平成館での特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を見終えて、ロッカーに入れた荷物を取りに行ったついでに、考古学展示室を覗いてみました。うむ、いわゆる普通に博物館にありそうな展示がたくさんありました。ハニワとか土器とか鏡とか壺とか貨幣とか…。大判小判や銭の(たぶん)レプリカを持ち上げる事ができました。小判って、結構重たいです。
その向かいの企画展示室では「新版画―世界を魅了する木版画―」いう事で、大正から昭和初期の新版画画(さすがに浮世絵とは言わないみたいです)が展示されていました。技法的にはすごいのかもしれませんが、やはり江戸時代の絵師たちの作品と比べると、やや見劣りせざるをえません。やっぱり、写楽とか歌麿ってすごい絵師なんだと思いました。
一通り平成館を見終えた我々は、次に表慶館に行きました。
表慶館はやや古めの洋館です。なんでも、大正天皇のご成婚を記念して作られた建物なんだそうです。ちなみに、さっきまでいた平成館は、今上陛下のご成婚を記念して作られた建物なんだそうです。ふーん。
表慶館では、特別展「浮世絵現代」をやっていました。こちらは、平成館での特別展を見た人は無料で見られる…というので、見てきました。
内容は、現代の浮世絵師たちの作品が展示されていました…現代の浮世絵師と書きましたが、どこまでが専業/本業なのかな? いわゆる、漫画家、美術家、建築家などの、いわゆる“今の時代のアーチスト”が洋の東西を問わず、浮世絵の原画を書き、それを現代の浮世絵職人たちの集団であるアダチ版画研究所の方々が作品にしたもの…が展示されていました。
はっきり書いちゃいます。玉石混交でした。漫画家さんが原画を書いたものは、浮世絵としても面白いと思いました。まあ、漫画家さんって、日頃から印刷前提の絵を書いているわけで、彼らの絵と木版画(浮世絵の本質って木版画だと私は思います)って相性がいいんですよね。でも、いわゆる芸術系のアーチストさんたちの作品って「これ、木版画にする必要ある?」ってものばかりでした。別に、キャンパスに筆で書いてりゃあいいじゃんって感じの作品ばかりだなあ…って思っていまいました。
結局、木版画って線画なんだよね。浮世絵って、多色刷りの線画なんだよ。でも、いわゆる西洋系のアートって、光と影なんだよね。だから、いわゆるアーチストさんたちが作る作品って、光を描いて影を描写しているんだけれど、その手法って線画の集合体である木版画/浮世絵とは異質なものなんだなあって感じました。
まあ、そんな事が感じられただけでも、この特別展は見る価値アリでした。そりゃあ、浮世絵の伝統がある日本だから、マンガがこれだけ隆盛になったんだなあって思いましたよ。マンガと印刷って、ほんと相性がいいんだよね。そう思うと、現代の浮世絵って、マンガのカラーベージがそれなんじゃないかなって思ったりしました。
で、平成館と表慶館を見たら、もう疲れてしまいました。年だなあ…。なので、本館とか、その他の建物での展示を見るのは諦めてしまいましたよ。だって、疲れたカラダじゃ、何を見てもダメだもの。
駅前でラーメン食べて帰りました。それにしても、上野も外人だらけです。私が入ったラーメン屋も外人だらけでした。外人さんたちが美味しそうにラーメンを頬張っていたよ。我々の感覚で言えば、ラーメンは中華料理だけれど、昨今の外国人観光客にとっては「寿司、天ぷら、ラーメン、トンカツ、唐揚げ」が、食べてみたい日本食って事で、ラーメンは日本食のカテゴリーに入るわけだし、彼らにとってラーメンを食べるのは、とびきりの日本体験なんだそうです。そりゃあ、ラーメン屋も外国人で繁盛するよね。
というわけで、これで2025年のGWのお話は終わりです。いっぱい遊んだなあ…。
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