息を切らせながらも、何とか集合時間に間に合った私達でした。
実はこの団体旅行中、こんな感じで何度も解散集合を繰り返していた我々です。記事ではいちいち書かなかったけれど、ここまでも、この先も、何度も解散集合を繰り返していました。そのたびに集合時間が明示され、我々団体客はその時間を目指して所定の場所に集まるわけだけれど、一度たりとも集合時間に全員が揃った事はありませんでした。我々の団体には、必ず遅刻してくる人がいたのです。
ツアーの最初から、添乗員さんが口を酸っぱくして言っていたのは「集合時刻に遅れない事」です。たくさんの交通機関を乗り換えていくし、我々は団体客なので全員揃わないとそれらの交通機関に乗れないわけです。一人でも遅れて乗り損なうと、我々自体が乗れなくなって困るのはもちろん、そのしわ寄せが次に控える団体客にも出てしまいます。だから遅刻厳禁なのです。最悪、遅れた人を見捨てて先に進まざるを得ない事もある、と言われていたにも関わらず、我々の団体の中に、平気で遅刻を繰り返す人がいました。いや、遅刻を繰り返すではなく、いつも必ず遅刻する人がいました。
我々団体客の集合時刻と言うのは、我々が乗るべき交通機関の発車時刻のだいたい15分前に設定される事が多かったです。その15分の間に人数確認をし、乗車の手続きをし、車両に乗り込むわけで、決して時間に余裕があるわけではないのです。15分前の集合でも、結構時間的にはギリギリなのです。それなのに、遅刻をしてくる人がいるのです。
その人はこのツアーで必ずと言っていいほど、毎回遅刻をしていました。ほんの2~3分程度の遅刻の時もあれば、時間に間に合わず、後からしれってとした顔で車両に乗り込んでくる時もありました。とにかく、その人の遅刻のせいで、我々は集合時刻になっても行動を開始できず、必ず数分の足止めをくらい、やがてその人が来ればよし、来なければ見捨てて先に進む…を繰り返していました。あちこちの観光ポイントには我々以外にも団体客の集団がいます。それらの集団がスイスイ行動をしている隣で、いつもいつも、ただ待ちぼうけを食らっているのが我々なのでした。
それにしても、どうして遅刻をするんでしょうか? そして遅刻をしても平気なのは、どうしてなのでしょうか? 何しろ遅刻をしても表情一つ変えませんからね。他の客に迷惑を掛けているにも関わらず、謝るでもなし、ふわっと何気なく時間に遅れて我々と合流するのです。
ある時、我々の団体のあるオバサンが見かねて、その人に説教をしていました。でも、その後もその人の遅刻は、全く改まりませんでした。
私は職業柄、遅刻をする人間というのをたくさん見てきました。彼らに言葉は通じない事は知っていましたし、彼らは遅刻をしても平気だし、それで困ったとも思わないし、ましてや周囲に迷惑を掛けているという自覚もありません。遅刻の常習犯という人種は、実に無敵な人たちなんです。ですから、彼らはそういう種類の生き物であって、私とは別の種類の生き物だと思うようにしているので、彼らが遅刻をしても気にも留めていません。
ただ、遅刻をする人のせいで我々の行動が妨げられるのは、私も愉快には思っていなかったのは事実です。なので、彼らの遅刻のせいで我々の団体が足止めを食らうたびに「遅刻する人間を待っていても意味がないので、さっさと進めばいいのに…」と思っていました。私の怒り(?)は、遅刻をする人ではなく、彼らを待ってしまう添乗員の姿勢に向いていたくらいです。もっとドライに、もっとビジネスライクに対処すればいいのに…って考えていました。
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