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やっぱり指揮者は必要!

 フルートのレッスンに行ってきました。

 今回もレッスンの前にちょっぴり時間があったので、しっかりチューニングして準備をしました。音程はバッチリだったけれど、先生から「頭部管抜き過ぎ!」とダメが出されました。結局、頭部管をしっかり入れて、音を曲げ曲げして対応しました。色々難しいね。

 結局、頭部管を多めに抜くことで音程が合うというのは、基本的な奏法が“吹き過ぎ”で音が上ずるからでしょうね。フルートを吹くのではなく、鳴らす方向で演奏できれば、頭部管をかなり入れても音程バッチリになるわけだし、その方が音色的に美しくなるみたいです。

 正しい音程で吹ければいい…というわけでもなさそうです。ううむ、難しい。

 さて、エルステ・ユーブンゲンの9番は、しっかり練習してきましたが…まだ暗譜が完全じゃなくて、あっちこっち指を間違えました。不合格です。ああ、本当に暗譜が苦手だな。でも、前回よりも確実に暗譜は進んでいます。次回までには、きちんと暗譜できるかな? 頑張ろう。

 プチ・エチュードは10番です。前回注意された事はしっかり練習してきましたよ。で、やっと合格をいただきました。いやあ、長かった。そして、難しかった。

 さっそく次の11番の模範演奏をしてくださいました。いやあ、11番って、実に真っ黒な楽譜で、音符がみっちりと詰まってますねえ(涙)。この曲、私に吹けるのかな? 先生からは、いつものように「ゆっくり練習してくればいいからね」と言われていますが…こんな真っ黒な譜面、速くなんて吹けませんから、ご心配無用です。

 さて、今回の雑談は、春先に行われたH先生のコンサートの件です。

 先生にいきなり「この前のコンサート、来てたよねえ? どこの座席で聞いていた?」と尋ねられたので「客席中央やや前方寄りの、下手側の席です」と答えました。私、どこのホールに行っても、たいてい、そのあたりの座席に座ります。と言うのも、そこだと、ピアニストやフルーティスト、ヴァイオリニストの手の動きがよく見えるからです。

 で「聞こえた? きちんと聞こえた?」とか聞いてくるのです。もちろん、きちんと聞こえましたよ。

 なんでも、その日のコンサートのCDが出来上がり、関係者さんたちに配布されたそうなんです。で、そのCDを聞いた先生、ご自分のフルート演奏がきちんと録音されていなかったそうで、それで客席に、自分の演奏がきちんと聞こえていたのかどうか、とても不安になったんだそうです。

 と言うのも、その日のコンサートでは、H先生は指揮者をやっていましたので、ご自分がソロを吹いたフルート協奏曲以外はバッチリ録音されていたそうですが、自分が吹き振り(って事は、指揮者がいない演奏って事になります)の協奏曲では、やたらと弦の音ばかりが強調され、先生のフルートの音がヴァイオリンたちにかき消されていたんだそうです。だから心配になって、当日観客席にいた私に尋ねてきたのです。

 確かにフルート協奏曲では、弦楽器の人たちが、むやみに頑張っていたかな? でも、それでフルートの音がかき消されるという事はなかったと思います。まず、先生は18K厚管なんていう強力な楽器を使っているわけだし、人間の耳って優秀だから、少々音量バランスが悪くても、脳内で補正するので、問題なく聞こえちゃうんですよね。

 録音セッションではなかったので、当日の演奏の録音は、天井からぶら下がっている吊りマイクによる収録だったそうですし、フルートとヴァイオリンは音域がかぶるし、フルートの音色が優しいのに対して、ヴァイオリンは鋭角的な音を出しますからね。事によると、先生が聞かれたような、フルートがヴァイオリンにかき消されてしまうような録音となってしまった可能性はあります。

 「だから指揮者が必要なんだよ」とH先生はおっしゃいます。と言うのも、指揮者というのは、演奏の現場監督なわけで、テンポはもちろん、音量バランスなどにも気を使いながら、演奏をリードしていくわけです。なんでも、当日のオケは、先生が指揮をしていても、弦が暴れる傾向があったそうなので、指揮者がいなくなった途端に大暴れをした…と思われているようです(し、たしかにあんまり抑えた演奏をしていたとは思えません)。

 なんか、色々難しいですねえ。先生は指揮者の必要性を痛感し、私は人間の耳の優秀さに感じ入った次第でございます。

 市販のCDの録音って、人間が耳で聞くような音バランスで録音するされていて、それが普通だと私なんかは思ってしまうのですが、そういう話を聞くと、自然な音バランスで録音するのって、本当はとても難しい事なのかもしれません。サウンド・エンジニアさんの仕事って、すごく地味だけれど、とてもとても大切な仕事なのかもしれませんね。

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