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ドニゼッティのアリアは難しいのだそうです

 は~い! ブログ復活してます。当初の2回目の予告では、本日がブログ復活日でしたか、実は先週の金曜日から復活してます。予定より3日早い復活だったけど…良いよね。勘弁してください。
 さて、ブログをお休みしている最中に、声楽のレッスンに行ってきました。
 まずは、発表会後のレッスンでの課題曲の決定です。まあ、いつも私が候補曲を上げて、それを先生に精査してもらって決めているわけですが、今回は色々と忙しかった事もあって、私自身、時間をかけてゆっくりと選曲する事ができなかったので、ひとまず実力を顧みずに歌いたい曲という事で、ドニゼッティの歌劇「ドン・パスクアーレ」の「Com’e gentil/なんという優しさ」を持っていきました。この曲、最高音こそA止まりですが、音程平均値が高く、メロディの跳躍も激しくて、ちょっと難しい気がします。
 案の定、先生も渋っていました。先生がおっしゃるには、ドニゼッティは発声技術の過渡期の作曲家なので、今の発声技術だと歌いづらいのだそうです。つまり、発声がまだまだルネサンス~バロック様式の発声をしていて、テノールの高音がファルセットで歌われていた時代の名残があった時代の作曲家なのです。だから、そんな作品を今の歌唱技術で歌うのは、かなり難しいそうですし、実際、この曲のメロディは発声的にかなり難しいというわけです。
 先生の考えでは、この曲はまだ私には難しくて、手の届かない曲…と判断しているわけですが、じゃあ他に手頃な曲があるのか?と言えば、すぐには思いつかないわけで…私の歌いたいという気持ちを優先し、レッスンで歌うだけで、人前で歌うわけでもないので、チャレンジしてみましょうとなりました。もしも歌えなかったら「やっぱり無理だったね」って感じで終わりましょうと約束して、この曲にチャレンジです。つまり“タメもと”ってところです。
 この曲を知らない人のために音源をアップしておきます。こちらの音源は、Javier Camarena というテノールさんの音源ですが、ギターの弾き語りバージョンです。この曲のオリジナルはギター(あるいはハープ)の伴奏で歌うので、まあ本来はこんな感じの曲です。もちろん、私は普通にピアノ伴奏で歌いますが(笑)。最初の1分間ほどはおしゃべりをしているので、そこを飛ばしていきなり歌から再生できるようにしてアップしたつもりですが、もしもプレイボタンをクリックしてすぐに歌が始まらなければ、スライドして1分ほど飛ばして見ると良いと思います。
 それにしても、ドニゼッティは軽めの曲が多いしメロディアスな曲も多いので、何となく選曲しちゃうのですが、発声的に難しいと言われれば、次からはちょっと避けた方が良いのかな?って考えました。先生がおっしゃるには、ヴェルディは発声的によく考えられていて歌いやすいそうだけれど…ヴェルディの曲って、どれもこれも重いんだよね。「アイーダ」「オテロ」「ドン・カルロ」…どれもこれも、歌ってみたい気はしますが、正直、声に合わない気がします。次からはヴェルディの前期~中期あたりの曲を漁ってみようかな? もっとも、私、ヴェルディのそのあたりのオペラって、ほとんど知らないんだよね。私が知っているヴェルディは「リゴレット」以降だからなあ…。

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コメント

  1. 如月青 より:

    よく合唱でテナーの人が、高音をファルセットで出してしまったと落ち込んでいますが、ファルセットを持続的に使うって難しいらしいですね。
    今月から大学生の息子がいますが、彼の高校でのクラスは男女比が35:5で、合唱祭では苦労してました。
    1年のときは、男子生徒の半数が女性パート(1オクターブ下でなく、楽譜どおり)を歌ったそうですが、音楽系の部に入っている生徒も少なく、ファルセットの使い方が分かる人がいなくて自滅状態だったそうです。
    (息子は小学生のとき割とハデなボーイソプラノだったので、ソプラノに回されたそうですが、ノドが痛くなるばかりで、全然声が出なかった、ということ)
    ついでだから女装もすればよかったのに、と言ってみましたが、さすがに17人分の制服は借りられなかったということで...

  2. すとん より:

    如月青さん
     合唱テナーの方が「ファルセットを出してしまった」と落ち込んでいるのは、男声ではどのパートであっても、ファルセットを使ってはいけないからです。男声にとって、ファルセットで歌う事は、失敗した歌い方であって、声がひっくり返って恥ずかしい事なのです。だから落ち込むのも当然の話です。
     とは言え、合唱テナーにとって、高音って難しいのですよ。なので、高音は出せなかったり、失敗したり、フラットしたりするのも仕方ないのです。ですから、合唱団によっては、最初から「高音部分はファルセットで歌ってください」と指示する団もあります。ヘマされるよりはファルセットの方がマシ…と考えているのだと思います。
     息子さんの合唱も、考え方はその延長で「高い声ならファルセットでどうにかなる」と考えたのでしょうね。
     それにしても、男声がいくらファルセットを使っても、ソプラノを歌うのはかなりの難行ですよ。ボーイソプラノってのは、ボーイ(少年)がファルセットを使ってソプラノを歌うのです。ボーイでも無い男声なら、ファルセットを使ってもソプラノで歌うのは、普通に考えると無理です(笑)。カウンターテナーというファルセットを訓練して歌う男声歌手がいますが、彼らの多くは、その音域がアルトなんですよ。ソプラノを歌えるカウンターテナーって、ほんと少なくて、そういう人をわざわざソプラニスタと言って区別するくらい貴重なんです。
     そりゃあ、ノドが痛くなるばかりで声も出ずに自滅するのも、当たり前です。

  3. 如月青 より:

    ご教示有難うございます。東京5輪でソプラニスタのJupiterがありましたが、この世のものならぬ、という感じでしたね。
    息子のクラスも2年目はさすがに学習したようで、普通の男性2部にしました(女子は1オクターブ上で歌いますが、人数的に聞こえないのが可哀そうでした)
    で、女子は学ランを借りて男装したのですが、さすがにこちらの方は楽に調達できたということです。

  4. すとん より:

    如月青さん
     ソプラニスタに限らず、カウンターテナーって、ほぼほぼ人外の歌声だと思います。神様であったり、悪魔であったり…ね。ほんと、貴重な声だと思います。
     男声二部(+女声)と言うのは、オーソドックスですが無理のない編成だったろうと思います。やっぱり、そこに落ち着くでしょうね。その編成の場合、女子の歌声は聞こえなくても良しです。男子のメロディの“響き”を歌っていると納得しましょう(笑)。吹奏楽における、トランペットとフルートの関係みたいなものです。

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