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生理的にイヤなんです

 声楽のレッスンの続きです。新曲です。シューベルト作曲「美しき水車小屋の娘」の 9番「Des Mullers Blumen/水車職人の花」です。
 音楽的には、さほど難しくありません。中声版を使っている事もあって、発声的には楽勝です。気をつけるのは、跳躍音程の時は、声を飛ばす前に息を目的の音程まで上げておく事や、フレーズの最後の息の切り方とか、後半部のフレーズの入りの音程がやや低いので、そこに注意する事です。
 特に、後半部のフレーズの入りの音程の低さは、ちょっとマズイです。この曲はG-durなのですが、移動ド的に書くと、フレーズの入りの音程はミなのです。その時、鳴っているピアノは、ドとソなので、歌の音程が低めになって、ミがミ♭のようになってしまうと、G-durがe-molのように聞こえてしまうわけです。これはほんと、マズイよね。転調していないのに転調しちゃったかのように聞こえるのは、絶対ダメ、ダメダメでしょ?
 入りの音程が低めなのは支えが弱いからです。支えが弱いので音程がぶら下がるのです。分かっちゃいるので、意識すれば修正できますが、ついつい無意識にだらしなく歌っちゃうからダメなんですね。反省。
 という訳で、音楽的に注意しないといけないのは、そんな事くらいかな?
 なので、レッスンではドイツ語に全面的に注力したわけです。とにかく、私はドイツ語がダメで、ドイツ語の歌詞なんぞはスラスラ読めるわけがなかったりするので、歌うにしても、あっちこっち引っかかったり、間違ったりしちゃうわけです。もちろん、家で予習はしてあるし、何度も練習もしているんだけれど、一向にドイツ語の発音は飲み込めないんだよねえ。
 とにかく、母音をドイツ語にする事。子音を丸めずにしっかり発音する事。ああ、難しい。最後まで歌い通して、ドイツ語のチェックをしてもらいました。ドイツ語さえちゃんとできたら、もうこの曲は終わり…と言われたけれど、そのドイツ語が難しいんだよね。
 それと、今まで「美しき水車小屋の娘」を歌ってきて、特に感じなかったのだけれど、今回の 9番「Des Mullers Blumen/水車職人の花」を歌って強く感じたのは、違和感と言うか、気持ち悪さです。
 なんか、この曲を私の声で歌うのを聞くと、すごく気持ち悪いんです。なんか吐いてしまいそうなくらい、生理的にイヤなんだな。今までそういう気持ちになった事がないので、この曲は特別なのかもしれません。とにかく、自分の明るい、脳天気な声でこの曲が歌われているのを聞くと、とても気分が悪くなるのです。
 この曲は、シューベルトがテノールのために書いた曲だし、曲自体は美しい曲で割りと好きな曲です。私が聞く音源もテノールが歌っているものが大半なので、テノールの声で歌われているのがイヤなのではないのです。私の声で歌われるのがイヤなんだろうな。
 私は、別に私の声が嫌いなわけではありません。まあ、特に好きという程ではありませんが、嫌いではないし、他の曲を私が歌っていても、それはそれでアリだと思っていますが、この曲と私の声の組み合わせに関しては、ナシだなって思ってしまうわけです。
 先生は「リートなんだから、どんな声で歌っても大丈夫なはず…」とおっしゃるのだけれど、感覚的にイヤなんだから、こりゃあしょうがないわな。
 ま、勉強のために歌っているので、イヤでもスキでも学び続けるし、歌い続けます…けどね。ふう。

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コメント

  1. 如月青 より:

    〉生理的にイヤ
    この曲が大好きで、毎日のように勝手に歌っている私には痛いのですが、歌えても歌いたくない曲ってありますね。
    水車小屋の花は、曲集の中でも特に少年的な
    曲で、ボーイソプラノあるいはボーイソプラノ的な女声でも映えそう、と思ってます。
    高く明るくても堂々と成熟した、パヴァロッティのような声で聞いたら変かも。すとん様の違和感というのはそういうところなのかな、と。
    自分の話で恐縮ですが、先日のこちらの発表会は、先生の模範演奏も含め、アリア系はプッチーニが主流でした。私はまだまだですが、出来てもプッチーニはやりたくないかなあ。聞くのはよくても、たぶん自分の声には乗せられない。若いときちょっと通っていた教室の発表会で、一曲どう、と言われたのですが、反射的に断ってしまいました。

  2. おぷー より:

    まず、手本になる発音が出来ている人に歌詞を読んで貰って、録音しましょう。
    そして、自分も歌詞を読んで、それを録音します。
    どちらもちゃんと聞いて、自分のどの発音がマズイのかチェック。
    その発音が入っている単語を沢山書き出して、何度も読む練習。
    地道に努力しないとダメですよ。
    きちんと発音出来る様になるまでは、こういう努力が最低3年は必要です。
    頑張って下さい。

  3. すとん より:

    如月青さん
     生理的にイヤと言うのは、理屈じゃないわけで、なぜ私がこの曲に嫌悪感を抱くのかは、今もって不明ですが、まあ、何かイヤなんです。
     プッチーニ…もそうですが、後期ヴェルディも、声が重くて…。私は歌いたいのですが、声的に厳しいかなと思わないでもないです。歌いたい歌と、歌いたい歌って、必ずしも一致するわけじゃないのが、ちょっと残念です。シューベルトはキライじゃないのですが、なんか…ねえ。時々、色々と考えちゃいます。

  4. すとん より:

    おぷーさん
     そう、語学の勉強って、本来は言葉やそれを使っている人びとに愛情が無いとうまくいかないと思ってますし、真面目にやらないと、その国の方に失礼だろうと思うんです。そういう点では、なんちゃってイタリア語とか、なんとなくドイツ語で歌っている私は、かなり失礼なやつにしか見られないだろうなあ…って思う時はあります。
     最低3年、ほんと最低でしょうね。真面目に取り組んでの3年でしょう。だから、私が「ドイツ語苦手だ~」とか言っているのは「そりゃあ真面目に取り組んでいないから」と言われると、まさにその通りです。
     どんな語学も地道な努力が必要です。その点、数カ国語で歌を歌われるプロの皆さんの努力には、ほんと、敬服します。

  5. おぷー より:

    今日、ちいとヒマなので、ググってみました。
    こんなのありました。
    ご参考までに。
    https://youtu.be/dPKtcxkqvXM

  6. すとん より:

    おぷーさん
     ありがとうございます、感謝です。
     正直、どうしようかと思ってました。最終的には、フィッシャー=ディースカウの音源から聞き取って学ぶかな…とも考えていました。でもね、音源から聞き取ると、歌詞の発音だけでなく、歌い方までコピーしてしまいそうで、ちょっと躊躇していたんです。
     ほんと、助かりました。

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