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楽譜を読めるようになるのは、そんなに大変な事ではない…と思います

 クラシック音楽は楽譜第一主義の音楽です。それは声楽もクラシック音楽の一分野である以上同じです。

 とは言え、プロはともかく、アマチュアの(合唱であれ、独唱であれ)歌手の中には、楽譜が読めない人は、大勢います。と言うのも、歌は入門のハードルが楽器と比べると低いため(当然ですが)専門教育を受けずに歌っている人もいるからです。

 楽譜は…当然の話ですが、程度の差はあれ、やはり専門教育を受けないと読めるようにはならないと思います。

 「音楽の専門教育を受けなくても、歌っているうちに、楽譜なんて読めるようになるんじゃないの?」

 …歌っているうちに楽譜が読めるようになれるといいですね。

 楽譜に限らず、物事は必要だから学ぶわけだし、出来なきゃ困るから出来るようになるんです。逆に言えば、必要を感じなければ学ばないし、困っていなければ身に付かないのです。そりゃ、当然だよね。

 で、歌に関して言えば…歌っているだけじゃ、たぶん、楽譜は読めるようにはならないと思います。と言うのも、歌は楽譜が読めなくても、耳コピで乗り切ることができるからです。

 耳コピ…つまり「聞いて覚える」です。プロ歌手等の他人が歌っているのをお手本として聞いて、それを覚えてしまうわけです。多くの合唱団で用意されている“パート別音源”とかを利用して音取りをするのも、その手の手段の一つです。

 まあ、楽譜が読めない以上、仕方ないのですが、この方法は、全く問題が無いわけじゃないんです。

 ひとつには、このやり方では、歌の精度は、聞く人の耳の性能に大きく依存します。そのため、お手本をきちんと聞き取って、それを正しく真似ることが、うまくできない人もいるわけです。そういう人は、せっかく聞いて覚えたものでも、それを正しく修正したり、精度をあげていかないと、使い物にならないという事も多々あるわけです。

 たとえ聞く人の耳が良くて、完璧にコピーできたとしても、人が歌うのですから、お手本には歌っている歌手の癖があるわけで、耳コピでは、その癖もコピーしてしまうという難点があります。いやいや、癖だけなら可愛いのですが、プロ歌手の中には、結構激しく歌い崩す人もたくさんいまして、その歌い崩しまでコピーしちゃうのは…正直いかがでしょうか?

 お手本用とか教材用とかに特別に作成された音源なら、ひとまず問題も少ないでしょうが、一般に流通しているプロ歌手の歌唱は、実は歌い方や表現技法等を参考にして学ぶのはOKでしょうが、それで音取りをするのは、かなり危険です。特にイタリア系のプロ歌手の場合、十中八九は、自分流に音程やリズムを歌い崩していて、全然使い物になりません。

 本来、楽譜が読めなければ、コレペティさんのお世話になるものです。コレペティさん…正式にはコレペティトールという職業で、楽譜が読めないプロ歌手さんには、専属のコレペティさんが付いているものです。コレペティさんは、楽譜が読めない歌手の代わりにきちんと楽譜を読み込んで、それをちゃんと教えてくれる、ありがたい人なのです。日本では、声楽を学んだピアニストさんがコレペティさんになるケースが多いようです。

 アマチュアの場合は(経費的に)コレペティさんを雇うわけには行きませんが、その代わりにパソコンを使うのが適当だろうと思います。

 楽譜ソフトを使って、楽譜を入力すると、それをMIDI音源等で再生してくれるので、それを利用してコレペティさんの代わりにメロディを勉強する事ができます。昔の私は、この方法を使っていました。

 そうです、実は私も以前は、楽譜をほとんど読めなかったのです。ですから、パソコンをコレペティさん代わりに使っていました…が、今は歌のメロディ程度なら困らない程度には楽譜が読めますので、パソコンを使わずに、自分でピアノを叩いて音取りをしています。自分で楽譜を読んで、納得するまでメロディを学ぶ事ができるようになりました。お陰様で、割りと楽譜通りに歌えるようになったのです。

 では、私はどうやって楽譜を読めるようになったのでしょうか?

 それは簡単な話で、器楽を学んだからです。具体的にはフルートを勉強しました。

 器楽って、声楽と違って、楽譜が読めなければ何もできません。逆に言えば、楽器を学べば、嫌でも自然と楽譜が読めるようになります。私はフルートを学んだので、フルート用の楽譜、つまりト音記号の単旋律なら、ほぼ不自由なく楽譜が読めるようになりました。

 なので、歌の人で楽譜が読めるようになりたいと願うなら、ソルフェを学ぶのもアリですが、それよりも器楽を学ぶのが良いと思います。楽器を学びながらなら、割りと簡単に楽譜が読めるようになります。

 なので、プロ歌手の音源を耳コピして歌の勉強をするのはアリですが、それをするよりも、パソコンの楽譜ソフトをコレペティさん代わりにする事をお勧めするし、さらには器楽を学んで読譜力を身につけることをお勧めします。

 私はフルートを学びましたが、歌の人が学ぶなら、ピアノがベストだろうとも思います。

 まあ、歌の人が器楽を学ぶと良いという話は…いずれ記事にしたいと思ってます。

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