スポンサーリンク

ヴァイオリンを作ってみよう! その8 ついにプラモ用塗料、投入(笑)

 色々とトラブルはあったものの、その場の成り行きと思いつきに任せたところ、何となく形になってきたキラメキでした。

 オールナットで色塗りを重ね、まあ、シミ(のような木目)も目立たなくなってきたので、着色作業は終了しました。表板とほかの部分との色の違いが目立ってますが、でも背面のフェイクな木目塗装も気に入ってますので、この木目塗装を、なるべくイカすように、表板(とっても黒い)、側板(そこそこ黒い)、裏板(あんまり黒くない)というツートンカラー、あるいはスリートンカラーの方向で行くことにしました。ま、こういう色の違いも、古くて汚くてボロッちいヴァイオリンにはたまにありますので、キラメキはそういう方向のヴァイオリンって事にします。つまり、偽アンティーク仕上げ(笑)で行きますですよ。

 ヴァイオリンの色が決まれば、あとはひたすら透明クリアニスを塗って塗って塗りまくります。それがヴァイオリンの塗装ってもんさ!って感じで、本当にただただ透明クリアニスを塗りました。

 で、そんな時に、あるウェブページを見ていたら、高級なヴァイオリンはペグボックスの中とf字ホールの断面は黒く塗るけれど、安いものは何もせず、そのまま木の色なんだという記事を見つけました。

 おお、キラメキは安い楽器だけど、お飾りオブジェ楽器なので、みかけだけでも高級アンティークヴァイオリンにするつもりです。ならば、ペグボックスの中とf字ホールの断面を黒くする事に決定。とは言え、f字ホールはすでに勝手に黒くなっている(表板に塗ったオールナット塗料のおかげでしょうね)ので、ペグボックスだけを黒く着色しましょう。

 しかし…だからと言って、黒い着色ニスを買うとお金かかるしなあ…と思って、家の中にあるニス…って、さすがに黒いニスを買った覚えはないので、探しても絶対に出てきません。いよいよ出費かと思ったところ、ふとひらめきました。そうだよ、プラモ用の水性アクリル塗料を使えばいいじゃん。

 探したところ出てきました。グンゼ産業「水性ホビーカラー No.2 ブラック(黒)基本色」という塗料が! エヴァンゲリオンのプラモ(ヲタクなんです、勘弁してやってください)を作った時に一緒に買った塗料ですよ。これを塗ってしまいましょう。なに、木に直接塗るのではなく、ニスの上に塗るんだから、アクリルでもウレタンでも、特に問題ないでしょ(笑)。

 で、さっそくペグボックスに塗ってみました。

 …失敗しました(涙)。白髪を染めるからと言って、漆黒の髪染めを使ったら、いかにもな感じで変でしょ、あれと同じ事になりました。ペグボックスの中だけ、妙に鈍い黒で、とても変です(涙)。

 さあ、この始末、どうつける?(悩)
 
 
 
 善後策を考える事にしました。また、塗装を剥がす? それも面倒だな…とあたりをキョロキョロしていたら、目に入ったのが、グンゼ産業「水性ホビーカラー No.17 ココアブラウン(艦底色)基本色(艦底用)」という塗料。つまり、赤茶色の塗料を発見したわけよ。うん、これを薄めて、半透明にして、黒の上から塗って、色味を足して上げればいいんじゃねえの? って事で、さっそくやってみました。うん、ま、なかなかいいんじゃないの? ナイスリカバーって感じ、これでいいでしょう。

 さてさて、ペグボックスは一段落したところで、肝心の透明クリアニスは、何回塗ればいいのでしょうか? 色々なサイトをみると、たくさん塗った方が良いみたいだけれど、何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。適当なところで止めないとね。

 色々なヴァイオリン製作サイトをみると「透明ニスは最低15回塗りましょう」と書いてあります。最低が15回であって、特上の高級モデルによって、それが30回とか50回とか、もっともっとで、それ以上の回数になるようです。それも透明ニスだけの回数で、ここには着色ニスの塗装回数は入っていないようです。

 さて、最低15回のニス塗りですが、それは油性ニスを塗る場合であって、私のようなウレタンニスでの塗りの回数ではありません。ウレタンニスの特徴は、他のニスと比べ、皮膜が厚いのが特徴なので、そのウレタンニスを15回も塗ると言うことは、普通のニスの30回塗りに相当すると勝手に解釈して、ひとまずニス塗りは15回(それも着色ニス塗りの回数含む)で終了することにしました。

