何事も無理は禁物です。特に発声に関しては、無理を押し通していると、声が鍛えられるどころか、壊れてしまいかねないので、絶対に無理は禁物です。
では、発声における無理とは何か?
例えば、出ない音程の声(自分の声域よりも高い声や低い声)を出そうとして、無理にノドを閉めて発声するとか、出ない音量で歌おうとして、無理にノドを閉めて発声するとか…要はノドを閉めなければ出せない声を出そうとするのが、無理な発声です。あと、適切な発声をしていても、あまりに長時間歌い続けるとか、あまりに大きな音量で歌い続けるとかも、やはりそれぞれの限界を超えた活動していれば、それは無理って話になります。
こうした無理のうち、発声テクニック的なものに関して、冷静に観察してみると、ほぼ怒鳴り声から、その類似声だったりします。怒鳴り声も、一瞬であれば、さほどの問題は無いでしょうが、怒鳴り声で歌い続けていくと、そりゃあノドに過分な負担が掛かっていくわけです。過分な負担が健康に良いわけがありません。
無理な発声がどうかは、声に雑音が交じるかどうかで、第三者的に判断できます。
また本人的にも、声にバリバリと言った違和感を感じるので、気が付かないはずがありません。
大切な事は、声に違和感を感じたら、即座に止める事/止めさせる事です。声は一度壊れたら、元には戻りません。声帯は筋肉と粘膜で出来ています。筋肉は多少傷ついても修復されますし強化もされますが、粘膜は傷つき修復する時に、変形してしまう事が多々あります。一度変形したら、外科手術等をしないと元にはもどりませんし、外科手術をしても完全には戻らないとも聞きます。
たから、声を壊さないように注意をしていかないといけないのです。ハスキー・ヴォイスは、ポピュラー音楽の世界では重用されますが、クラシック声楽の世界ではご法度ですからね。
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