今回の記事は、対象を大人の趣味人に限って話します。
私も歌を始める時、フルートを始める時、先生に習って個人レッスンを受けた方が良いかどうか、悩みました。
だってね、先生に個人レッスンを受けると、金銭的な負担が生じるでしょ? まずは先生に支払う謝礼をどうするか悩みます。それに時間の都合もあります。こちらは堅気な社会人で、平日の昼間は働いているし、休日はカラダを休めたいし、休日出勤だってあるし、そういうスケジュールをやりくりして、習い事を始める時間的な余裕があるか…悩みました。
お金もかかるし、時間のやりくりも難しいし…一方、楽器店に行けば、教則本がゴロゴロ売っているわけだから、それらの中から適当なものを選んで、それで独学したっていいじゃないの? って思いますよね(実際、私もそう思いました)。
あるいは、歌なら合唱団、フルートなら吹奏楽団に入団して、そこで仲間とワイワイやりながら音楽を学んでいけばいいんじゃないの?なんて思ったりもしました。まあ、部活感覚って奴ですね。
この考えは、あながち間違いとも言えないし、そういう選択肢も当然ありうると思います。要は、自分が何を望んでいるのか、どこまでの上達を願っているのか、それで先生について学んだ方が良いのか、あるいは独学とか、団での練習で十分なのか、決まってくるんじゃないかしら?
私が思うに、先生に習うと『金銭的な負担が大きいなあ…』と思う人は習わない方がいいし『忙しくて時間が取れないなあ…』と頭を抱える人も習わない方がいいと思います。そして、先生に習わずに独学で学んで、機会があれば、演奏団体に加わわればいいと思います。
もしも、それが可能なら…。
実際、それが可能な人も大勢いらっしゃる事でしょう。子どもの頃からピアノなどを習っていて、音楽的な素養が十分ある人とか、学生時代に合唱部とか吹奏楽部とかに入ってガンガン練習してきた人とか、たまにいる天才な方とか…そういう方なら、もしかすると、独学でも音楽を楽しめるようになると思います。
でも、そのような音楽に囲まれた生活をしてきたわけでもなければ、部活をしてきたわけでもないし、才能だって特にあるわけじゃない、ただ普通に音楽が好きで、今までは音楽は聴くだけの楽しみだったけれど、それを演奏する側の楽しみも味わってみたいなあと思ったような人、つまり私のような人だと…たぶん独学は厳しいです。
私は学生時代にバンドをやってました。バンド活動に必要な楽器は、必要に応じて独学で学びました。ですから、ギターもベースもドラムスもピアノも弾けます。ただし、あくまでも自分流にです。だって、独学で師匠なしで学んだものだから、基礎がなっちゃいないし、難しいこともできません。当然、楽譜通りに演奏するなんて、無理無理無理。おまけに練習自体に熱心でもなかったので、ほんとダメダメなんです。でも、自分たちのバンドで自分たちのオリジナル曲を演奏して活動する分には、特に問題ない程度に演奏できました。ただ、カバーは難しかったなあ。カバーもオリジナル色を強くして、自分たちが演奏できるようにしないと演奏できませんじた。
まあ、それほど熱心とは言えない、ぬるま湯のような趣味生活を過ごしてきた人なんて、こんなモンです。
でも、それはそれで十分に楽しいし、この程度で良ければ、ユルユルの独学でも行けますよ。
でも、同時にそんなユルユルの独学では、限界があるのも事実。だから、これよりも上を望んだ場合は、ユルユルの独学だけでは厳しいですよ。独学を貫くなら、ユルユルではなく、自分に厳しい、まるで修行のような独学で頑張る必要があります。
しかし、一人で修行に明け暮れる…と言うのは、よほどメンタルが強い人でないと難しいです。そうなると、先生とか師匠とかまでは言わないけれど、誰か他人の目が必要となります。自分が怠けずに真面目に学んでいる姿を見てくれる人が必要となってきます。
つまり、このレベルになると、音楽仲間が必要になってきます。個人的に腹心の友人(笑)と一緒に音楽を学び合うのもいいでしょう。また、演奏団体(合唱団とか吹奏楽団)に入団して練習するという手もあります。
これらの団に入る事ができれば、独学で学ぶよりも上達すると思います。何しろ、練習をサボっていれば、他の人たちに迷惑がかかりますからね。人と言うのは、他人に迷惑をかけないように頑張るものです。
で、こういう団体に所属して伸びる人もいるでしょう。それはそれでいいと思います。
