高い声とは、高い周波数の音波を声として出す事であり（事実１）、通常の声よりも高い声を出すためには、通常出している声よりも高い周波数の声を出せれば良いわけで（事実２）、そのためには、声帯の振動の回数を通常の声よりも増せば、より周波数の高い声が出るはずである（推論１）。声帯をたくさん震わせるためには、勢いよく息を吹き込めば、それだけ激しくたくさん声帯が振動する（推論２）ので、高い声を出すためには、息をたくさん声帯に吹き込めば良い（推論３）。
…と、以前は考えていました。
で、その結果は、このやり方では、それまでの限界よりも半音から１音程度の高い音は出ますが、あくまでもその程度です。弊害としては、高音が必ず大声になってしまうという事です。そして、半音から１音程度の高い音を限界として、それ以上の高い音は、どうやっても出ないのです。
でも、高い音を出そうとして、頑張れば、大抵の人はこんな感じになってしまうと思います。
おそらく、このやり方は、あまり良くない、褒められない方法なのだと思います。
次に考えたのは、こんな事です。推論１までは省きます。
…声帯をたくさん震わせるためには、声帯を適度に緊張させる事でより多くの振動数を稼ぐことで、たくさん声帯が振動する（推論４）。しかし声帯の周辺部を力んで固めてしまうのは良いことではないので、声帯を緊張させるためには、固める代わりに、声帯全体を引っ張って伸ばす事で緊張感を与えて高い声を出す（推論５）。
…と考えました。
このやり方だと、それまでの限界よりも１～２音程度は高い音が出ますし、引っ張り具合でさらに高い音も出ます。
でも、頑張り過ぎると、途中で声が裏返ってしまいます。だから使えるのは、声が裏返る直前までの声です。
でも、限界の高さがG4までの人がA4を狙う事ができるし、引っ張り具合ではB4まで狙えますし…才能が与えられている人ならHigh-C、つまりC5も出せるかもしれません。
だから、このやり方は、まあ良いやり方なんだろうと思います。
でも、テノールとして足場を固めるならば、このやり方ではまだ十分とは言えませんね。だから、このやり方はあくまでも“小手先のやり方”に過ぎないのだろうと思います。
おそらく、さらに一歩先のやり方があるのだろうと思いますが、それがどんな方法なのか、今の私には分からないのです。
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コメント
すとんさん、こんにちは
記事にあまり関係ないかもしれず恐縮ですが、喚声点から1音半から2音下ってちょっと感覚変わったりとかってございますか？
というのも、おそらくF#.Gあたりが裏返る喚声点なのですが、Eもちょっと感覚変わるという、それより下の音の出し方そのまんまで行くとフラットして音が届かないことがあるんです
そういう喚声点よりちょっと下にも感覚がちょっと変わる方って他にもいらっしゃるのかなと気になりまして質問させて頂きました
ショウさん
喚声点うんぬんはよく分かりませんが、声がフラットしている時って、だいたいノドに力が入っていて、うまく声帯が振動しきれていない事が多いそうです。
歌っているメロディが徐々に高音域に入ってきた事を意識すると、思わず力んでしまう…という事はありませんか？ 私はそれがあったので、一時期は五線譜よりも高い音を歌わせてもらえなかった時期があります。
つまり、ミまでは良いのだけれど、それ以上の高い声では歌わせてもらえなくて、なんとも不満が溜まっていましたが、あの頃は、ファあたりで無意識に身構えてしまっていたなあ…と今更思っています。
徐々に高音に慣れてきて、身構えずにミやファを出せるようになり、今はソまでは力まずに出せるようになりました。力まずに出せていると、音程がフラットする事はありませんし、逆に音程が届いていない時は、どこかに力みがあるのだなあと思うようになりした。
目標は、力まずにラまで出せるようになることだ…と先生には言われています。まだとても、そこまではいかない私なのですが（笑）。
すとんさん
ありがとうございます！
そうですねー、ミで身構えちゃってる部分あると思います
というのも、発声練習で素早く音程上がっていく時にはこのミはなんの問題もないんです
素早く音程上がっていく分には、まだ上のファ#ソであ、感覚変わるなという感じです
でもゆっくり音程上がっていこうとする時にはミも切り替えないと詰まる感じがするなぁと感じます
歌でも今Non t’amo piuしてますけど、最初のミで意識しないと届かないんですよね
すとんさんの場合ですと、レとかレbあたりはゆっくり音程上がっていこうとする時も特に意識しなくてもスッといけますでしょうか？
なんか詰まりそうという感覚あったりしますか？
僕は逆に脱力とYouTubeの動画見て意識して声出したら、抜きすぎて弱々しい声になってるから、力は抜かないで、でもちゃんと声帯は伸ばしていこうとアドバイス頂きました
この力抜かずに声帯伸ばす(声帯ちゃんと振動させようの意だと思います)のが難しいんですがこれまた（笑）
それぞれ上手く出せるイメージが違うのかもしれませんね！
ショウさん
私も言っている程はうまく行きません。ミやファで身構えることはほとんどありませんが、さすがにソだと、ついつい身構えてしまうことがあります。ほら、私の場合、ラが鬼門だから（汗）。
でも、うっかり身構えてしまうと、音程が微妙に届いていなかったり、音色が固くなっていたりして、自分でも「あ、失敗した」って分かります。それにそういう時って、声を大幅消費してしまっていて、その後が辛くなったりします。
まあ、失敗してしまった時は…やり直せないので諦めます。で、その後は気持ちを切り替えていきます。
そうならないように、階段状に上がる時も、跳躍で上がる時も、上昇音型の音は、逆に高くなるほどに力を抜くように意識します。で、同時に声帯を徐々に上に引っ張る感じにします。要は、力の抜き加減と、声帯の引っ張り具合のバランスが肝心で、このバランスを探している段階です。おそらく、これがうまくできるようになれば、現在、ソまで楽に出せるのだから、ラまでは楽に出せるようになるんだと思ってます。
力技で発声するのは、ラよりも高い音程になってから…と思ってます。一発、パシっと決める時以外は、なるべくユルユルで、声帯の引っ張りに全身全霊を込めて歌っていくのが、今の私のレベルかな？って思っています。
あと、高音は弱々しく発声しても、案外聞こえるものです。それに、出し慣れていない音程は、最初は強くは発声できないものです。「声がひっくり返らなければOK」くらいに考えています。
プロの歌唱は最終形態なので、そこを目指すと失敗する…と私は思っています。プロはやっぱり凄いんだよね。アマチュアが簡単に目指せるわけじゃないし、そうじゃないと、歌でお金を稼ぐなんて出来ないんだよ。