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新国立劇場の「魔笛」を見た

 と言っても、直接現地に行ってオペラを見てきたわけではなく“新国立劇場デジタルシアター”という無料の配信サービスでオペラを見たわけです。サイトはこちらです。今回、私が見たのは、2018年シーズンに行われた「魔笛」です。

 スタッフ&キャストは以下の通りです。

 指揮:ローラント・ベーア
 演出:ウィリアム・ケントリッジ

 ザラストロ:サヴァ・ヴェミッチ(バス)
 タミーノ:スティーヴ・ダヴィスリム(テノール)
 夜の女王:安井陽子(ソプラノ)
 パミーナ:林 正子(ソプラノ)
 パパゲーノ:アンドレ・シュエン(バリトン)
 パパゲーナ:九嶋香奈枝(ソプラノ)
 モノスタトス:升島唯博(テノール)

 管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
 合唱:新国立劇場合唱団

 歌唱に関しては、全く問題無いです。良かったです(当たり前)。ちょっとだけ苦言を言えば、幾人かの声が…ちょっと若いかな?って感じた事です。オペラですから、役によって若い声が求められる事もあれば、年配者の声が求められる事もあるのですが、このキャストだと、全体的に声が若い方に偏っているような印象を受けました。特に、ザラストロとパパゲーノの声が…若いんです。逆にタミーノはもっと若さを感じる声でも良かったかな?って思ってます。

 まあ、そこは好みでしょう。あくまでも私の好みであって、好みを度外視すれば、実に素晴らしかったと思います。

 大道具は、ほぼほぼありませんでした。今流行りのプロジェクション・マッピングが多用されていましたし、それは効果的だったと思うけれど…プロジェクション・マッピングを使われると、総じて画面が暗くなりがちだし、投影する光が出演者にも映るので、正直、見づらいですね。これは2018年当時の映像なので、今はプロジェクション・マッピングも進化していて、そのあたりの問題が解決されているといいなあと思います。

 それにしても、これだけの公演を無料の配信で見せてもらえて、感謝です。

 新国立劇場のオペラって高額でしょ? おまけに、専用劇場なのに、ほとんどやっていなくて公演日が少ないために、チケットも入手困難でしょ? なので、私も二期会や藤原歌劇団の生公演は何度か見ていますが、新国立劇場に関しては、まだリアルでは見ていないのです。死ぬまでに一度でも見に行くことはできるのかしら?

 これは余計な事かもしれないけれど、新国立劇場は、二期会や藤原歌劇団とは違って、税金で運営されているのだから、外国人の歌手&スタッフばかり使わないで、もっと国内の人材を使うべきだと思うし、上演回数を増やして、入場料を下げていく必要があるんじゃないかと、無料配信を見せてもらいながら思いました。

 人材育成、大切だよ。日本にだって、良いオペラ歌手はたくさんいるんだよ。同じ税金を使うなら、外国からプロダクションを買ってくるのではなく、日本国内の人材を使って、国内でオペラ製作をする方向に税金を使った方がいいんじゃないかと思いました。

 今回の「魔笛」だって、外国人を使わずに、スタッフもキャストも全員日本人でも、立派なモノができたんじゃないかと思いました。同じ税金を使うなら、なるべく日本国内で日本人に対してお金を使う方向の方がいいんじゃないかって、私は思うのです。

 税金で運営されているのだから、もっと日本人のために税金を使って欲しいと思いました。

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