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あなたの声域はどれくらいありますか?

 私の声域は、歌で使えるという観点で考えるなら、2オクターブ弱って感じでしょうか? 低いラ(A2)から高いソ(G4)ぐらいかな? そんなもんです。音域的には、ほぼバリトンですね(汗)。テノールとしては、高音域に不足を感じますが、声質がテノールなんだから、バリトンではなくテノールなのです。仕方ないのです。だから、“テノリトン”とか“バリトーネ”と揶揄されても言い返すことはできません。合唱テノールなら充分声域なんですが…ねえ。

 客観的に考えるなら、プロ・アマ問わず、男声歌手として、約2オクターブの声域を持っているのは、標準的だろうと思います。

 ちなみに訓練していない一般の男性の音域は、せいぜいド(C3)からミ(E4)くらいなんだそうです。音程の幅として10度ですね。まあ、大抵の歌のメロディはこの中に収まりますから、普通に歌うには不便も不足もないでしょう。

 男性は、いわゆる地声だけで歌い、裏声は使いませんから、話は単純なのですが、女性の場合は、訓練されていなくても、地声でも裏声でも歌うので、話は少々複雑になってきます。

 例えば、クラシック系の訓練を受けた女性は、主に頭声で歌います。頭声は…厳密には違うのですが、まあ裏声系の声だと思っていいと思います。ですから、かなり高音で歌う事になります。一方、ポピュラー系の訓練を受けた女性は、逆に、主に胸声で歌います。胸声は…これも厳密には違うのですが、まあ地声系の声だと思っていいと思います。なので、女性であっでも、男性の高音歌手ぐらいの低めの音域で歌います。

 さらに言えば、この頭声と胸声の両方をうまく使いこなす人もいて、そうなると使える音域がかなり広がります。マライア・キャリーは7オクターブの声域(ピアノとほぼ同じ、信じられない広さです)を持っている事で有名ですが、日本でもMISIAは5オクターブの音域を持っているそうです。すごいね。

 男性歌手でも声域の広い歌手はいて、特にロック系の人はシャウトをするので、そこまで入れると3オクターブ半ぐらいの声域の人が数人もいます。男性としては、目玉が飛び出るほどの広い声域ですが、女性歌手と比べると、そんなに凄さは感じられませんから「やっぱり女性はすごいなあ」と言わざるを得ません。

 クラシック業界でも、男性歌手はだいたい2オクターブ前後の声域の人が多いですが、女性歌手は3オクターブくらいの声域の人も普通にいますから、声域に関しては、女性の方が圧倒的に広いと言えるのかもしれません。

 もっとも、そんなに広い声域を持っていても、それだけの声域を必要とする曲はそんなにありませんから、ある意味、宝の持ち腐れと言えなくもないです。

 さほど広い声域を持っていなくても、大抵の曲を歌うには不足はないわけですから、自分の身の丈と声質と声域を考えて、レパートリーを選んでいけば、たぶん、歌を趣味として生きていく分には問題はないんだろうなあって考えます。

 そう考えると、音域自慢ってのは、あまり自慢にならない…と言うか、ちょぴり不毛な感じがする自慢ですよね。「ああ、そんなに(高い方 or 低い方、が)出るんだ…[棒読み]」って感じになりかねません。

蛇足 とは言え、やっぱり高音がラクラク出る人は、単純にうらやましいと思う、テノールな私です。

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コメント

  1. 如月青 より:

    毎度お邪魔しています。
    音域、欲しいですよね。女声でも私のように不器用な人間は、上も下も出すコツをつかむのに苦労するので、自宅のピアノに合わせてぎりぎり2オクターブがいいところです。

    先生の前では、1オクターブ半あるかないか。体をきちんと使って音の中心に当てないと出たとみてくれないので、d2くらいでもやり直しでレッスン時間切れ、ということもあり。

    ポピュラー系の人がすごい、と思うのは、独学でも広い音域が出せることですね。女声だと、低く聞こえるけど実際のキーはカラオケ用のものより3、4度は高い例がある。中島みゆきの本人が書いた楽譜には、f2やg2が普通に出てきたりします。地声の音域が非常に広いので、高さを感じさせないのだそうです。
    森進一もキーは非常に高くて、普通の男性が歌えるレベルではないそうで、下向きの音色とのギャップがあの独特の魅力だと。

    若いグループだと髭男。楽譜見ると、f3まで。無論1オクターブ下で歌ってるのでしょうが、ファルセットでもこれだけ出るって⁉️

    天賦の才ってあるものなんですね、とため息ばかり。

  2. すとん より:

    如月青さん

     カラオケのキーは、大抵、歌手たちが歌っているより3度低く移調されているのが普通なんですよ。普通の人だと、プロ歌手のようには歌えないので、そういうふうに調整されているわけです。私は、それだと返って歌いづらいので、必ずオリジナルキーに設定し直してから歌うようにしています。

    >若いグループだと髭男。楽譜見ると、f3まで。無論1オクターブ下で歌ってるのでしょうが、ファルセットでもこれだけ出るって⁉

     たぶん、如月さんが書いている“f3”って小文字表記から推察するに、おそらく英語式、またはドイツ語式ってヤツですね。これだと、中央ドがcで、その1オクターブ下がCって言う表記法ですね。ちなみに、私が最近使っている国際式だと、中央ドはC4になりますので、如月さんが書いている“f3”というのは、国際式だと“F6”になります。

     表記上はF6であっても、男声ですから実音的にはF5に相当すると思われます。そうなると、男声Hi-Cよりも4度高いHi-Fですね。若い頃のパヴァロッティが出していたとか? 現役テノールで言えば、ファン・ディエゴ・フローレスがたまに出してます。これらは、いわゆる地声ですね。すごいなあ。

     私は髭男について、そんなに詳しいわけではないので、さっそくググって調べてみました。髭男のF5は“Travelers”という曲で使われているそうですが、これは裏声のようです。とは言え、髭男のヴォーカルは、そもそも声が高く、地声でもHi-C#までは使うようです。それはすごい事です。オペラ歌手と比較すると、パヴァロッティやフローレスとは比較にならないけれど、Hi-C#まで使うとなると、並のプロテノールよりもすごい歌手とは言えると思います。破格のすごさなのです。

     ちなみに、声が高いポピュラー歌手というと、オフコースの小田和正氏が思い浮かびますが、彼は地声でA4(Hi-Cよりも低いAです)までなんです。裏声は使いません。髭男は、それよりも、うんと高い音まで使うんですから…髭男のすごさが分かります。ちなみに、森進一氏は、G#4までだそうです(彼も裏声は使いません)。

     もちろん、この高さでは、普通の男性では歌えない…という事には同意します。髭男はもちろん、小田和正氏も森進一氏も…ですね。やっぱり彼らはすごいです。

     私は、頑張れば…小田和正氏や森進一氏の歌が歌えそうですが、髭男は歌えなさそうだなあ(汗)。

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