人生初のクルーズ旅行(兼、海外旅行)を終えました。今回の記事では、本記事中に書けなかったことを書いてみたいと思います。
まず、我々が乗船したMSCベリッシマ号は、クルーズ船の中では、一番下のランクであるカジュアル船で、乗る前は「豪華客船ではありませんよ、廉価客船です」とか書いてしまった私ですが、いやいやいや、たとえカジュアル船であっても、立派な“豪華客船”でした。
クルーズ船のランクの上下は、乗船価格の違いによるのですが、この乗船価格の違いは、単純に船の大きさの違いとそこに乗り込むお客の人数の違いによるものです。
ベリッシマ号のように大きな船は大勢の客を載せることができます。ですから、客一人ひとりの価格を抑えても、船全体ではきちんと収益を上げる事ができます。つまりは、薄利多売なわけで、低価格であっても、サービス内容はしっかりと“豪華”にできるわけです。ただし、全体の人数が多いですから、常に船内は活気があって騒がしいわけです。またヒトが多いので、乗船下船に手間取る事は欠点と言えなくもないです。それに、ヒトが多いという事は、色々なヒトがいるわけだし、乗船価格が安いので、家族連れも多いし、子どもも多いし、ドレスコードすら守れない人も乗り込みます。そういう日常感満載の人もたくさんいますから、非日常な船旅を求める人には、カジュアル船は不向きなのかもしれません。
あと、カジュアル船では見かけの乗船料金を安く見せるために、オール・インクルーシブと言いながら、あれこれオブション設定になっていたりするのは御愛嬌です(笑)。
一方で、カジュアル船は大勢の客を載せるため、かなり巨大な船体となります。少数の客しか乗せない、プレミア船やラグジュアリー船と比べると、船体が大きいために、海での揺れが小さいのは長所とも言えるでしょう。もっとも“揺れが小さい”だけで、全く揺れないわけではありません。船酔いや陸酔いをしない程度の揺れしかない…って事ですが、三半規管の強さには個人差がありますから、弱めの人にはカジュアル船は良い選択肢となるでしょう。
今回のクルーズ旅行は、4泊5日という短い旅行期間のショートクルーズでしたので、、毎日寄港地で下船して、観光旅行をしました。昼間の時間帯は常に外にいたので、クルーズ船そのものを楽しむ時間が少なかったです。船内では、朝食夕食を食べて、夕方のショーを見て、後はキャビンでゆっくり過ごして、たっぷり寝る…くらいでした。特に中日以降は怪我をしてしまったので、船内で大人しくせざるをえなくて、ちょっと残念でした。
船内は日本ではないので、カジノで賭博もやり放題だし、昼間からバーで酒浸りになっても良かったわけだし、せっかく南国に行ったのだから、プールで遊びまくってもよかったし、我々が行かなかった、もう一つのシアターもあったわけだし、屋外に設置された巨大スクリーンで映画鑑賞してもよかったし、その他にもたくさんの遊興施設を堪能することができたはずなのに、それらが全然楽しめませんでした。せめて、1日だけでも航海日(寄港せず下船しない日)があっても良かったなあ…と思わないでもありません。せっかくの豪華客船自体をきちんと楽しめなかったのは、実に残念です。
船内で感じた違和感の一つとして「飲料水は基本的に有料」という事です。日本では「水と安全は無料」というのが常識ですが、船内は違います。蛇口から出てくる水は、基本的に飲めません。飲料水はバー等でわざわざ購入しないといけません。レストランに入っても、水は基本的に有料サービスで座席料に含まれます。一部の中国語話者たちが、水筒持参で、ビュッフェのウォーターサーバーから水を汲んでいて、周囲から白い目で見られていました。水筒に水を汲むのは、ダメではないけれど、マナー違反のようです(ま、そうだと思いますよ)。ちなみに、飲料水は1ボトル(500ml)で4ドル(640円)というヨーロピアン価格でした。我々は事前にドリンクパッケージを付けていたので、水と酒は、一部の高級酒を除いて、基本的に飲み放題でしたので、そんなみっともないマネをせずに済みましたが、値段を知ってみると、持参した水筒に水を汲みたくなる気持ちも理解できないわけじゃありません。
