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2025GW 「ラ・ボエーム」を見てきた

 ここからは、ゴールデンウィークの後半の話になります。日暮里のサニーホールで、プッチーニ作曲の「ラ・ボエーム」の実演を見てきました。スタッフ&キャストは以下の通りです。

 指揮・演出:吉田拓人

 ロドルフォ:富沢祥行(テノール)
 ミミ:一條紗子(ソプラノ)
 マルチェッロ:平尾弘之(バリトン)
 ムゼッタ:福士紗希(ソプラノ)
 ショナール:大島嘉仁(バリトン)
 コッリーネ:平賀僚太(バス)
 パルピニョール:松田建(テノール)
 ベノア&アルチンドロ:駒田優嗣(バリトン)

 サニーホールは、荒川区の公共ホールなのですが、ホテルラングウッドの4階にありました。ホテルの入っている建物に公共ホールなんて、東京って不思議なことがあるものですね。

 ですから、ホールに行くのには、ビビりながら(笑)ホテルに入って、そこから、エスカレーターで4階まで上がる必要があります。同じフロアに大ホールと小ホールがあって、オペラは大ホール(とは言っても、定員は500名ほど)で行われました。客の入りは、この手の団体にしては、珍しく少なめで、数えたら約100名ほどでした。ううむ、このチケット代で、制作費とか出演者へのギャラとか支払えるのかしら?

 オーケストラは、ピアノをメインに据えて、ヴァイオリン、チェロ、フルート、クラリネットを1名ずつ加えた編成となっています。ピアノ1台だけではなく、音色の幅を加えるために弦楽器2台と管楽器2本を加えた…感じで、簡易な伴奏であっても、なんとかフルオーケストラの雰囲気を味わってほしいという感じでした。結論からすれば、この編成は好き好きだなって思いました。良いと思う人もいるだろうけれど「なんやこれ?」って思う人もいるでしょうね。ちなみに私は「なんやこれ?」派です。簡易な編成にするなら、ピアノ1台の方がよかったな…って思いました。と言うのも、この編成だと、オケのメロはヴァイオリン1台に託されるわけだけれど、ヴァイオリン1台では…音圧的には、かなり弱いのです。フォルテの部分が全くフォルテには聞こえないので、ずっこけちゃうんですよ。

 贅沢な意見だという自覚はありますが、残念なのは、ほんと残念なんです。

 ソリストは粒が不揃いでした。私は、ロドルフォとショナールが良かったと思いました。ほんと、ロドルフォの富澤さんは、美声なテノールですよ。あと、声楽的には文句はないのだけれど、ベノアとアルチンドロの二役をやった駒田さんは、彼自身が若過ぎて、全く役にはハマっていないなあ…と思いました。彼には責任はないですが、完全なミスキャストだ思いました。

 あと、演出だと思うのだけれど、女声の悲鳴があちらこちらでフィーチャーされていて、耳障りでした。悲鳴って、本能に刺さるエマージェンシーコールだと思うんですよ。それが、非日常なオペラの中で使用されると、ついつい現実に引き戻されてしまうし、何よりも悲鳴が私の耳と心に刺さって痛かったです。

 とまあ、欠点がないわけではないけれど、それはオペラ後進国の日本での実演だから仕方ないわな。文句があっても、オペラの実演が行われて、それが見られる事自体が幸せなんだよ。ほんと、そう思います。なので、オペラの実演が普段からふんだんに見られる環境にある東京って街がうらやましいなあ…と思いました。湘南じゃあ、最近は外国の歌劇場の引っ越し公演もなくなって、ほんと、オペラの実演が行われなくなりました。

 今回の「ラ・ボエーム」、私は楽しめました。いろいろショボい部分もないわけじゃないけれど、チケットの価格と仕上がりを比較すれば、むしろコスパが良いとすら思いました。こういうオペラが日常的に見られる東京が、実にうらやましいです。

 ぐすん。

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