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背中をきちんと使いましょう

 新年一発目の声楽レッスンでは、呼吸だけをたっぷり1時間もやりました。

 いつも注意される、私の悪い癖。それは「立ち姿がよろしくないこと」。具体的に言う、ピンと背筋を伸ばして、胸を張り、そっくり返って立つ。立派なデブの立ち姿です。

 一見、立派そうに見えますが、実はこれ、背中が萎縮して上手に使えない立ち方です。ちなみにこの立ち方、かなり腰にきます(涙)。健康上の理由からも立ち方を変えないとダメですね。

 歌における理想の立ち方は、正面から見ると、何もしていないように笑顔で立っているけれど、背面から見ると、激しい息遣いが感じられるような姿勢。いわば、優雅に水面に漂う白鳥だけれど、水面下では必死で足で水を掻いているような、そんな感じ。

 まずは、お腹を軽く引いてスクッと立つ。重心をやや前に移して、背中を縦横に十分に広げて立つ。慣れないうちは、両肩&両手を前に少し出すような形で(最初は何かをつかむような感じ)立つと良いかも。この態勢になって始めて、背中を使うことができるようになります。

 背中が萎縮していたら、背中を使おうとしても使えるわけありません。腹式呼吸とは、腹筋を使うのではなく、胴体全体の筋肉を使う呼吸なわけで、気持ち的には「背筋を使う呼吸」と思っているくらいの方が良いかもしれない。

 背筋をきちんと使うと、声にエネルギーが加わり、楽に発声ができるようになります。逆に言うと、背中が上手に使えないと、声を出すのがつらく大変になります。つらく大変な思いをして出した声は、観客につらく大変に聞こえて不快です。楽に発声したものは、観客にも楽に聞こえるし、楽な声で歌われた歌は、聴いていて心地よいのです。

 だから、立ち姿はとても大切なのです。背中をきちんと使えることは大切なのです。

 宿題が出ました。この立ち方を体に染み込ませてくる事。それと、発声の開始の音(五線の中の)をドにして、そのドの響きを維持したまま、上も下も発声してくる。書くと簡単ですが、やるのは難しく、身に染み込ませるのは、大変難義な問題です。とにかく、まじめにやってきます。

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