英語はたっぷり使いました。英語の使用時間に関して言えば、生まれてから船に乗るまでのすべての人生の中で英語を使った時間よりも、この5日間の方が、多く英語を使ったと思います。「英語を勉強したのは、この船に乗るためだった」と思ったほど、英語を使いました。もはや、英語は国際公用語だよね。
一方、日本発着便で、おそらく千人以上の日本人客が乗っているという事もあって、船内では日本語もかなり通じていました。船内アナウンスも、だいたい、日本語・英語・中国語の順で同じ内容でアナウンスされていましたし、船内掲示物でも日本語のものを多く見かけました。ただ、日本語会話のできるスタッフは限られていたので、ヒトとのコミュニケーションは英語が出来ないと、どうにもならない…と理解しました。簡単な英語でもやりとりができないと、バーで水1つ頼めません。ほんとに英語が苦手な人は、旅行会社の添乗員さん経由で通訳してもらうしかないのかな? と思いました。スマホで通訳…それは街中ならともかく、船内では無粋だと思います。でも英語が全く分からないのは、さすがに不便すぎるので、やっぱり日常会話ぐらいの英語はできないと楽しめないなあ…と思いました。
で、その英語ですが、船内にいるスタッフの大半は英語圏の人ではありません。船はマルタ船籍だし、運営会社はイタリアの会社ってわけで、外人スタッフも英語圏の人ではないのです。白人に見えても、イタリア語話者の人が大勢いますし、そもそも白人じゃない、浅黒い肌をした東南アジア系の人や、明らかに黒人な人がすごくすごくたくさんいました。むしろスタッフ的には、東アジア系の人は少なかったですし、東アジア系の人がいても日本語話者は少なくて、むしろ中国語話者の方が多いです。そんな数少ない日本語話者のスタッフたちは、我々が日本語で「困った困った」と話をしていると、積極的に声をかけてくれるので、そこまで不安になる必要はないのかもしれません。それくらい、ホスピティリティはきちんとしていました。
でもたくさんの人種の人がいて、彼らはみな英語を話しますが、正直、訛りがキツイです。日本の学校で習うような、きれいな発音で英語を話す人なんて、まずいません。きれいな英語を話すのは、船内アナウンスのアナウンサーのお姉さんぐらいです。そこらのスタッフさんの英語は、めっちゃやたらと訛ってます。まあ、英語なんて訛っていてもいいんです。アクセントなんてデタラメでもいいんです、通じればいいんだよ…って事なんでしょうね。ですから、私も訛った英語で積極的に話をしました。学校じゃないんだから、英語の発音なんて、そんなに気にしなくていいんですよ。
あと、ほんとたくさんの人種の人たちが、普通に働いているんです。肌の色とか、言葉の訛りとか気にしていたら、何もできません。“人種の多様性”なんて、ごく普通の世界なのです。この環境にいると、ほんと、日本の社会が人種の偏った特殊な世界なんだなって思いました。日本では、ポリコレなんて「どこ吹く風」ですが、船内ではポリコレは大切です。人種差別とか、外人嫌いとか、外人アレルギーとか、全くあり得ない、前世紀の悪癖にしか思えなくなります。
レストランの食事は毎食美食で、贅沢で美味しかったのだけれど、やはり日本食には飢えましたよ。自分は毎食洋食でも全然平気…と乗船前は思っていたけれど、本当に日本食をクチにしなくなると、心のどこかで日本食を求めるようになりました。一応、船内のビュッフェには日本食コーナーがあって、白ご飯とか味噌汁とか煮物とか漬物とかは用意されているのだけれど、非日本人シェフが用意しているのでしょうね、一つ一つが「これじゃない感」に溢れていて、美味しくないのですよ。多分私は、普通に美味しい炊きたての御飯を食べたくなったし、焼き魚や海苔や生卵が食べたくなったし、刺し身とか天ぷらとか、無意識のうちに、カレーライスやラーメンを探していました。やっぱり私は日本人なんだなあ…って思いました。なので、下船したら、すぐに刺身定食を食べてしまったくらいです(笑)。
