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2022年クラシックコンサート その3 さて本番ステージです

 声出しは、ミニホールと呼ばれる別会場で行います。ここは、すごくすごく響きが良い会場で、まるで広いお風呂場の中にいるような響きです。響きの良い会場は、ノドの負担が少ないので私は好きですが、声出しという観点で見るなら、どうなんでしょうね? ここではリハーサルで歌えなかった曲を中心にピアニストさんと合わせました。

 で、声出しが終わったら、また待機時間です。楽屋に戻りました。私は所在無げにボケっとしていましたが、妻は化粧&着替えに大忙しです。

 我々が楽屋に戻った頃、ステージでは5分遅れで声楽の部が始まりました。歌っている人たちは…以前は我々のような純粋アマチュアの一般市民の方が大勢いましたが、今は告知しても出演者が集まらないせいもあって、色々と事情がある人が出演されているようです。つまり、主催者さんのお知り合いの方々が多いのですね。道理で歌が上手いのはもちろん、声もやたらと立派な人たちが揃っているわけです。オヌシラ、シロートジャナイナ。

 そんな中、トリを取っちゃう我々って、ある意味すごいよね。実は、運営陣が片付けの時間を確保するために我々が最後に回された…という事に、後々気付かされたのですが、それにしても、全く勘違いしてしまいます。

 なんて言っているうちに、出演者が少ないせいもあって、あっという間に我々の出番が迫ってきました。舞台袖に行きます。軽くステージマネージャーの方と打ち合わせをしているうちに、私の出番となりました。

 舞台に出て、軽くお辞儀をして、さっそく「Where’er you walk/あなたがどこを歩くとも」を歌います。思ったよりもたくさんのお客さんが残ってくれて、うれしかったです。で、つい張り切っちゃいました。歌い始めこそ冷静だったつもりですが、歌っているうちに、どんどん気持ちが高まってきて、後はご存知のとおりです。歌の出来については、すでにお聞きになったとおりです(ちょっと残念)。

 間髪入れずに二曲目の「Total eclipse/皆既日食」です。舞台で歌えた事の喜びとか、3年ぶりのクラシックコンサート出演とか、お客さんがたくさんいて熱心に聞いてくれていることへの感謝とか、歌っているサムソンの無念さに同情心が芽生えたりとか…とにかく色々な感情がまぜまぜになりながら歌いました。感情の渦に飲み込まれながら歌うという、そんな経験は始めてだったのですが、パニックに陥るのとは種類が違いますが、これもまたヤバい経験だったと思います。

 感情に捕まってはいけません。たとえ、歌の表現として感情を込めたとしても、歌っている本人の心は冷静でなければいけないと痛感しました。

 ソロ曲を2曲歌い終えたところで、一度舞台から下がって、妻と交代です。妻の歌唱を舞台袖で聞きました。彼女もかなり頑張っていましたが、やはり本番は練習通りってわけにはいかないようです。

 妻がソロ曲を2曲終えたところで、最後の二重唱曲、ヘンデル作曲「陽気な人、鬱ぎの人、穏やかな人」より「As steals the morn upon the night/暁が夜に忍び込み」です。

 私は、一度盛り上がった感情を抑えて冷静になっていました。この曲は、門下の発表会でも歌っていますので、あの時の反省を踏まえて、強弱をつけながらも全体的に声を抑えて歌ったつもりですが…録音を聞く限り、なかなか抑えきれていないですね、私もまだまだです。

 実際の歌唱はこんな感じでした。

 さすがにこの曲は、本番としては2度目なので、自分的には前回よりも歌えていると思いますし、終始冷静で終えられたと思いますが、それと出来栄えはあまり関係ないみたいてす(残念)。

 100点満点で言えば…それでも35点くらいかしら? 自分的には最高級に頑張りました。ただ、頑張りが結果につながらなかっただけです。

 後で時間の計算をしたら、私の一曲目から二重唱の終了まで、約20分でした。いやあ、歌った歌った。例年は一人当たりの持ち時間が決まっていて、それを厳守しないといけないのですが、今年はそういった事も言われていなかったので、時間についてはロクに考えずに選曲しました。ちなみに例年の持ち時間は、ピアノは10分。声楽は7分ですから、我々は14分の持ち時間なのですが…そう考えると、今年の我々は3人分の時間を使った計算になります。以前「ボエーム」の第一幕の後半を歌った時と同じくらいの規模となりました。ううむ、それでもまだ歌い足りない(汗)。

 歌い終えて、一度舞台袖に引っ込んで、アナウンスでコンサート終了が宣言された直後にすぐに舞台から客席に降りて、録音機を回収しました。私、いつもは歌い終えると、すぐにお客さんのところに出向き、挨拶を行っています。その後楽屋に行って着替えたりするので、ついつい録音機の回収を忘れがちなので、今回は「まず録音機を回収しよう」と決意して行動したわけです。

 で、その回収にちょっと時間を使ってしまったせいか、その後、ホワイエに出て挨拶を…と思ったのですが、すでにお客さんはみんな帰ってしまった後でした。ううむ、いつものように、録音機を放り出してでも挨拶に行くべきだったのかも…。

 で、挨拶を空振りして、すごすごと楽屋に戻って着替え始めたら、主催者さんがやってきて、すぐに楽屋から撤収してくれと言われました。まだ、歌い終わって10分も経っていないのだけれど、あと15分もしたら次のイベントの関係者さんたちが入ってくるから急いで出て行ってくれと言われたのです。

 うーむ、忙しい。楽しいコンサート出演の余韻もへったくれもありゃしません。これでも、当初のコンサート終了時刻よりも10分以上も早いんだよ。こんなにすぐに撤収なんて、そもそものタイムスケジュールに無理があるんじゃないの?

 気がつけば、我々が歌っている間に主催者さんたちは片付けをしていたようです。で、片付けが終わって撤収準備が整ったところで、我々が戻ってきたから「急いで撤収!」って話になったのだろうと思います。

 なので、慌てふためいて急いで着替えましたとも。あと15分と言われたので、10分で着替えて楽屋から飛び出したのでした。ううむ、なんとも慌ただしいです。

 楽屋から出て、隣の大ホールのホワイエに行って、少しゆっくりしました。大ホールは利用の予定がないので、ほぼほぼ人もいず、ゆったりとボケっとできました。緊張の後には、気持ちを緩める時間が必要だよね。

 小一時間ほど、ホワイエでボーっとしてから、帰宅しました。結局、今年もあれこれあったけれど、楽しかったなあ。

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