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ヴァイオリンの試奏に行ってきました その9 弦楽器屋さんにも色々あるんだねえ…

 人間、慣れというのは怖いもので、先日、先生の名前を使って弦楽器屋さんに行ったら、もうそれだけで怖いもの知らずになってしまって(笑)、今度は縁もゆかりもない弦楽器屋さんにノーアポで行っちゃいました。

 ここも、小規模なお店なので、名前を控えることにしますので、ご了承ください。

 さて、どれくらい小規模なのかと言うと、いわゆるマンションでひっそりと営業しているタイプのお店です。特に案内もなければ、派手な表札も出ていないので、事前に調べておかなければ、営業しているのかどうかも分かりません。とにかく、知らないと入れない…そういう意味では、一見さんお断りっぽい雰囲気のお店でした。

 そんな店に私は何のツテもなく、通りすがりの一見さん状態で、突撃しました(笑)。

 まず、店に入ると、中はとても薄暗く、女性店員さん(かなりの美人)に奥まで案内されて、ソファセットに案内されて、アイスティを出してもらいました。雰囲気は“楽器屋さん”というよりも“秘密クラブ(はぁと)”って感じです。やがて店長さんがやってきて(私はオジサンなので、どこの店に行っても、一番エライ人が接待してくれるのです)、色々と話をしながら商談(買い物という雰囲気ではありません)をするわけです。

 店内にはたくさんのヴァイオリンがありましたが、どのヴァイオリンにも値札や作者名など一切ありません。どれでもお好きな楽器を試奏して、気に入ったものがあれば、それを、さきほどのテーブルまで運んできて、それからお店の人と値段の交渉に入る…というスタイルです。ははは…まるでロシアンルーレットのような買い物です。ちなみに楽器は、比較的高価な楽器は、簡単に手にとれるように店内に置いてありますが、安価な楽器は奥の部屋にしまってあるので、手近な楽器をチョイスすると、たいてい何百万から何千万の買い物になってしまいます。怖いですね…。

 おかげで、すっごく高価な楽器を何梃も試奏できました…が、店長さんと話をして、私の音楽的な傾向と演奏ジャンル(はっきり言っちゃえば、かぎりなくフィドルっぽいものを求めているわけです)を伝えたところ、ジャズヴァイオリンにも造詣が深い方だったようで、それようの楽器を8梃ほど用意してくれました。内訳は、新作が4本、モダン(中古?)が4本でした。どれも50万円以下の楽器です。値段は(比較的)安いですが、なかなか良い楽器が揃っていました。

 ここは海外オークションで仕入れた楽器も扱ってますが、量産品とか、自社ブランドのヴァイオリンとかも扱っているので、安価な楽器と言っても、小奇麗だし、新品の健康なヴァイオリンが購入できますのが特徴のようです。

 ドイツの楽器は音色が柔らかいですね。そこへ行くと、東ヨーロッパのものはイタリア楽器を意識しているのか、高音がよく出てます。これに柔らかめの弦を張ったら、いい感じになるでしょうね。そうそう、試奏の弓は、500万円のオールドフレンチ弓(ゴールドフルートよりもお高いの~)と、ジャズを弾くならカーボン弓でも確かめないといけませんねと、20万円のカーボン弓(カヅノよりもお高いのよ~)の両方を貸してくれました。

 店長さんのお話では、やはりジャズをやるなら、ヘルナンブーコ弓よりも、アタックの強いカーボン弓の方がいいですと言われました。楽器も、マイク使用を前提にチョイスした方がいいですって言われました。生で聞いて良い音でも、マイクを通すと、ただウルサイだけって楽器は、ジャズには向かないですって言われました。

 色々と弾いてみて、私が気に入ったのは、某東ヨーロッパの工房の楽器でしたが、実はこれ、同じモデルを某大規模路面店でも扱ってましたが、そこと比べて、楽器のお値段は約半額でした。「うへっ」て感じですね。なぜ?と尋ねたところ、入手経路が違うし、お店の規模が違う(つまり必要経費が全然違うというわけです)ので、同じ品でも値段が変わってくるのだそうです。半額とは言え、安いわけじゃないので、もしも、このブランドのこのモデルを買うなら、絶対に大手の楽器店ではなく、こっちの弦楽器屋さんにしようと思いました。いや~、ヴァイオリンの値段って、色々と複雑な経路で決まるみたいです。

 フルートは、ある意味、どの店で買っても大きな違いはありませんが、ヴァイオリンは、店によって品揃えも違えば、同じモノでも値段が極端に違うようです。これは、楽器選びの前に、楽器店選びをしないと、楽器が買えない…という世界のようです。コツコツと弦楽器屋さんを尋ね歩く事が大切なようです。ううむ、ヴァイオリンを買うのって、大変だよ~。

 やっぱり、しばらく、ミヤマで遊んでいるのが、無難かもしれない。

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