お風呂に入れないのは、何気にツライです。シャワーは毎日浴びましたが、やはりシャワーだけで湯船に浸かれないのは、メンタル的には物足りません。シャワーは浴びても、気分は風呂キャンセル界隈の人でした。
日本の旅館なら、室内は浴衣にスリッパ履きですが、外国船ではそうはいきません。我々は船内ではジャージでクロックスを履いて過ごしていました、これは思ったよりも便利で快適でした。
船内で何気に辛かったのは、どこのトイレにもウォシュレットが無かった事です。実は石垣島や台湾でもウォシュレットにはお目にかかれず、宮古島で久し振りにウォシュレットに出会えた時は、なんか感動してしまいました。沖縄本島には普通にウォシュレットがありました。ウォシュレットに出会えなかった時は、トイレに流せるタイプのウェットティッシュを持参して使用していました。これ、便利ですよ。
旅行期間は12月下旬で、冬の真っ只中でしたが、沖縄~台湾は南国でした。地元の人たちは半袖半ズボンでしたね。我々も春の服装で十分でした。なにしろ、東京と那覇では、10~15度ほど気温が違うのですから、季節が一つ違う感じです。冬の沖縄は実に快適でしたよ。羽田空港に戻ってきた時は、寒さが骨に沁みました。
初海外の台湾は…なんか街の作りや雰囲気が、昭和の時代の日本みたいでした。街の臭いは日本とは全然違うのですが、風景は(明朝体の漢字の看板が多かった以外は)割と日本っぽかったです。日本のチェーン店の街中にあふれていました。ですから、街だけ見ていると、外国に来た感じは薄いのですが、そこに住まう人々は全然違うので、やっぱり外国なんだなって思いました。かなり似ているけれど、やっぱり違うんです。そういう違いを楽しむのが海外旅行の面白さなんだなって思いました。あと、日本ほど清潔ではないですし、安全でもありません。遊びに来る分には楽しいけれど、ここでは暮らせないなあとも思いました。
まあ、こんな感じかな? クルーズ旅行は思ったよりも楽しかったし、カラダも楽でした。バス旅行よりも、ずっと快適でした。これは癖になりそうだな…と思いました。
ただし経済的には、カジュアル船であるベリッシマ号はともかく、それよりもランクが上がると、旅行代金がググンと上がるので厳しいだろうなあ…と思いました。カジュアル船なら、宿泊費に移動代金や食費の事も考えるなら、普通の旅行よりもむしろ格安と言えるけれど、さすがにプレミアム船以上になると、お値段もガッツリ釣り上がるので、贅沢旅行としか言えなくなります。
実は私、また近い内に再びベリッシマ号に乗るつもりです。今回、寄港地観光ばかりしてベリッシマ号そのものを楽しめなかったので、次は航海日(どこにも寄稿しない日)もある日程で、たっぷり豪華客船そのものを楽しめたらいいなあ…と考えています。さらに、もう少し先には、ランクを上げて、同じ豪華客船でも、プレミアム船やラグジュアリー船に乗れたらいいなあとも思っています。だってベリッシマ号と比較をしたいじゃないですか? 同じ豪華客船とは言え、これ以上のレベル上げなんて、そんな贅沢をしてもいいのだろうかという、いわれなき不安を抱えていたりします。人間、一度上げたレベルは簡単には戻せないからなあ…。
とにかく、今回の旅でクルーズ船旅行がとても気に入りました。しばらくはクルーズ船旅行に通いたい…なんて贅沢なことすら夢想しています。
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