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タクシーに目の前で通り過ぎられると…悲しいです

 本日から平常運転に戻りますので、よろしくお願いします(ペコリ)。
 
 
 ラ・フォル・ジュルネも終わり、日常生活が戻ってきました。さあて、声楽のレッスンだ。ああ、ノドが痛い、練習もたいしてしていない。譜読みもまだまだだあ~。でも『レッスンには行かない』という選択肢は私にはありませんので、なんとか帳尻合わせ的に、ババババ~と譜読みをして、音取って、レッスン準備をしました。

 レッスン当日は、当然仕事です。仕事は毎日、私を追いかけてきます。やっつけても、やっつけても、書類の山の高さが減りません。どうしましょう(涙)。なので、もう、レッスンに自力で行くことを、すっかり諦めてしまった私です。仕事をむりやり終わせると、当然のように、タクシーを呼びつけて、そいつで先生のお宅まで乗り付けるようになってしまいました。『時間なんて、お金で買えるものなのサ!』…なんてエラそうな! でも、人間って、一度ゼイタクをすると、止められなくなるものだね…。

 で、今日も今日とて、タクシーを呼んだところ「10分ほどで参ります」って返事をいただきました。で、ちょうど10分たった頃、私の目の前を、私が頼んだタクシー会社のタクシーが『迎車』の表示を出して、スーーーーーっと通りすぎました。

 おいおいおい…(汗)。

 たいぶ離れたところ(たぶん200mくらい離れた場所:まっすぐな一本道なんですよ)で、どうやら停車したようです。ちなみに私が立っている道は、タクシーなんて滅多に通らないような道です。あれあれあれ? と思ったので、思わずタクシー会社に電話を入れましたよ。…約束の時間に、貴社の車が私の目の前を素通りして、今、全然違う場所に停車しているけれど、一体あれはなんなの?…って内容の事を丁寧な言葉づかいで(オトナですから)申しつけたところ、そのタクシーが踵を返すように私のところにやってきて、ドアを開けました。

 さては、運チャン、待ち合わせ場所を間違えたな…。

 時間にすれば、大した事ではないのですが、なんかシカトされたような気分がして、仏頂面でタクシーに乗りました。お喋りな私が無口でタクシーに乗るなんて、ほんと、珍しいですよ。

 先生のお宅は、田園地帯にあります。ちょっと気をゆるめると、田んぼに脱輪しちゃいそうな道を通っていきます。そんな狭くてヒヤヒヤな一本道なのに、道の向こう側から対向車がやってきました。相手はライトバンです。にらみ合ったまま、両者一歩も引かずだったのですが、やがて運チャンが舌打ちをしながら、バックを始めました。

 「こっちがタクシーだと思って、譲らないんですよ。特に、看板背負っているタクシーには強気で来る奴が居るんですが…そういう奴なんでしょうね」と悔しそうでした。別に道を譲るくらい、いいやん。

 さて、先生のお宅にたどり着きました。妻がすでにレッスンをしていました。しばらく待っていると、私の番になりました。

 ハミングをして、発声練習なんですが…発声練習を始めると、ちょっとノドが痛いんです。

 ……そういえば、ノド風邪ひいていたっけ? 忘れてた(笑)。

 ちょっとノドがヒリヒリして、痰がからみやすいです。でも、それは最初だけ。先生に、発声を見てもらっているうちに、ノドのヒリヒリは消え、痰も出なくなりました。まあ、重傷ならともかく、軽度のノド風邪くらいなら、正しい発声をしていれば、ノドには支障が無いみたいです。

 ただ、ノドが腫れている分、ノドの奥が開きづらくなっているのは確かですが、ノドが腫れている分、力が入らずに脱力せざるをえないのは、むしろ良いことです。

 とにかく、ノドが痛いので、ノドで声を支えることでできず、自然とカラダで声を支えちゃいます。そのせいでしょうか、今日の私は、自分でも感心しちゃうくらい、なかなか良いお声でした。これなら、いつもノドが痛い方が良いかもしれません(爆)。

 とにかく、ノドの奥を開けること。しっかり腹筋で声を支えること。これらを重点的に指導してもらいました。

 「調子が悪い時は、調子が悪い時の歌い方が勉強できるチャンスなんですよ」 まあ、プロともなれば、ちょっと調子が悪いからと言って、仕事をキャンセルしていたら、次の仕事が来なくなってしまいますからね。調子が悪い時の歌い方って奴も、カラダに染み込ませておかないといけないわけで…まあ、私はアマチュアなので、そこまで頑張る必要はないのですが、Y先生は、何気にスパルタだったりするので(優しい顔して、とんでもない事、時々要求してきます)風邪引き程度では手加減してくれません。

