声楽のレッスンの続きです。
曲の練習に入りました。まずは、今回がレッスン初回となる、トスティ作曲の「April/四月」です。この曲は簡単そうに見えて、実はしっかり譜読みをしておかないといけない曲です。同じような歌詞に、微妙に違うメロディーや微妙に違うリズムが付いているので、耳コピをして、いい加減なノリで歌っては、あっちこっちで破綻してしまいます。なので、細部まできちんきちんと譜読みをして、音取りをきちんとしておく事が大切…ってか、そこらへんをいつもいい加減にしている私のダメさ炸裂だった曲でした。
とにかく、譜読みをきちんとして、しっかり音を取ったうえで、何度も歌い込んでおく必要があります。はい。
歌い方としては、あくまでも“軽やかな春の歌”なので、力んだ声で歌うのは、ご法度で、軽く軽くメロディをなでるように歌っていくの良いのです。もちろん、音程は上から取り、明るくて深めの音色で歌います。そのためには、声をきちんと奥に引っ込める事が必要です。いつも言われている事をこの曲でも言われました。
表情記号に気をつけて歌う事も大切だし、標題にもなっている“April”の“l”をしっかりと発音しないといけません。
“Su’ prati’n fiore!”の高いF-Fis-Gという動きでは、決して音程を狙わずに歌わないといけません。音程を狙って歌うと、どうしてもクチの中が狭くなって、音が貧弱になって、音程も下がってしまうので、絶対に音程を狙ってはいけません。音程を狙って、声を当てて歌っていくと、その音程が出たり出なかったりと…いわば博打状態になってしまうので、これは避けないといけません(以前の私がこの状態でした)。それに、このやり方だと、たとえちゃんと音程正しく歌えたとしても、あまりに声の消耗が激しくて、歌が続かなくなってしまいます。それって、下手な歌手のやり方なんですよね。
なぜ音程を狙ってしまうのかと言うと、その音程をしっかり発声できるかどうかの不安があるからだけれど、その不安に心理的に負けずに、自分を信じて発声していく事が大切です。そのためには、息をしっかり支えて、深い音色で声を後頭部から発声していく感覚が大切です。まあ“言うは易し行うは難し”ですが…。
高い音程を歌う時は、発声に不安が生じるのは当然だけれど、その時に、しっかり息を送るとか、しっかりクチを開くなどのテクニックを使って、不安を減らしていく事が大切です。音程をノドではなく、クチの開閉で作っていく事も重要ポイントです。
次はヴェルディ作曲の歌劇「リゴレット」のテノールアリアである「Quests o quella/あれかこれか」です。
この曲のメロディーは山形です。つまり、フレーズの開始から始まって、徐々に息を支えていけばいいわけで、作曲家が歌手に余裕を与えているわけなのです。だからこそ、しっかり息を支えて歌わないといけません。この曲も有名な歌で、私も聞き知っている曲で、知らず知らずのうちに耳コピで歌ってしまいがちですが、全部が全部、耳コピの勢いで歌えるわけではなく、きちんと譜読みをしておかないと、いいかげんになってしまう箇所が何箇所もあって、そんな箇所の音が間違っていたり、クチが回らなかったりと…今だにそんな状態だったりです。いやあ、もっともっと歌い込みが必要です。
やっぱりオペラアリアは、難しいよ。簡単に行かないですよ。それを考えると、ほんと、オペラ歌手と呼ばれる人たちって、歌が上手いんだなあって思います。
さて、7月の発表会の計画も着々と決まりつつあります。ボエームの演奏会形式での上演は何とかなりそうですが、やはり出演者の都合もあって、かなりのハイライト版になってしまいそうです。まあ、全幕をきちんと演奏すると2時間かかってしまいます。発表会の中で歌うので、どっちにせよ、ボエームは1時間前後に収めないといけないのですから、ハイライト上演は、ある意味、予定通りです。
どの曲を歌って、どれをカットするか? 誰がどの曲のどの部分を歌うのかは、これから先生方で決めます。
発表会自体は、第1部が通常形式、第2部をボエームにする予定ですから、基本的には、出演者の皆さんは、第1部で1曲歌って、ボエームでも歌うというカタチになりますが、人によっては、ボエームだけで手一杯で、第1部はパスという方もいれば、逆に第1部だけで歌って、ボエームはパスするという人もいます。
私はまだ未定ですが、テノールですから、ボエームを歌うとなると、どうしたって主役のロドルフォを歌わざるをえないわけだし、主役ともなれば、歌う分量も多いし、難しいし、目立つし…、今回はボエームで手一杯になる可能性もあります。もちろん、一人で歌うわけではなく、数名で分け合うことになるにせよ、それでも分量が多くて難しい事には変わりありません。
まあ、それはそれでいいかなって思ってます。と言うのも、独唱ならばいつでも歌えるし、ソプラノとの二重唱だって、妻と歌えますが、複数の人間が関わるオペラの重唱となると、滅多に歌うチャンスはないわけですから、そのチャンスを逃すわけにはいかないじゃないですか! まずは、先生に割り振ってもらった曲の分量を見てから、第1部の独唱を歌うかどうか決めたいと思います。
台本を書く都合もあって、ボエームの勉強をボチボチとしている私ですが、いやあ、ボエームには美しい重唱曲がたくさんありますね…と言うか、重唱曲の宝庫ですね。今回、どの曲が割り振られるかは、まだ未定ですが、私が歌わない重唱曲であっても、特にソプラノとの重唱曲ならば、後々、妻と歌うこともできますので、たとえ今回自分が歌わないことになっても、しっかり勉強しておこうと思いました。
いやあ、夢が広がる。発表会が待ち遠しいです。
↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村
コメント
すとんさんおはようございます。いつも読ませていただいています。私も趣味で声楽をしていていつもブログを拝見しながらあるあるとうなずいていますw
トスティは難しい曲が多いですよね。音程、呼吸、共鳴がうまくいっていないとすぐぼろがでるような・・・
私は他の門下生の方がいなくなってしまい一人なので発表会でオペラをされるなんてとても羨ましいです。勉強になりますし何より大勢で音楽を作るというのはすごく楽しいですよね。
チューリップさん、いらっしゃいませ
門下生がお一人ですか、それは寂しいですね。まあ、レッスンが個人レッスンならば、他の門下生の存在は特に関係ありませんが、発表会とかになると、生徒さんの数が少ないと、先生もなかなか行ってくれないものですが、それはある意味、仕方のない事です。
先生と相談して(先生のお知り合いの)別の門下の発表会に混ぜてもらって参加させていただくというのは、どうですか? 実際、前の門下では、よその門下の生徒さんと合同に発表会やってましたし、先生次第ですが、全く不可能ってわけじゃないです。
あるいは、私はやってますが、市町村などで主催しているアマチュア向けの音楽会に参加するという手もあります。
>発表会でオペラをされるなんてとても羨ましいです。勉強になりますし何より大勢で音楽を作るというのはすごく楽しいですよね。
ほんと、この点に関しては、とても恵まれていると自覚しています。そんなチャンスって、滅多にあるわけじゃないですからね。恵まれている事に感謝しつつ、しっかりと勉強していきたいと思ってます。