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ドイツ語の壁にぶちあたりました

 声楽のレッスンの続きです。

 さっそく、ドイツ語の壁にぶちあたりました。

 ドイツ語の母音は、日本語はもちろん、英語やイタリア語とも違います。特に“u”は“ウ”ではなく“ウ+オ”って感じです。まあ“u”に限らず、ドイツ語の母音は一般的に深い音色の母音なのです。

 ドイツ語の子音は、英語のように飲み込む事はせず、みんなしっかりと響きに載せて発声します。

 なので、語尾の子音の捌き方が英語とは全然違います。英語の場合、語尾の子音は往々に飲み込まれて、省略されるか、あいまい母音に変換されて発音されますが、ドイツ語の場合、語尾の子音は、次の単語の語頭の子音として発音されます。具体的には“Das Wandern”ならば、感覚的には“Das-Wan-dern”ではなく“Da-sWa-nde-rn ”となります。この発想は、とても大切で、こう考えて歌う事で、子音をしっかり立てて歌えるだけではなく、母音をしっかり伸ばしてレガートに歌うことにつながっていきます。

 それもあって、まず最初に、歌う前に、歌詞を読経のように読んでみました。音程は変えず、リズムも加えず、ただただ母音と母音を伸ばしながらつなげて、その間に子音を挟み込んでいく読み方をしていきました。これをやる事で、ドイツ語でのレガートの感覚をつかみながら、ドイツ語の読みをチェックしていきます。

 これがある程度できるようになったところで、ゆっくりしたテンポで歌ってみます。ゆっくりしたテンポと言っても、ドイツ語の発音に苦労していますので、もう必死です。で、このゆっくりしたテンポに慣れたところで、通常の標準的なテンポに直して歌います…が、もう、それは無理ってモンです。標準的なテンポに追いつけずに、いくつかの単語はいい加減な発音になってしまうし、明らかに舌が歌に追いついてません。いやはや、なんとも。

 というわけで、歌詞に関しては、めっちゃくっちゃ苦労していますが、音楽に関しては、特に問題はありません。メロディそのものは素朴で簡単ですし、音域も中声用を使っている事もあって、ほぼ鼻歌レベルの歌唱で十分だからです。ですから、私の集中力の大半を歌詞の読みに使っていますが、それで十分ってところなのです。

 歌詞読みに必死になって歌っていると、その単語の発音にばかり気がいってしまいます。肝心の発声に関しては、ちょっとおろそかになってしまいます。

 気をつけなければいけないのは、ドイツ語の場合、子音をしっかりはっきり歌うのですが、その際の子音は、必ず上向きに響かせて、前に飛ばしながら歌う事が大切なのです。ついつい、言葉の発音に気を取られて、発声がおろそかになると、子音が下に落ちがちとなります。そういう歌い方もあるけれど、それをやってしましと、声の消耗が激しくなるのだそうです。その歌い方で1時間歌えるなら(『美しき水車小屋の娘』の演奏時間は、かなりざっくりと考えると約1時間ほどです)、それもアリだけれど、まあ声は消耗しないに越したことはないので、なるべく子音を上に飛ばして歌うように心がけるわけです。
 さて次は、ビゼー作曲の「Agnus Dei/神の子羊」です。

 この曲は宗教曲だから宗教曲っぽく歌うのが前提だけれど、メロディの作り方を見ていると、ところどころプッチーニ的なロマン派っぽく歌うことも求められているのです。だから、声もただただ真っ直ぐに前に出すだけではなく、ところどころでしっかりと回して色気を出して歌っていきます。要は「良い声でたっぷりと歌う」って感じなんでしょうね。

 この曲は、しばしばメロディの途中と言うか、伸ばしている最中の音に対してクレシェンドがかかっています。このクレシェンドを音量の変化と捉えて、声を押してしまってはダメです。このクレシェンドは音色の変化と捉えて、クチを開いて、音色を明るく変更していく事で付随的に音量を増すというやり方で歌うべきでしょう。とにかく、声を押してしまうと、ノドに来ますし、音楽的ではありません。音色の変化を伴った音量の変化で乗り切るわけです。これが歌のコツってわけです。

 で、この曲は今回で終了です。次回は別のイタリアオペラのアリアになりますが、この曲を今回で終える予定はなかったので、曲決めができませんでした。ひとまず、私が温めておいたアリアを先生には伝えました。それで良ければ良しだし、ダメなら、先生とメールでやり取りして決めることになると思います。

 

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