声楽のレッスンの続きです。今回は、前回のレッスンで先生から提案されていた、トスティの歌曲「L’alba separa dalla luce l’ombra/暁は光から」を歌ってみました。
まず、リズムが取りづらいです。四拍子の曲だけれど、ピアノ伴奏は三連符の曲なのです。つまり、実際は12/8拍子の曲です。「Ideale/理想」などと同じパターンの曲ですが、この曲は、実にイントロが短くて(たった5拍しかありません)、リズムを掴む前に歌い出さないといけない難しさがあります。対処法は2つあって、一つはしっかり勉強をして、このリズムやタイミングを事前に体に叩き込んでおく方法と、もう一つは海外テノールがよくやってますが、イントロを増やして(大抵5小節増やします)その間にリズムを掴む方法があります。個人的にはイントロを長くするのが好みですし、本番ではそうやってもいいよと先生から言われていますが、今は勉強ですから、短いイントロに対応していけるように練習していかないといけません。
実際問題としては、この短いイントロではなかなか歌いきれず、先生に拍子を取ってもらいながらでないと、うまく歌えなかったりする私です。
そうやって、歌い出しをクリアしても、まだまだ注意しないといけない事はたくさんあります。
例えば、一本調子には歌わない事。まだ今回が初めての歌唱で、全然余裕がなくて、ついつい棒歌いになりがちですが、それは早期に駆逐しないといけません。フレーズごとに少しずつ色を変えながら歌うのが良いし、以前も言われましたが、ガムを噛みながら歌うように歌っていくのが良いのかもしれません。とにかく、色彩感豊かに歌うのです。ま、そのためには、まず歌詞の内容をきちんと把握する事も大切です。
高いGが曲中に何度か出てきますが、その後に続く音を、あからさまに手を抜かない事。歌は高音を歌えば終わるわけではないので、高いGを出して安心してはいけません。そこで安心して気を抜くと、次の音が落ちすぎてしまい、音程的にも落ちすぎてしまうのです。
それどころか、高音だから言って、無闇にアクセルを踏んではいけません。だいたい、アクセルを踏んで、ピャーと気持ちよく歌ってしまうと、声はそこで終わってしまいがちです。この曲は、高いBがあるわけだから、高いGが出てきてもアクセルを踏まず、高いAが出てきても(なるべく)アクセルは踏まずに我慢して、高いBが出てきた時に、気持ちよくアクセルを踏んで歌うのが良いのです。ただ、Bぐらいの高さになると、アクセルを踏みすぎると、声が詰まってしまうので、アクセルを踏むにしても、軽く軽く慎重に踏まないとダメなのです。
ちなみに、アクセルを踏むというのは、ノドを最大限に開き、息をしっかり支えて、高速でノドに送り込む作業ですが、その際に送り込む息は、音程が高くなればなるほど、息は少なくしていった方が良いみたいです。で、そこが難しいわけです。
その難しいアクセルの踏み方ですが、できればGでは踏まずに、せめてAになってからアクセルを踏み始めてBに声を持っていければ御の字ですが、理想を言えば、Bになってからアクセルを踏んで、歌いながらどんどん音程を上げていって、H近くまで音程を高めてから、歌い終えるのがかっこいい高音の歌い方だったりします。
つまり、高いAまでは小細工無しで歌い、高いBでアクセルを踏んで歌いはじめ、途中から声を被せていくのが良いのですが、これは実にテクニカルな歌い方なわけです。こんなふうに書いていますが、まだまだそんな事はうまくできない私だったりします。
でも、頑張るぞ。
ここまで私のレッスンは一度終わりました。その後の妻のレッスンの最後に、ドニゼッティ作曲の「ランメルモールのルチア」の二重唱「Verranno a te sull’aure/そよ風にのって」を妻と一緒に歌ってみました。まずは、全体の前半分ほど歌いましたが…もっと声を薄くして歌いましょうと言われました。確かにプロの皆さんは、みんなこの曲(の前半部)は、薄い薄い声で歌っていますね。薄い声で歌うなんて、めったにやらないので、難しいです。
この曲は、楽譜通りに歌うことはプロでもしないので、どこをどんなふうに歌うのか、妻や先生とも相談しながら、歌い方を決めていきたいと思います。
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