 そこで、予定の15回、塗り終えたところで、ヴァイオリン全体を子細に観察したところ、f字ホールの部分が、はみ出したニスで、ちょっと不格好になっている事を発見、カッターナイフではみ出したニスを削り取り、整形するためにヤスリでガシガシ削ったところ、その断面にニスで黒くなったところと、白木が見える部分ができてしまったので、その断面を一度水性ホビーカラーの黒で塗り、さらにそこを他の部分と馴染ませるために、全体に軽く、もう一度、ウレタンニスを塗りました。これでニス塗りは本当に終了にしました。結局、ニス塗りを16回やったわけです。ご苦労様でした。これでひとまずニス塗りは終了です。

 「透明ニスは最低15回塗りましょう」と、あっちこっちのヴァイオリン製作サイトに書いてありますが、それは高級ヴァイオリンの話であって、よくよく調べてみると、安価なヴァイオリンって、そんなにたくさん、ニスの重ね塗りは、されていないようです。ひどいのになると、機械吹きつけ(つまりスプレーだね)で一回塗ってお終いってのもあるそうです。そういう点で考えると、キラメキはニスの重ね塗り回数という点だけで言えば、高級ヴァイオリンと同じって事になるね(回数だけ、だけどね)。

 ニス塗りを終了したので、マスキングテープを剥がしてみました。マスキングテープの断面から、今回のニスの厚さが分かりました。私はかなり厚く塗られていると思ってましたが、ニスを16回塗っても、その厚さは0.1mmも無いんですね。私はてっきり1mm前後の厚さになっていると思っていたので、ちょっとガッカリです。

 最後の最後に、マスキングテープを剥がした時に、一緒に剥がれちゃったニスや塗料の部分修復作業を、面相筆で、塗料やニスを使って、チョコチョコと直しました。これで本当にペイント関係は終了です。

 さて、ご好評(?)いただいてます「ヴァイオリン製作日記」ですが、明日はお休みします。なぜって…だって、明日は『老犬ブログ』の四回目のお誕生日だからです。いつものように、ベスト記事ランキングを発表しちゃいますので、お楽しみに

コメント

  1. Cecilia より:

    うちにはプラモ用の塗料や余分なニスの類はないので、万が一作ることになったら大量に買わなくてはなりません。
    あともう15年以上前に買ったオイルステンというものがあるのですが、これ使えるんだろうか・・・。
    一時期ステンシルやトールペイントに凝っていたのですが、アクリル絵の具は使わないままだめになったものが大量にありました。
    オイルステン、3年前にはまだ使えましたので大丈夫かと思いますが、ヴァイオリンにはどうかなあ・・・。(そのまま塗ると黒に近い茶色です。

    ところでエヴァンゲリオン、お好きなのですか。
    うちの夫がいまはまっていてフィギュアが増殖しています。(苦笑)
    夫専用の書斎ではないですが、専用スペースには街角の絵描きさんの不思議な絵とかがあってカオス状態なのですが、そこにエヴァンゲリオンのフィギュアたちが!

    ヴァイオリン製作記事の続編楽しみにしています。
    こうなったらどんな音か音源をアップしてくださるとうれしいです。
    スズキ君と比較してくださるとなおうれしいかも。

  2. ヴァイオリンを作ってみよう!シリーズ、毎回、こわごわ眺めています。そのうち、壊れてしまうのではとはらはらしています。
    ヴァイオリンの塗料については知りませんが、恐らく、ヴァイオリンが登場した当時の伝統的な家具用の塗料と同様だったのではと想像しています。昔でも、ロジンやシェラックなどの天然樹脂はありましたし。

  3. すとん より:

    >Ceciliaさん

     塗料の類は…程度にもよりますが、ある程度新しい方がいいと思います。とは言え、古くなったからと言って、全くつかえないわけではないですし、うすめ液を入れて上げる事で復活するものもありますので、ケースバイケースなんですけれどね。今回の私の場合、プラモ用塗料は古くても問題なしでしたが、着色ニスはちょっと…でした。ニスはあまり古くない方が良いのかもしれません。オイルステインはどうなんでしょうね。使用前に、(別の半端木材などに)試し塗りができると良いですね。

     塗料って、意外と値がはるし、思ったよりも量や種類が必要だったり(トールペイントをやっていたなら分かりますよね)するので、馬鹿にならないですね。

     でも、今回、私が作ったヴァイオリンは、その製作工程を見ていただければお分かりのように、ほとんどトールペイントのそれと同じですよ(笑)。塗装ができて、彫刻刀と各種ヤスリが使えれば、できます。もちろん、もっと本格的なキットもあるようし、そうなるとマジな木工技術が製作側に必要になりますが、私のケースではさほどではありません。

     ふふふ…ヴァイオリン、作りたくてウズウズしていない?