 ノドの奥を開けての発声は…なかなか難しいですね。一音一音なら、なんとかノドの奥を開けて歌えても、それを連続して行なうのができません。音が変わったり、母音や子音が変わったり、とにかくクチのカタチがちょっとでも変わると、すぐに響きがなくなります。ああ、ダメな私です。

 「すとんさんは、しゃべるのが商売だから、どうしても普段から省エネでしゃべるんですね」と言われました。まあ、そりゃあそうかも。だって、数時間も連続してしゃべりっぱなしなんて、ザラだもんね。どうしても省エネ発声になるよね。

 「省エネでしゃべる人は、歌う時も省エネになるんですよ」 ここで言う“省エネ”と言うのは『クチを動かさず、顔の筋肉も使わず、腹筋も背筋も使わず、おまけに息すら十分に使わずに、しゃべっちゃう癖』のことなんです。実に楽に、うまい具合に脱力してしゃべるわけなんです。いや、脱力しすぎたまま、しゃべっちゃうんですよ。

 「すとんさんは、歌う時も、しゃべる時の癖が抜けずに、顔の筋肉を使わずに歌っちゃうんですね。それでは、深くて響きのある声は出ません。それはある程度、仕方ないです。と言うのも、歌っている時よりもしゃべっている時の方が、うんと長いのですから、歌う時に、しゃべりの時の癖が出てしまうのは仕方ないのですが、できるだけ、歌う時は、カラダのあっちこっちを使って歌うようにしてください」と言われました。

 つまり、私の場合、しゃべりがあまりに楽な感じでしゃべってしまうので、そのしゃべりのスタイルのままでは、さすがに歌にならないので、歌の時は、かなりあっちこっちに力を込めて歌っていた…のが、キング先生のところにいた時の私で、そこからあれこれ直して、力を込める癖を取った時に、残ったのが、しゃべる時の癖ってわけです。

 そうか、楽して歌えないから、なんとか歌声にしようとして、結局、それが原因で、今のようなノド声になってしまったわけか…。

 「すとんさんが、正しい発声を身に付ければ、ソぐらいまでは、楽に歌えるはずです。ソまでは楽に行ければ、そのままの発声でラまでは行けます。実際、そういう歌い方をするテノールはたくさんいます。だから、今のやり方でラまでは行けます。ラより上の音は、一つ一つの音のマスターが階段状態になっていますから、その一段一段を丁寧に昇っていかないといけません。それで、シやドが楽に出るようになると、お金をいただけるような声になれます」と言われました…が、まあ“お金をいただけるような声”になる前に、私の人生が終わっちゃう事は間違いないので、そんな心配とか期待とかなんて、する必要もないんですけれどね(へへっ)。

 でも、せめて、ラは楽に歌える歌手になりたいです。

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コメント

  1. すずめおばさん より:

    最近は風邪をひかれる方をあちこちで見ます。
    うちの息子も2~3日前から風邪です・・・。
    私は歌のために風邪はひかないように気を付けてますが、意外と喉に力が入らずに良い効果もあるのですねー!

    そういえば、声楽を習い始めてから、だんだん普段の話し方が変わりました。
    喉に力を入れたくないという気持ちが自然と加わって、裏声で話してる感じです。
    周りの人は、気持ちが悪いかもなーとか思いながら話してます(^^;)

  2. すとん より:

    すずめおばさん

     私も普段は風邪をひかないように気をつけていますが、ひく時はひくモンです。一度風邪をひくと、ズルズルと長引くのがイヤです。

     風邪はイヤですが、風邪などでしばらく歌わないでいると、それまで持っていた変な癖が抜ける事が多いので、長期休養は必ずしもマイナスとなるわけではなさそうです。今回の風邪で、しばらく歌わなかったせいで、声のポジションが以前よりも、自然と奥に入るようになりました。よかった、よかった。

     私は声楽を始める前と後で、話し方を変えるという事はありませんが、声は自然と変わってきたようです。以前から声は大きかったのですが、最近はそれに加えて、声の通りがとても良くなってきました。なので、普段はテレ~とささやき声みたいな感じで、きわめてボソボソとしゃべっているつもりですが、それでも声は十分に周囲に届いているようです。

     内緒話が一切できなくなりました(笑)。

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