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フォルテ三昧な演奏ですわ(笑)[音源付きです]

 今回のフルートのレッスンは、セッションレッスンでございました。

 レッスン前の雑談は…「スタンダード・ジャズ・ハンドブック」という楽譜本をぜひ買いましょうでした。

 実は、先日のセッションの時に、ミュージシャンの皆さん、この楽譜本を持っていて、そこから選曲してセッションしていたのに、私だけ、この楽譜本を持っていなくて困ったからです。この楽譜本は、決して内容的には良いものではないそうですが、便利な本なので、ぜひ一冊持っていましょうという事です。

 なにしろ私が持っている楽譜本は「プロフェッショナルユース ポピュラー・ソングのすべて」という楽譜本で、これはフルートを習い始めたばかりの頃「クラシックをメインに、ちょっとはポピュラーもやりたいです」と私が希望したので、ポピュラーの楽譜本を一冊用意してレッスンでやりましょう、と決めたためです。最初からジャズもやるつもりだったら、こっちの「ジャズ・ハンドブック」がテキストになっていたはずです。

 ま、それはともかく…(いわゆる)ポピュラーとジャズの違いって、やっぱりありまして、それは「ポピュラーはメロディーをきれいに吹く」のが練習の目的だけれど「ジャズはノリ良く自分を表現する」というのが目的で、そのあたりが違うので、当然、音楽的なアプローチも違うわけです。

 …今は、ジャズの基礎としてのポピュラーソングの練習をしていますが、いずれは、ジャズフルートも勉強したいですね。…でも、その前にボサノヴァかな?

 さて、最初の曲は「ユー・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」です。まずは、いつものようにピアノとフルートで合わせてみました。それは決して悪いものではないのですが、とてもジャズという仕上がりになりませんでした。「まだジャズをきちんと教えていないのだから、できなくても仕方ないです」と先生がおっしゃっていましたが、「ユー・ビー・ソー~」のようなジャズの名曲でも、私の手にかかると、健全なポピュラーソングになっちゃうんです。

 そこで、ちょっとはジャズっぽい演奏をしましょうと言うことで、先生から、ほんの少しだけ、ジャズっぽいノリの出し方を教わりました。それは「オフビート気味に吹く」事です。具体的に言えば、バッキングのパターンを…

2010  にするだけでも、かなりジャズっぽくなります。もちろん、譜例はFの場合ですし、本当に吹く時は、譜面とはリズムが微妙に違います(でも、これが一番正解に近いと思う)が…。最初がルート音で、次が第3音です。コード分解を元にした、とっても簡単なパターンですが、まずはここから始めましょうというわけです。

 ポイントは「(楽譜に書かれいてる以上に)キレ良く演奏する事」です。ジャズは“キレ”が良くないと、リズムが際立たず、リズムが際立たないと、ノリが出てこないのです。

 もちろん、このパターンは基本パターンなので、いつまでもずっとこのパターンで演奏する必要はなく、時折、オカズを入れてもOKなんです。で、ソロもこのリズムパターンをベースにして、演奏するのが良いでしょうという事です。

 と言うわけで、しばらくは、このパターンを取り出して練習しました。こういうのは、フィーリングではなく、きちんと練習しないと、できるようにならないからです。

 このパターンを使って、フルート同士で合わせたり、ピアノと合わせたりして、ジャズ演奏の入門編みたいな感じでやりました。

 で、二曲目は「小さな愛の願い」です。「ユー・ビー・ソー~」と違って、こっちは“ど・ポップス”です。

 まずは普通に譜面どおりに演奏。次は、尺を伸ばしてソロを入れてみました。しかし、こういうカチッとした造りの曲は、普通にソロを入れても、なんかしっくり来ないので、1番と2番の間に“F/F/Cm/Cm//”を延々と繰り返してソロを入れてみてはどうだろうという事になりました。ちなみに、このコード進行は、この曲の冒頭4小節のコード進行です。つまり、1番が終わったら、延々と、この四小節を繰り返してフルートソロをして、いい加減納得したら、フルートは演奏止める。ピアノがこの四小節で繰り返し演奏をするので、適当なところで乱入して2番に突入するというパターンです。

 FとCmなので、ヘ長調の音階を使ってのアドリブは、しっくり来ません(ヘ長調なら、CmでなくC7となります)。そこで、FをF7に変え、Cmと共通するEbという音を、いわば接着剤代わりに使ってアドリブをやってみました。それなら、しっくり来ます。

 しかし、この曲は似たようなパターンを何度も繰り返す曲なので、やっているうちに、なんかよく分からなくなって迷子になってしまいがちな曲でした(笑)。簡単なようでいて、実はかなり手強い曲でした。

 三曲目は「ドリーム」です。メロディは実に簡単な曲で、この曲なら、今の私でもヴァイオリンでメロディが弾けるかも…というくらい簡単な曲です。しかし、簡単な曲ほど実は難しいわけで、この単純明解な曲を聞かせられるようにするには、とびきりの美音が必要になります。

 この曲は、自宅練習では低音域で吹いていましたが、レッスンでは、何となくのノリで中音域で吹きましたが、やっぱり、フルートの中音域と曲調はなんか合わず、低音域で吹いてみて、しっくり来ました。フルートはなまじ音域が広い楽器なので、どの音域を選択して演奏するかというのは、かなり大切なチョイスなんだなあと思いました。

 今回のレッスンには、実は妻が途中からやってきて見学をしていたのですが、感想を聞いてみたところ「あなたは、歌も、笛も、フォルテの一本槍ね」と来たもんです。基本的に「前へ、前へ」という性格なので、音楽を弱めに優しく演奏するなんて、そういう発想がない人です。言われて初めて「ああ、そう言われてみれば、フォルテ三昧だなあ」と思ったものです。

 さて、今回の音源はレッスンの一番最後にやった「ドリーム」です。アドリブ無しのたったワンコーラスだけの演奏です。あっと言う間に終わりますよ(笑)。こういう飛び道具無しの演奏だと、私の実力が丸分かりなので、ちょっと怖いですね。まあ、何はともあれ、夢うつろな雰囲気で演奏してみた…つもりです。たまには、こういうのも良いでしょう。

 演奏はこちらです。

コメント

  1. 水香 瑶妃 より:

    折角素敵な音が出ているのですから、もう少し抑揚をつけたら良い演奏になったと思いました

    毎回すとんさんの音源は聴かせて頂いていますけど、上達がよく分かりますね。私も頑張らねば…

  2. すとん より:

    >水香瑶妃さん

     おっしゃるとおり、抑揚って奴が必要ですね。演奏している時は一生懸命で、そんな事に気付いてませんでした。こんな簡単な曲でも、なかなか余裕を持って演奏、ってわけにはいかないので、そのあたりが抜けちゃいました。次から、気をつけていきたいと思います。

     オトナなんだから、人生の機微って奴を、演奏に入れていかないと…ねえ。

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