     エヴァンゲリオンは“最初の再放送~最初の映画”のアタリではまってました。ちゃんと映画は劇場で見てきましたよ。ま、平均的な日本人ですよ(笑)。

     最近もまた、新作映画が作られていますが、それもしっかり映画館で見てます。今度の映画は、痛さがへって、より万人向けの仕上がりかな…って思います。フィギュアは…完成品を買ってくるというのが大嫌いなので、プラモとかガレキを購入して、自分で着色して完成させています。私はプラモ歴が長いので、私の塗装技術はプラモ製作で身に付けたものなんですよ。

     実際、ヴァイオリン製作は、ほとんどプラモ製作のノリでやってます。

     エヴァと言えば、最近は、なんでもかんでもパチンコのキャラになってしまうので、悲しいです。エヴァも最近はパチンコの入り口でよく見かけます。なんか、ヲタクのアイドルが、ギャンブラーの慰みになるのは、すごくすごく悲しいです。パチンコの人は、エヴァのストーリーやキャラにどれだけ興味があるのかな? 彼らにとって大切なのは出玉であって、綾波やアスカのツンデレ具合ではないのに…。

  4. すとん より:

    >エルネスト・アントルメさん

     「ひとこと」で書きましたが、とりあえず、ヴァイオリンの形をしたものは、完成しましたよ(笑)。案外、なんとかなるものです。でも、そこに至るまでの道のりは、それなりに大変でしたし、ヴァイオリンの形をしている事と、ヴァイオリンとして使えることは、また別ですし、完成したあと、今度は調整という作業が待ってますし…。

     ま、それらも含めて、おいおい、記事にしてアップしていきますので、よろしくお願いします。

    >恐らく、ヴァイオリンが登場した当時の伝統的な家具用の塗料と同様だったのではと想像しています。

     私もそう思ってます。楽器だから、何か特別な事をしたのではなく、当時は地産地消が当たり前の時代ですから、その土地で入手できる木材を材料にして、手軽に入手できる塗料で塗って、身の回りにある工具を使用して製作していたのだと思います。

     もちろん、現在のヴァイオリン製作にあたって、当時の材料や製作手法にこだわって作るのもあり(工房系はそうですね)ですし、現代の最新の技術と手法で作るのもあり(大手のメーカーはそうですね)です。ならば、私のような“日曜大工”レベルのものがあっていいかなって思ってます。別に他人様にご迷惑をかけるわけじゃあないですから(笑)。

  5. Cecilia より:

    エヴァと言えばパチンコ・・・になってしまっていますよね。
    夫が付録ほしさにパチンコの雑誌(エヴァ特集?)を買ってきたらちゃちなパチンコ台のストラップに小さく綾波たち(だったと思います。)の絵があるだけで、大変がっくりきていました。

    ヴァイオリン、作りたくてうずうずしています。(笑)

  6. すとん より:

    >Ceciliaさん

     最近、パチンコにはエヴァを始めとして、様々な人気キャラを採用した台が多数ありますし、それが集客につながっているのだろうと思いますが、でも、それらの人気キャラって、パチンコをする人に、ちゃんと愛されているのだろうか? すごく心配してますし、とても悲しいです。

     ヴァイオリン作り、モノを作ることを楽しめて、結果をすべて引き受ける事のできる人にはお薦めです。そうでない人は、素直に楽器店に行って、楽器を買ってきた方が良いです。Ceciliaさんは、きっと楽しめると思いますよ。

     ただ、キットは7000円でも、最終的にはそれなりの出費を覚悟した方が良いですね。塗装関係、木工関係もそうですが、弦や各種パーツも良いものに交換した方が良いです。必要な金額は、手元にどれだけのものがあるかで変わりますが、私の場合は、3万円弱かかりました。あと、製作期間(製作時間)もそれなりにかかります。

     でも、それを乗り越えて、私は楽しみました。私は良い経験をしたなあ…と思ってますし、またそのうち、二梃目を作ってもいいかなって思っているくらいです。

タイトルとURLをコピーしました