もちろん、音質を変えると言っても、バスをテノールにするとか、リリコをドラマティコにするとかとは、もちろん別の話です。
あ、メリークリスマスです(汗)。続けます。
太い声、細い声とか、落ち着いた感じの声とか、甲高い声とかを、使い分ける。そういうことです。一般的な用語だと“声色”ということでしょうか。でも声色を変えるというと、なんか口先だけで変化をつけるようなイメージに感じません? また、声質と考えてくださってもいいのですが、声質と書くと、また違った意味に捉える方もいらっしゃると思われる。なので、用語としての適切さは、はなはだ疑問ですが、ひとまず“音質”としておきます。
音質を変えるには、どうすればよいか。簡単に言っちゃうと、それは「響きのバランス」を変えることです。何の響き? それは「胸の響き」と「頭の響き」です。
歌声は常にこの二つの響きがミックスされていますが、それぞれの声種や音域やその他もろもろで、そのミックスされる割合が変わってきます。
例えば、五線の中のド(テノールにとっては、実はHi-C)を歌う時、テノールにとっては極限の高音ですから、声の大半が頭の響きになりますが、ソプラノにとって、どうということもない低い音ですし、簡単に出すぎて、却ってしっかり鳴らなかったするから、きちんと胸の響きを入れて歌わないと、説得力に欠ける声になるそうです。だから、同じ音高の音で歌っても、テノールだと「かなり高い音」に感じるし、ソプラノだと「低めの安定した音」に聞こえます。
あるいは、同じ旋律を歌っても、テノールの人が歌うと、バスの人が歌うのとは、聴いていて明らかに違うわけで、これも響きのバランスの違いがかなりの影響を与えているようです。
で、なぜこんな話をしているかと言うと“演じ分け”ということです。歌は、歌手が素のまま歌うものもありますが、キャラになりきって歌うものもあります。キャラになって歌う場合は、そのキャラにふさわしく演じながら歌うわけで、そのために、音質を変えて歌っていくこともあるわけですよ。
つまり、年配者や地位のある人のキャラの時に、頭の響きが多いと、いかにも軽めの声になり、おかしいし、子どもや若者の歌を歌うときに、胸の響きが多いと重厚な感じがして、似つかわしくないということです。
もちろん、演じ分けには、音質だけでなく、色々なものを動員して演じ分けないといけないのですが、やはり歌は耳で聴いてナンボのものですからね。音で演じ分けることは、とても大切なのです。
おそらくどなたも無意識にやっていることでしょうが、無意識にやっていることを、改めて言語化して、心に刻むというのは大切なことだと思います。
コメント
曲によっての音質の変化は必要ですよね。プロはそれが出来るということです。
子供の頃、ピアノを習っていた頃があるのですが、ある曲になると全く変わると言われたことがあります。多分、自分にとって合う曲だったのでしょうね。フルートで合う曲・・・見つかりません(笑)
>橘さん
音質の変化の有無は、引き出しの多さとか、色彩感豊かというかっこいい言葉に置き換え可能かもしれませんね。プロの方々の演奏では、音質の変化の妙は確かに注目するところですし。
自分に合う曲…なんだろ。十八番という意味でもなさそうだし、私にもそんな曲はなさそうだな。
話は違いますが、
yahoo!JAPANのブルーマンの動画を見てみました。特に、「タイム・トゥ・スタート」が、面白かったです。
内容は、ナレーションやスクリーンの動きにあわせて、「ライブの基本」と言う動きをします。
見てみてください。
>息子さん
見ました、ブルーマン。探すのに手間取ってしまったけれど、きっと、この動画( http://streaming.yahoo.co.jp/c/t/00071/v02054/v0205400000000410550/ )だよね。
ブルーマンは私も結構好きです。ショーとしてはなかなかのものですね。
私はブルーマンを見ると“アメリカ版のYMO”って感じがします。YMOって知らないだろうね、1980年代に世界の音楽シーンを塗り替えた日本のグループです。ある意味、今の音楽は全部YMOのコピーと言ってもいいくらい、その後の時代に影響を与えたグループです。お母さんなら、知ってるかな?