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2022年クラシックコンサート その2 待機時間はのんびりと

 本番当日、私は徹底的に朝寝をしました。だって、その週は仕事が忙しくて、疲れが溜まっていた上に、日々寝不足が続いていたからです。寝不足は声楽の天敵です。とにかく寝なきゃダメなんです。

 という訳で、朝の10時近くまで寝てた私です。いやあ、寝た寝た。

 ゆっくりと朝の身支度を整え、軽く朝食を食べたら11時半になったので、徒歩でゆっくりと会場に向かいました。我々は出演順が最後なので、当日リハーサルも一般市民の中では最後の順番で、お昼過ぎのリハーサルなので、ゆっくりしていたわけです。

 コロコロのスーツケースを引きずって、楽屋口からホールに入ります。

 楽屋は、運営陣、女性の楽屋(二部屋)、男性の楽屋と割り振られていますが、男性の出演者って…子どもたちを含めても、私一人なんだよ。だから、男性の楽屋は私専用の楽屋って事になります。

 楽屋に入って、荷物を開けて楽屋を整えたら、しばし休憩。で、当日リハーサルのために、舞台袖に行きます。ピアニストさんにご挨拶をして、軽く打ち合わせをします。

 この当日リハーサルだけれど、時間が早いせいもあって、歌手の方々は参加せずに伴奏ピアニストさんだけがピアノの練習をしているケースが多かったようです。まあ、ピアニストさんは気にしないだろうけれど、歌手は午前中に歌うのを嫌うからねえ…。

 我々は、ホールの響きを確認したいので、部分的に歌いました。歌ったところ…やっぱり、ここのホールは響きが良いんだよね。残響音も計算に入れて歌わないと、音が濁ってしまいそうです。やはり、響きの良いホールでは良いホールなりの歌い方が求められます。

 ピアニストさんとも相談して、少しだけテンポを落としたり、間を長めに取る方向に軌道修正をしました。

 それにしても、我々は一般市民としては最後のリハーサルで、我々の次は子どもたちのリハーサルなので、我々がリハーサルをしている最中から、子どもたちが走り回っていたのは…まあ仕方ないとして、客席に、多くのお客が入場して騒いでいたのには閉口しました。おそらく、子どもたちを引率してきた親たちなんだろうねえ。いくら、自分たちの子どもにしか興味がないとは言え、もう少しお静かに…というか、穏やかに過ごして欲しいモノてす。公開リハーサルってわけじゃないと思うし…。

 そんなバタバタなリハーサルが終わると、長い長い待機時間です。ピアニストさんは一旦帰宅するそうです(それもありだね)。我々は、ゆっくりと昼食(釜玉うどんを食べました)を取ってから、ファミレスに行ってお茶をする事にしました。ノドを冷やしちゃいけないので、冷たいものは避けて、紅茶とプリンと読書で1時間少々の時間を潰しました。

 声出しの1時間前に楽屋に戻って、身支度開始です。男性楽屋は私一人なので、妻がこちらに引っ越してきました。これで楽屋はすとん家専用楽屋になりました(笑)。

 タキシードって、着慣れないせいもあるけれど、ほんと、着るのに時間がかかります。私はこの待機時間で着替えをしましたが、妻はそんな時間の余裕はなく、一生懸命に化粧をしていました。舞台化粧って、結構時間がかかるようです。

 そんなこんなで、のんびり準備しているうちに、ピアニストさんもやってきて、直前の声出しの時間になりました。

 さて、今回は2曲目に歌ったヘンデル作曲のオラトリオ「サムソン」より「Total eclipse/皆既日食」をアップします。この曲は主役のアリアだし、無伴奏で歌う箇所も多く、私的にはとても気を使う曲です。

 聞いてみると、下手な歌唱は相変わらずですが、それでもあっちこっちでいつも以上に声がよれている事が聞き取れると思いますが、実はこれ、涙声なんです。いやあ、お恥ずかしい事ですが、レチタティーヴォを歌い終え、アリア前の間奏ピアノを聞いているうちに、なぜか涙があふれて止まらなくなり、泣きながら歌ってしまったからです。

 年を取ると、涙もろくていけねーや(笑)。

 まあ、色々な理由があって泣いてしまったのですが、この涙が止まらず、結局、歌っている時は、ずっと泣いていました。それを見ていたお客さんたちは、舞台上で泣きながら歌っているオッサンを見て、どう思ったのでしょうね。ちょっと心配(汗)。たぶん、引かれていただろうなあ…。ほんと、ダメだね、涙一つコントロールできないなんて。

 涙は歌唱の天敵です。いやあ、もうどうにもなりませんよ。勝ち負けで言えば、泣き始めた段階で、私の負けです。

 100点満点で言えば、贔屓目に見ても、15点くらいでしょうね。もっとも、泣かずに歌ったとしても、そんなに点数が増えるわけでもないのですが…。残念、残念。

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コメント

  1. おぷー より:

    ところどころ非常にいい発声をされておられますね。
    高い音への跳躍の時に、最後の低い音で準備をしてから飛ばれると大分よくなると思います。
    次の発音がMとかNの場合は、低い音のエンドでその発音を入れてしまうのですよ。
    すると飛びやすくなるので、やってみて下さい。

  2. すとん より:

    おぷーさん

     コメントありがとうございます。

     私も10年以上歌ってきて、ようやく、たまに、時々、ところどころ、良い発声(?)ができるようになったと、実は先日もY先生にほめられたところです…自覚は全然無いのですが(笑)。比べるのもバカバカしい話ですが、プロの方はところどころではなく、常に良い発声で歌っておられるわけで、やはりプロはすごいなあと思うし、私はまだまだ上を見上げて頑張ろうと思うわけです。

    >次の発音がMとかNの場合は、低い音のエンドでその発音を入れてしまうのですよ。

     ありがとうございます。ぜひ次から取り入れてみたいと思います。感謝。

  3. ショウ より:

    発表会お疲れ様です!

    ホントだ!所々美しいですね!
    1分7秒〜8秒の上がったところの声とか凄い綺麗だと思います!

    全て綺麗に歌うって難しいですよね・・僕も全部綺麗に歌いたいと思っても難しいといつも思っており、目標でもありますが、
    綺麗に歌えるように練習あるのみですよね・・

    僕も先日発表会に出させて頂いて麹ホールというところで歌わせてもらいました。
    本番前ってめちゃくちゃ緊張しますよね(笑)
    当然ながら普段の練習通りとはいかず悔しい(泣)

    とはいえいい響きのところで歌うのは気持ちいいし、あ、そんなに喉にたから入れなくてもホールの響き利用すれば十分なんだとかリハーサルで思ったりするのですが、本番ではやはり難しい(笑)
    とはいえ、経験値は上がってると信じています。

    なかなか思った通りうまくはなりませんが、ぼちぼちお互い楽しみつつ頑張りましょう!

  4. すとん より:

    ショウさん、お返事と遅くなって申し訳ない。

     良いところもありますが、まだまだなところもたくさんあります。まだまだ精進が必要です。ほんと、プロ歌手の素晴らしさに感服する私です。

     響きのよいホールで歌うのは、良い体験ですよね。私もホールで歌うのは大好きです。自宅の練習部屋が、音楽ホールや教会だったらいいのにと、思わない日はないです(笑)。

    >ぼちぼちお互い楽しみつつ頑張りましょう!

     はい、“楽しみつつ”というのがポイントですね。私も楽しみつつ頑張っていきます。

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