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譜読みはした方が絶対に良い その1

 ここで言う“譜読み”とは、広い意味での譜読みであって“歌うための予習”程度にと捉えてください。

 さて、ではなぜいきなり「譜読みはした方が絶対に良い」と言い出したのか、その理由を述べると、私自身、歌を始めたばかりの頃は、譜読みなんてしていなかったからです。
 なぜ譜読みをしていなかったのか? その理由は簡単です。楽譜が読めなかったからです。楽譜が読めなかったので、事前に楽譜を読んでおこうなんて、全然思っていなかったからです。

 私の歌のキャリア(?)の最初は、ご多分に漏れず、市民合唱団から始まりました。入団して、楽譜と音源テープ(話が古くてごめん)をいただいて、自宅で練習してから合唱団の練習に参加してねとお願いされていたにも関わらず、毎週の合唱団の練習には、全く何もせずに参加していました。今考えると、とんでもない馬鹿野郎ですね。いやあ、若いって、怖いもの知らずですね(笑)。

 もっとも、いくら楽譜と音源テープを渡されていても、実際問題、自宅練習をするのは困難だったので、何もせずに練習に参加しちゃっていたのです。なんとも、やむを得ないのです。と言うのも、自宅で楽譜を広げて、音源テープを聞いても、楽譜を目で追っかけることすら、当時の私はできなかったんだから(大笑)。

 一応、基礎的な楽典の知識はあったし、バンド経験はあったので、なんとなく耳コピは出来ないわけではないのだけれど、耳で覚えたモノと楽譜が全然結びつかなくってね(汗)。何しろ、楽譜を目で追っかけるにしても、音符ではなく、歌詞を頼りにして追っかけていたくらいだもの。全然ダメなのよ。おまけに、その歌詞が外国語(だいたいラテン語だったなあ)だし、同じ文言を何度も繰り返すタイプの合唱(つまり宗教曲だね)だったから、その歌詞を頼りにしても、やっぱり迷子になっちゃうんだよ。

 合唱団の練習の時に、周りの人が歌っているのを聞いて、それで音取りをして歌っていたわけなのですが、問題は現場で耳コピして、周囲に合わせて歌っていたので、当時の私もテノールだったのですが、耳で聞いて覚えたフレーズがテノールとは限らず、なぜか、ソプラノやアルトのパートを聞いて覚えてしまい、それで歌っていたこともあり、しばしば指揮者から「それ、アルトのパート!」とか叱られながら歌っていました。

 耳コピ学習の弊害だな。それにしても、器用な私でした。

 テノールのパートを見ても、当時の私にはただの暗号にしか過ぎず、結局、耳を頼りに譜読みをして、それでは楽譜が読めるようには全くならず、一生懸命やればやるほど、熱意が空回りするばかりで、あの頃の私は、合唱団の迷惑だったろうし、足ばかりを引っ張っていたんだろうなあと思います。

 その合唱団は1年くらいいて、空気を読んで、辞めました。他人に迷惑をかけているという自覚があったので、歌も合唱も好きだったけれど、合唱団からは身を引いたのです。その後は独唱のみをやりました。辞める時に、指導者チームの人たちに「今後は声楽で頑張ります」と言ったら「発声とソルフェを頑張ってください」と言われました。

 …発声とソルフェ。つまり本当にダメダメだったんだなあ。

 で、楽譜ときちんと向かい合ったのは、声楽を始めてからです。

 声楽を始めても、楽譜がロクに読めないのは変わりがないのですが、全く練習しないでレッスンに行くわけには…さすがに個人レッスンだったので、それは無理でした。当初はイタリア古典歌曲を学びましたから、プロの歌う教材CDを耳コピしてから、レッスンに向かうという事をしていました。

 耳コピをしていたので、メロディはなんとなく覚えていて、楽譜は歌詞カード代わりに使っていました。

 曲の最初から歌うなら、まあなんとか形になっていましたが、レッスンですから、曲の途中から歌うなんて事も多々ありました。耳コピだったせいもあって、途中から歌うように指示されても、最初はなかなかうまくできませんでした。しかし、それも自宅で曲の途中から歌う練習をするようになってからは、なんとか対応できるようになりました。

 この頃の私は、プロの歌う教材CDにおんぶにだっこで、お手本を聞いて、それをひたすら口真似して歌い、レッスンに行っては、先生の口真似をして、さらに修正するという、いわば親鳥から口移しでエサをもらう雛鳥みたいな感じで、歌を学んでいました。いや、マネていました。

 その先生のところには約1年いて、多くの事を学び、歌もだいぶ歌えるようになりました。特に譜読みに関しては、耳コピ頼みでしたが、事前学習もだいぶできるようにはなりました。いやあ、上達したんですよ。

 その先生が東欧(古いなあ)に転居されることになり、そこで一旦、歌うのをやめた私でした。

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