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日本人はミュージカルが嫌い

 合わせて言うとオペラも嫌いな人が多いです。

 ご存じの方も大勢いらっしゃるとは思いますが、実は、ヨーロッパのオペラと日本の歌舞伎は、ほぼ同時代にユーラシア大陸の両端で生まれた総合音楽劇です。芝居と歌と舞踊が揃っていてスペクタルな演劇空間を作ります。そういう意味では、似たような傾向をもった音楽劇と言えるでしょう。ある意味、人類の文化の発展史においては、必然であり、先端であったと言えるでしょう。

 さて、現在主流の音楽劇であるミュージカルは、これらの3要素が高いレベルで楽しめる音楽劇です。一方、古典劇であるオペラは、演者が行うのは音楽と芝居が主で、舞踊はバレエダンサーという別の演者が担当する事が多いです。かたや、日本の歌舞伎では、演者は芝居と舞踊が主で、音楽は別の人達(お囃子さん)が担当します。

 そう考えると、音楽劇の発生の段階から、日本人は演者に芝居と舞踊だけを求め、音楽を重視していなかったとも言えます。その理由は…やっぱり音楽が苦手とか、嫌いとか、少なくとも好きではない…という性分があるからなんでしょうね。そう考えると、日本人のミュージカル嫌いって、もう遺伝子レベルで嫌い…なのかもしれません。

 一方、西洋人は演者が芝居と歌唱だけに集中して、舞踊を他の演者に委ねている事に我慢がならず、やがて1人の演者が、芝居と歌と舞踊の3つを同時に行う事を求めるようになり、オペラがミュージカルに発展していったのだと言えるでしょう。

 音楽劇に歌や音楽を求めない日本人と、歌も舞踊も芝居もすべてを求める西洋人の気質の違いって、大きいなあと思います。

 そう考えてみると、私なんかは、ミュージカルもオペラも(歌舞伎も)大好きなのですから、日本人としては、だいぶ偏屈で変態で変わった趣味趣向の持ち主…なのかもしれません。

 ま、人生なんて、楽しんだもの勝ちだから、それはそれで良いと思ってます。いやむしろ、多くの日本人たちが、オペラやミュージカルが楽しめないなんて、とても損をしているとすら思うのです。

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コメント

  1. オペラ座の怪人の怪人 より:

    本日の「日本人はミュージカルが嫌い」とは、
    直接の関係は「ない」ことを、以下、書かせていただきます。

    大昔Yahooの映画ユーザーレビューで、
    (Yahooユーザーなのだから、
    丸っきり知性が「ない」っちゅうことはないのだと思います)

    確か、ニコール・キッドマンの「ムーラン・ルージュ」のレビューで、
    こんなことを書いている人がいました、曰く(以下、レビューの抜粋)、
    全く下らない映画だった。
    主人公が往来のど真ん中で、突然、歌を歌いだしたのには、ビックリした。
    これだけでも、精神状態の異常な主人公だと思って、呆れたが、

    さらに呆れ返ったのが、たまたま、その往来にいた通行人数人が、
    歌にあわせて、一糸乱れずに、踊りを踊ったことだ。
    突然、練習もなしに、一糸乱れずに踊る、なんて、できるわけ、ね~だろ。
    リアリティゼロの「下らない」映画だった~。
    (レビューの抜粋、終わり。)

    ミュージカル(映画)っちゅうものを始めてみたのか?
    全く分かっていないのか?
    私は、これを書き込んだユーザーに、ビックリ仰天、呆れ返りました~。
    (前述の通り、Yahooユーザーなのだから、
    丸っきり知性が「ない」っちゅうことはないのだと思います)

    ヾ(・◇・)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ(・∀・)ノ

    (-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ

    おしまい

  2. すとん すとん より:

    オペラ座の怪人の怪人さん

     いるんですよ、オペラやミュージカルを始めとする“音楽劇”を楽しむリテラシーの無い方が! おまけにそういう人って、自分にリテラシーが無い事を自覚できないので、文句ばかり言うのです。

     分からないなら「分からない」、楽しめないなら「楽しめない」って言えばいいのに、自分にリテラシーが無いために、音楽劇全般を理解できず楽しめず、その結果、音楽劇を否定しディスるわけです。

     まさに“バカの壁”です。知性はあってもリテラシーが無いのです。

     でも、そういう人、特に日本人には多いように感じてます。とにかく、演者が歌い始めると、そこで思考停止し、罵詈雑言モードに突入するわけです。

     リアルでなければ演劇でないのなら「魔法使いのいる世界」も「巨大ロボがいる世界」も「鬼のいる世界」も、ファンタジーな話は軒並み「下らない」わけだし、それどころか演劇全般…俳優たちが舞台や映画で役を演じているのだってリアルではないのだから「下らない」ことになります。

     そういう人って、ドキュメンタリーにしか興味がないの? そんなわけないよね。普通に、劇中に歌さえなければ、映画もドラマも楽しんでいるわけで…って事は、歌を楽しむリテラシーだけが無いんだね。

     「好き嫌い」と「楽しめる楽しめない」とか「理解できるできない」は違うって事が分かっていない…と言うか「自分の理解できる世界だけが、この世である」と思っていて、そういう人って、他人がどう思うとか考えているとか感じているとかは、全く興味がないんだと思います。

     ってか“自分が知らない世界がある”って事が分からない程度の知性しか持っていないのかもしれません。まあ、そんな感じなんでしょうね。

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