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声は後ろに引っ張りながら前へ出す

 …とは、よく言われる事です。

 「後ろに引っ張る」とは、口腔の奥の部分の容積を多くする事、つまり、クチの奥を大きく開くことです。口腔を後方に拡張するのを「後ろに引っ張る」という表現で表しているわけです。

 なぜ、そのような事をするのか? もちろん、そうした方が(クラシック声楽的に)美しい声、理想的な声に近づくからですが、そこで「美しい」とか「理想的」とか考えられている声が何なのか…と考えてみると面白いですね。

 で、考えてみました。おそらく、我々が感じる“理想的な声”とは、白人たちの声なのでしょう。何しろ、クラシック音楽って、彼らの民族音楽ですからね。ですから、彼らのような声で歌うのが理想であり、彼らのような声が美しい声なのです。

 そこで…悲しいかな、声って人種ごと、民族ごとに違います。我々日本人の声はヨーロッパ系の白人たちの声とは全然違います。

 その大きな原因の一つが骨格です。日本人の骨格って扁平なんですよ。左右に広いのに、前後が狭い骨格なんです。つまり、薄べったいんです。悲しい事に、昆虫で言えば、カブトムシではなくGのような体型なのです。

 Gである我々がカブトムシのような骨格になるのは無理ですが、それでも少しでも近づきたいではありませんか? だから、声を後ろに引っ張って、口腔を少しでも前後に拡張していこうとするわけです。

 なので、白人っぽい声を出したいのなら(あくまでもモノマネレベルにしかなりませんが)思いっきり、声を後ろに引っ張る事が肝心なのです。

 でも、こればかりになってしまうと、声は後ろにこもってしまうので、声は後ろに引っ張りつつも、息はしっかりと吐いて、一度後ろに回した声を、強く吐き出す息とともに、しっかりと前に出していきます。そうする事で結果的に、いわゆる“オペラ声”になって歌えるわけなのです。

 だから「声は後ろに引っ張りながら前へ出す」ことって、とても大切なのです。

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