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ピアノを使って音を取る方法

 ネットを見ていたら、ピアノを使って音を取るのに苦労する人がいる事に気づきました。

 “ピアノを使って音を取る”とは、具体的に書けば、ポーンとピアノを叩いて、その音を聞いて、即座にその音と同じ音程や音階の声を発声する事です。

 無意識に簡単に出来る人が大勢いる一方、結構苦労する人もそれなりにいるようです。つまり「出来る人は簡単に出来るけれど、出来ない人は簡単には出来ない」って事のようです。

 かくいう私も、かつては“簡単には出来ない人”でしたので、その苦労はよく分かります。

 「じゃあ今は?」と問われれば「まあまあ出来ます(冷汗)」って感じでしょうか?

 これって要は、音感の問題であり、発声テクニックの問題なんだと思います。

 音感と言うのは、音程や音階の分類であって、ある音を聞いた時に、それを“ド”であるとか“レ”であるとか分類し、ラベリングできる能力の事であって、それを自分の記憶力だけで行えるのが絶対音階であり、基準音を聞いてそれに基づいて行えるのが相対音階だと、私は理解しています。ピアノを使って音を取るには、絶対であれ相対であれ、音の分類が出来なければ難しいので、ある程度の音感がなければできない事だと思います。

 そして、聞いた音を分類できたところで、その音と同じ音程や音階で発声するために、自分の意図した音程で発声できるという発声テクニックが必要になります。自分が思った通りの声が発声できる…というのも、才能や訓練に依存するわけで、才能が無い上に発声の訓練もしていない人だと、まずは無理だと思います。それくらい、自分の声を制御するって、難しい事だと思ってます。

 とは言え、大抵の人は、大雑把な音感と緩めな発声テクニックは標準装備しているのが普通なので、特殊な人で無い限り、ピアノで音取りというのは、できないわけではありません。

 ここからは、そのノウハウの話です。

 ピアノで音を取るやり方は、おそらく人それぞれで色々な方法があるのではないかな?って思いますので、ここでは私のやり方を書きます。

 私の場合は、基準音を聞いたら、その音が鳴っている最中に、それに近い音をハミングで出します。耳から聞こえた音と、自分が出している声が鼻腔で響き合ってうねります。そこで自分の声を調整して、うねらない音程にします。うねらない声が出たら…音が取れたという事です。

 私はこういうやり方です。このやり方で基準音を確認して、そこからはいわゆる“相対音感”を利用して歌っていきます。

 このやり方の弱点は、実音でないと音を取りづらいという点でしょうか? どうしても実音と較べて、オクターブ違いの音が比較対象だと、うねりが分かりづらくなるからです。

 このうねりを利用する音取りのやり方は、ギターのチューニングの応用ですね。今どきの子は、ギターのチューニングでは、チューニングメーターを利用するのが普通のようですが、私の時代は、チューニングメーターはかなり高価だったので、貧乏な子どもたちは、音叉や調子笛を利用してチューニングするしか無かったのです。音叉の音とギターの弦の音を同時に鳴らして、そのうねりを利用してチューニングしていたのです。そのノウハウを声楽でも使っているのが私です。

 どうでしょうか? 参考になりましたでしょうか?

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コメント

  1. オペラ座の怪人 より:

    あの!岩城宏之さん(指揮者)の著書によれば、
    あの!山本直純さん(作曲家)は、
    お父様も音楽家で、
    ご本人(直純さん)は音楽の天才だったけど、

    全くの音痴だった、
    耳で聞いた音(音程)を
    自分の声で出すことが全くできなかった、
    全然違う音程で歌ってしまっていた、とのことです。

    大昔に読んだ話ですので、
    正確には思い出せませんが、
    まあ、そういう主旨の話でした。

    才能って、まあ、色々ですね~。
    (ただ、それだけを書いたこと、お許しください。)

    ( ̄▽ ̄;)  ( ̄~ ̄;)  ( ̄□ ̄;)!!

    (-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ

    おしまい

  2. すとん より:

    オペラ座の怪人さん

     山本直純さんに限らず、著名な音楽家の中には、結構な数の音痴さんがいるようです。ただし、その手の音痴さんに関しても、音楽的な耳がダメなわけではなく、その多くは、正しい音程で歌えないとか、自分の意図した音程で歌えないという、歌唱に関する音痴さんばかりです。

     つまり、それだけ“歌う”という才能は、音楽の才能の中でも、ちょっと異質な才能なのだろうと思います。

     ちなみに、歌えない音楽家って、もちろんですが、器楽奏者に多いんですよ。特に日本の器楽奏者は、歌えない人が多いと聞きます。いやむしろ“歌えないから楽器をやる!”という人も少なからずいるんですよね。

  3. 如月青 より:

    音取りは永遠の課題で。
    合唱時代は、自分の音感に自信がなくても「隣頼み」でなんとかなったし、
    若いころの教室は、音程よりリズム重視だったので、細かいところが多少ずれていても
    流れがつかめていれば、というところだったので、今苦労しています。だいたい体感で
    楽器の音と自分の発声の波長が合ってるかを判断してますが、結構気分や体調に左右されますね。

    自宅のピアノだとH5くらい出ているのが、教室だとG5も怪しかったり。これは人前に出ると
    ノドに力がかかる癖もあるけれど、やはり家では慣れで耳が甘えていたり、無意識にテンポや休符を自分の都合の良いように作っているのではないかと。

    というわけで、このところyoutubeの発声音源で練習しています。

    https://www.youtube.com/watch?v=gMLMJHNjtvg&feature=emb_rel_pause

    A3から2オクターブですが、上下ともぎりぎりのところで、「ちょっと頑張る」くらいがトレーニングとしては適切かな、と。

  4. すとん より:

    如月青さん

     このYouTubeの音源、面白いですね。さっそく試してみました。いい感じです。

     実は発声練習なら、最近の私は無伴奏でチューナーを使ってやっています。音程の正誤を自分の耳や感覚だけでなく、機械的に判定してもらって、正しい音感を身に付けようと、奮闘努力の真っ最中です。

     チューナー相手に練習をするというのは、器楽の人なら当たり前ですしね。

     私はローランドのVT-12という、ボーカルトレイナーというヴォーカル専用チューナーを使っています。約2万円もする機械なので、今どきの人なら、スマホのアプリに似たようなタイプのチューナーがあるので、そういうのを使うんでしょうね。そっちの方が絶対に格安だしね。

     無伴奏で、チューナー相手の発声練習って、なかなかに勉強になると思います。

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