でも、その手の団体に(実力不足で)入れなかったり、なんとか入団できても付いていけずに落ちこぼれてしまう人もいます。また、活動方針や団の雰囲気など音楽以外の部分で違和感を感じて辞めてしまう人もいるでしょう。それでも音楽を学びたい…と心の底から思った時、おそらく、その時は、経済的な負担とか時間の工面などで個人レッスンを受けるべきかどうか、当初悩んだ事なんて、すでに問題では無くなっているのではないでしょうか? もし、そうなら、その時こそ、先生に付いて学ぶべきです。
先生に付いて、個人的に学ぶとなると、費用がかかるし、時間もかかります。先生に習う以上、練習だって真面目に取り組まないといけませんし、発表会などもあるでしょうから、そういうモノへの出場だって考えないとダメでしょう。それゆえに、生半可な気持ちでは飛び込めません。
でも、音楽を学びたい、上達したという強い願いがあれば、それは問題になりません。
それに、先生に付いて学ばないと、学べない事や身につかない事もあるのも事実です。それに先生に付いて学べば、効率よく学べるのもホントです。費用はかかるけれど、自分への投資として考えればいいわけだし、独学で遠回りしながら学ぶよりも、時間も費用もかからないかもしれません。
少なくとも、声楽の場合は、先生について発声を学ばない限り、声は良くなりません。これはホントです。独学では、発声を学ぶのは難しすぎます。フルートは…フルートに限らず、楽器って、独学である程度まで行けちゃいますから、必ずしも先生が必要とは言えませんが、その代わり、膨大な時間の練習をしないといけません。その膨大な時間の練習を支えてくれるのが先生…なんだと思いますよ。
なので、先生について学んだほうが良いか…という問いに対する答えとしては、必要を感じたら、ぜひ学びましょう。ぜひ、そうしましょう。
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コメント
すとん様ご自身「がっこのせんせ」でいらっしゃいますよね。
よい先生、悪い先生、って、ありますよね。
あるいは、生徒Aにとって、よい先生だけど、
残念ながら、別の生徒Bには悪い先生、ってこともありますよね。
相性、というのでしょうか?
すとん様も、確か、キング先生が、、、、、
以前に書いたかもしれませんが、音楽ではなく、数学の話。
中学3年生の時、新しい数学の先生が、
「毎日、教科書3ページ分の予習をして来なさい。それが宿題です。」
しばらく、真面目に予習という名の宿題をしていましたが、
得意だった数学が急激に苦手になりました。
それまで、予習って、したことがなくって、
毎日、学校で漠然と、受身の気持ちで数学の授業を受けて、
家で復習して、テスト前に猛烈に復習して、成績もよかったのですが、
まだ、習っていないことを、積極的に予習するってことが、
私としては、向いていない勉強方法でした。
習っていないことを自分で考えながら予習しても、
なんだかよくわからなくて、イライラして、ストレス感じて、みたいな。
数学の先生、怖-い、男の先生だったので、
宿題をやらない、という決心をすることもできず、
予習という宿題を勘弁してください、と談判することもできず、
ストレスたまった1学期。
2学期からは、予習という名の宿題はやらない!と
中3の私にとっては、一大決心。
復習に専念したら、成績が浮上しました。
ああ、また、こんな、つまらないことを書いてしまった私を、
どうかお許しください。
operazanokaijinnokaijinさん
私はキング先生の事が好きですよ、今も昔もね。だから、彼のキツイ個性にも負けず、独自の声楽レッスンにも頑張って食らいついていったわけですよ。とにかく、生徒として忠誠を尽くして、学びつつ、お仕えしていました(マジでね)。ただ、私は先生の事が好きだったけれど、先生は私の事を、単なる便利屋さん程度にしか思わなかったわけだし、いくらキング先生の元で真面目に学んでいても、一向に上達しない私に飽きちゃっただけです。飽きてしまった玩具は捨てちゃう…それだけの話です。
捨て方があまりにひどかったので、今でもトラウマになっているんですけれどね(笑)。
先生と生徒の関係では、合う合わないって、大きいファクターだと思います。たとえどんなに名教師であっても、人間的に合わなければ、全然ダメでしょ。またどんなに良い教授法でも、生徒に合わなければ、これまた意味ないしね。
人って単純じゃないから、難しいし、難しいから面白いと思います。