先日、地元で開催されている「クラシック・ヴォーカル・コンサート」を見てきました。これは数年おきに、たまに見に行っているイベントで、地元のクラシック系の歌手の皆さんが集まって、無料コンサートを開催してくれているのです。もっとも“無料コンサート”と言っても、それはお客からチケット代を取らないだけで、地元の「アート・フェス」の一環として行われているので、必要な経費と彼らへのギャラは、地元の市町村の税金で賄われています。
先週行った「シャンソン&カンツォーネの集い」も税金投入イベントですが、あれは市民の文化活動のため(この場合は同好会活動の援助)に税金が使われているわけで、市民の税金が市民の文化活動のために使われているわけですから、全然良いのですが、こちらの「クラシック・ヴォーカル・コンサート」は市民の税金が、プロの方々の活動に使われているわけで「市民にプロのコンサートを無料で提供する」という文化活動なんだよ…と言われると、そんな気もしないではないのですが「だったらその税金、市民でクラシック系の歌を嗜んでいる人たちのために使ってくれよ~」と思わないでもないです。
合唱とか、器楽演奏とか、バンド演奏とか、シャンソンとかカンツォーネとか、各種邦楽全般とか、とにかく音楽を趣味として楽しんでいる市民のための“発表会”は「アート・フェス」の一環として行われているのに、クラシック声楽だけは、市民のための発表会はなくて、プロの人たちの無料コンサートに税金が投入されているのです。
当地の市民クラジック声楽愛好者は、器楽演奏の中に混じって発表会をする事に、現状は、なっていますが、器楽演奏の中に声楽が混ざるのは、あまり居心地が良いものではありませんし、実際の運営上でも、あれこれ支障が生じるわけで、実際、その扱いも正直冷遇されていると言わざるをえません。
私は個人的には「クラシック・ヴォーカル・コンサート」はプロの発表会ではなく、市民の発表会、またはプロアマ混在の発表会にするべきだろうなあ…って思うんです。
だって税金を使っているんだから、市民の直接の活動に還元して欲しいと思うわけですよ。
と、私のグチはここまでにして、実際のコンサートの感想を書きましょう。
まあ、プロの方々のコンサートを無料で聞けるのは、ありがたい事です。歌唱の出来は、もちろんプロ歌手の皆さんですから、当然、水準以上です。まあ、問題は好き嫌いの問題でしょう。
出演歌手の皆さんは、今年の場合、地元の歌手さんが7名と、ゲスト歌手が1名です。今年はゲストの歌手さんが出るので見に行った次第です。ちなみにゲストの方はバリトン歌手さんです。例年は、地元の歌手さんたちだけでコンサートをする事が多いのです。
で、地元の歌手さんたちだけのコンサートだと、私は見に行かない事が多いのですが、その理由は、歌手さんたちが全員女性で、ほぼ全員ソプラノだからです。ソプラノ歌手が入れ替わり立ち替わりで舞台に現れて歌っていくのです。それも毎年、似たような曲を歌っていくので、数年見れば「もういいや」って気になってしまうわけです。
税金を使ってコンサートをしているのだから、もう少し企画を考えて欲しいなあって思います。少なくとも、ソプラノ歌手しかいないのはダメでしょう。今回のゲスト歌手のような男性歌手を2~3人は入れて、声のバリエーションを増やして欲しいし、彼らと地元のソプラノさんたちのアンサンブルを増やして欲しいなあって思います。
ソプラノさんの数は今の半分でいいです。もっと、色々な声で色々な歌を聞きたいです。また、毎年同じような日本歌曲やモーツァルトのアリアばかりでなく、色々な曲を聞きたいです。
だって、我々の税金で成り立っているコンサートなんだから、それくらいの事を要望したっていいでしょ。関係者の皆さんは、そこんとこ、考えて欲しいなあ…って思います。
かつては、男性歌手もそれなりに出演していたし、ミニオペラや室内オペラをやっていた事を、私は覚えていますよ。それがいつからか、今のようなソプラノだらけの発表会になってしまいました。
あの頃に戻してくれ!とまでは言わないけれど、毎年同じようなメンバーで同じような発表会形式のコンサートは、正直飽きました。もう少し、企画を工夫してくれたら…私は皆さん方のファンになれると思うんだよね。
だって、私はクラシック声楽が好きだし、地元が好きだし、地元で活躍している歌手の皆さんたちを応援したいと思っているんだから、税金を使っている「クラシック・ヴォーカル・コンサート」が無くなって良いとは思っていないのです。でも、もう少し、観客の事も考えて欲しいなあ…と思っているわけなのです。
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