室堂駅は標高2450mにあり、立山の高原地帯である室堂平にあります。立山に登る人は、ここから頂上目指して登るそうで、実際、ここは我々観光客よりも、ガチな登山の装備を身に着けた登山者の方が多いくらいでした。富士山で言えば“五合目”みたいな場所なのでしょう。実際、標高も富士山の五合目と同じくらいなんだそうです。
また、室堂駅は人気高級ホテルのホテル立山と一体化している駅です。トロリーバスと高原バスの駅である1階から一つフロアを上がると、そこにレストランとティーラウンジと売店コーナーとホテルの入口があります。さらにもう一つ上がると、そこには屋上展望台と室堂平への通路があり、その横にはホテル部分の建物がそびえ立っています。
室堂駅で一度解散した我々は2時間程度の自由時間を過ごします。まずは昼食です。昼食を食べる場所は、1階の駅舎部分にも、立ち食いそば屋や待合室にある軽食コーナーなどがあり、時間がなければそちらで食べても良いのですが、前日のこともあるので、まずは2階に上がってみたところ、レストランがまだまだ空いているようなので、ホテルのレストランに入ってみました。
時間は有効に使わないといけません。すぐに食べられるメニューを選ぼう…というわけで、私は“白エビ唐揚げ丼”を頼みました。これは文字通り、丼飯に白エビの唐揚げをたっぷりトッピングしてみました…という料理なのですが、じっくりと白エビを堪能できました。前日に食べた“白エビそば”は、どこに白エビがいるのか分からなかったけれど、この白エビ唐揚げ丼は、ほんと、白エビしかいませんでした。白エビたっぷり、いやほんと。こういうのが食べたかったんだよ。唐揚げと言っているけれど、薄味の付いた海老天って感じで、あまり唐揚げっぽくはありませんでした…ってか、そんなに濃い味付けをしたら、エビの良さが消えてしまうから、これはこれで正解なんだと思いました。
食事を終えたら、屋上を経由して、室堂平に行きました。
海辺で生活している私のような“海の民”にとって、ここ室堂平は、まるで別世界です。高い山々に囲まれているのも違和感があるし、すぐそこには深い谷があるのも違和感があります。どこもここも地面が傾斜しているのに慣れませんし、何より空気が違います。もちろん、空気感も違うけれど空気そのものが違います。臭いも違うし、なんか質的にも違いを感じます。たぶん、潮の香りがしない事と代わりに森の香りがする事や、空気が薄い事、気圧が違う事などから“空気が違う”って感じるんだと思います。実際、音が聞こえる感じも違うような気がするし、妻は「頭が痛い」とも言ってました。ちょっと動くだけで息苦しくなるし、やたらとカラダが重く感じます。
ほんと、別世界。異世界にまぎれてしまったような気さえしました。
玉殿の湧き水を飲みました。だいたい、地面から水が湧き出ているってのが理屈では分かるけれど、なんか納得できません。でも湧き水自体は美味しいので文句はありません。
かなり涼しいです。気温は約19度。そりぁあ涼しいわな。思わず羽織っていたウィンドブレーカーの前を閉めました。周囲を見回すと、観光客と思しき人たちは半袖半ズボンでサンダル履きなんて軽装な人もいるけれど、ガチな登山客と思われる人たちはしっかりと着込んでいました。たぶん、服装的には登山客の方が正解でしょう。山を舐めちゃいけないのです。
眼の前に、立山で一番高い雄岳が見えます。それを含んだ立山連峰の峰々が私に覆いかぶさるようにしてそびえています。足元を見ると、いわゆる高原植物は生えています。生えているのは、大半が草で、その草と同じ程度の低木っぽいのがちらほら見られるだけで、いわゆる木は生えていません。谷に目をやると樹木が茂っています。森林限界って言葉が頭にひらめきます。
そのまま、高くそびえる峰々に目をやると、下から続く緑色が、あるところから無くなり、そこより先の峰が白くなっています。この室堂平のあたりは樹木はダメだけれど草ならOKな場所だろうけれど、ここからさらに高くなってくると、草もダメだけれど苔ならOKという場所になり、そこよりも高くなると、苔すらダメで、モロに山肌が露出していて白く見えるのだろうと思いました。ああ、これが森林限界よりもさらにガチな植生限界ってヤツなんだなって思いました。
あの峰の先に、天空の世界が広がっているのだな。標高3000mの世界なんて、想像できないよ。
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