ピアノに限らず、楽器の音を聞いて“音を取る”…とりわけ、楽器の音を聞いて、即座に同じ音程を取って歌うのって、難しくないですか? 他人が歌うのを聞いて、それを聞いて同じ音階で歌うのは、それほど難しくないのに…なぜなんでしょうね。
歌を聞いて音程…と言うか、音階を取って歌うのは簡単です。ただし、お手本の歌とは、同じ音程とは限らず、1オクターブ上とか下の音で歌ってしまう事もあるけれど、他人の歌を聞いて、同じ音階で歌うのは、それほど難しくないです。「ドレミ~」と歌っているのを聞いて、同じように「ドレミ~」と歌うのは簡単です。まあ、一種の耳コピですからね。
でも楽器の音を聞いて音程を取って歌うのは難しいです。少なくとも私は、そんな感じです。だから合唱等の場合、楽器の音で録音されている“音取り音源”を聞いても、なかなか自分のパートが歌えません。でも、同じパートの人が歌っているのを聞けば、簡単にマネして同じように歌えます。
おそらく、そこには器楽と声楽という、全くタイプの違う音楽を混ぜても平気だと感じる人と、違うものは違うのだと感覚レベルで忌避してしまう人がいて、私はおそらく後者の人間なんだろうと思います。
楽器の音と歌は違うのです。ピアノで奏でる旋律と人が歌う歌は違うのです。
で、音取り作業と言うのは、自分の声で正しい音程で歌を歌えるようにする作業の事です。だからお手本が必要です。ソルフェージュ能力が高い人なら、楽譜を見るだけで、正しい音程が想起できて、そのイメージ通りに歌えば良いのです。ソルフェージュ能力が低い人は、何かが奏でる正しい音程を聞いて、イメージを膨らませて、歌うわけです。
その際、他人が歌う歌を聞いて、そこから正しい音程を取って歌うのは、歌を聞いて歌うのですから、まあそんなに難しい事ではありません。しかし、ピアノに限らず、楽器の旋律を聞いて、そこから脳内で音程という要素だけを抜き出して、それを自分の歌声と照合して、対応する声を出して歌っていく…かなりのハードモードな作業だと私は思うのです。
実際、他人の歌を聞いて自分が歌う分には、相手がどんな声種であっても、実音が1オクターブぐらい違っていても、特に問題なく、割と簡単に出来ます。
しかしピアノを使って音取りをする際、ピアノの音を聞いて、それと自分の声を比較検討して、音程が一致しているかどうか、いちいち確認しないと音程が正しいかどうか分かりません。その確認方法とは…音叉の音を聞いて楽器の音をチューニングするのと、ほぼ同じで、楽器の音と自分の声が共鳴するかどうかの確認作業をするわけです。私は、2つの音を脳内で確認をしたり、ピアノの音を聞きながら鼻腔の中に声を出して、鼻腔での響き具合で確認しています。
まあ、最初の音さえ、きちんと確認できれば、後はそこから音程を作り出して歌うので、その後は、まあ何とかなります(それでも途中で音程が狂ってしまう事があるから、途中途中で確認をする必要はあります)。
そんなわけで、音取りって面倒な作業だけれど、これをしないと正しい音程で歌えないわけで、半分諦めて取り組んでいるわけです。
それをしないで済む、絶対音感を持っている人が、ほんと、羨ましいです。
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