費も認めません。議員にお金は一切払いません。
    政治活動は、全て、自分のお金でやってください。

    であれば、選挙に立候補するのは、お金持ち、
    あるいは、お金持ちとは言えないけれども、
    まあ、お金にも時間にも余裕のあるお年寄り。

    少子高齢化の折、元気なお年寄りのご活躍の場として、
    政治の世界があるのかなあ、と。

    ああ、すとん様、どうぞ、どうぞ、突っ込んでくださいませ。
    今年も、お手柔らかに、お願いします。

  2. アデーレ より:

    あけましておめでとうございます!元気に今年もスタートです(笑)
    il bacioですね、、うん!大好きです!いっちゃってる感じ(笑)が特に。テンション上げ上げでないと普通は歌えないかもしれないけれど、私は結構、このテンションは普通ね《苦笑》あとは、マッティナータとか、とにかく、上げ上げ曲は気分いいですね!そんな曲を探してますよ、むしろ。
    今年はどうやら、運気的にあまり宜しくないらしく、開運の意味を込めて、明るい上げ上げ曲で頑張ろうと思ってました。どうぞ、今年もよろしくお願いします!!!

  3. すとん より:

    operazanokaijinnokaijinさん

     こちらこそ、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

     さて“若いVS老いた”の対立項目以外の要素として“人格化VS愚か者”という項目を加えるなら、当然『若き愚か者と老いた人格者』という対立も考えないとフェアではありません。でも、現実的にはそれはあまり意味がありません。と言うのも、現実的には『若い愚か者VS老いた愚か者』の対立が大半であって、同じ愚か者なら、経験値が有る分だけ“老いた愚か者”を選ぶべきなんですよ。

     だいたい、愚かな上に、経験すら不足している人間に権力を与えるなんて、2009年に民主党に政権を与えたのと同じ愚ですって。日本人は、あれだけの事をされても、何も学ばなかったのか!と私は言いたいです。

     無論、若者の中には優秀な人間も大勢いるでしょうが、まずは雑巾掛けから学んできなさいと言いたいですよ。優秀な人間が経験から知恵を得る事で、本当の意味での“有能な者”になれる…と私は思ってます。経験を軽視してはいけないわけですし、人間は学ぶ事で成長していくものです。ならば、成長途中の人間は、まずは自分の成長に全力を注ぎ、大きく育っていって欲しいと願います。

    >そこで提案したいのは、議員たるもの、給料ゼロ。

     つまり、貴族政治の復活を望んでいるわけですね。でも、日本には貴族はいませんから、これは無理です。それに貴族政治を採用すると言うのは、民主主義の否定であり、いわゆる帝国主義であり、封建主義であり、時計の針を4~5百年戻すことになっちゃいます。どう考えても現実的ではありません。

     そうではなく、庶民や成金たちに無給で権力を与えると言うのなら、それは共産主義であって、彼らは権利を掌握した途端に、賄賂と汚職にまみれますが、それで良いのでしょうか?

     問題は、政治家の人格とか給与とかではなく、日本以外の他国の権益をまず第一に考えて政治活動をするような人間が、政治家をやっている事なんじゃないかな? つまり、スパイとか工作員とかが、日本の政治やその周辺に食らいついている事が問題なんですよ。そういったスパイや工作員たちが、自分たちの操り人形として、愚かで経験不足な若者を利用するかもしれないわけで、そこに注意しないといけないのだと思います。

  4. すとん より:

    アデーレさん

     明けましておめでとうございます。

     私もこの歌、大好きで、自分が女性だったら、絶対にこの歌は歌いたいと願っていると思います。

     私も基本的には、上げ上げな歌が好きです。人生色々あるけれど、上げ上げな歌をババーンと歌うことで、その色々な事をすっ飛ばしてスッキリさせちゃおうと日々画策しているわけです(笑)。

     私が何のために毎日歌っているのかと言えば、そりゃあ自分のためですよ。スカッとするために、毎日歌っているんです。だって、アマチュアだもん、そりゃあそうでしょ。

     で、よりスカっとするためには、歌が上手くならないといけないわけで、上手くなるために、たまに根暗な曲も歌う…というのが、私の基本スタンスなんです。いいでしょ、こういうスタンスも。

  5. 椎茸 より:

    この曲、以前発表会でほかの生徒さんが歌っていました。
    「楽しいね~」と思って楽譜を買ってみて自分でも少し歌ってみましたが、まあ疲れること、酸欠になりそうでした(@Д@;
    ということで、しばらく封印です。

  6. すとん より:

    椎茸さん

    >この曲、以前発表会でほかの生徒さんが歌っていました。

     あ、やっぱり…ですか。ほんと、この曲って、人気曲ですよね。

    >まあ疲れること、酸欠になりそうでした(@Д@;

     ですよね、やっぱり大変ですよね。一応、歌曲のジャンルの曲ですが、歌う大変さは、オペラアリア並だと思いますよ。覚悟がないと、ちょっと歌えないかもしれません。でも、歌いきったら、気持ちいいでしょうね。

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