スポンサーリンク

「美しき水車小屋の娘」は中断する事にしました

 声楽のレッスンに行ってきました。
 今回はレッスン前に、ついに先生に「リートを歌うのを止めたいです」と言っちゃいました。もちろん、先生はビックリです。なので、慌てて「リートと言っても“水車小屋”を止めて、別の曲を歌いたいんです」と言い直しました。
 なぜ“美しき水車小屋の娘”(以下“水車小屋”と略)を止めたいと言い出したのか? その理由は「飽きと焦りと不満」です。
 飽き…は、文字通り“水車小屋”に飽きちゃったからです。だってもう、足掛け5年も学んでいるんだよ。なのに、まだ9番。全部で20曲あるわけだから、まだ半分にも到達していないわけで、この調子で行くと“水車小屋”を学び終えるまで10年掛かるわけで、その10年掛けて1曲を学ぶ(私の中では、連作歌曲集は1曲扱いです。オペラが4幕あっても1曲と数えるのと同じ感覚ね)事を考えたら、途端に嫌気が差して「ああ、もう良いや」って思ってしまったわけです。そう思うと、途端に心って離れるわけで、その心が離れた状態が、いわゆる“飽きた状態”なわけです。
 まあ、そんなに時間が掛かってしまうのは、私の力量不足が原因なので仕方ないと言えば仕方ないのですが、仕方ないと思った途端に心が離れてしまったのです。
 焦り…ってのは、ここ数年、歌曲に関しては、ずっと“水車小屋”だけを歌ってきたわけだけれど、世の中にはまだまだ私が歌いたい歌曲はたくさんあるわけで、でも人生は有限たから“水車小屋”に関わっている間に、私の人生が終わってしまったら悔やんでも悔やみきれないという思いにかられたわけです。これが“焦り”だね。つまり「“水車小屋”以外の歌曲も歌いたいのに歌えない(涙)」という気分になってしまったわけなのです。
 不満…と言うのは、まあ最初からありました。それは“水車小屋”を中声用の楽譜で学んでいる事です。この件については、頭では理解しています。ドイツリートを学ぶ事で、ドイツ語歌唱を学び、中音域の充実を図り、高音発声以外の歌唱テクニックを磨くという目的があったわけです。だからあえて高音を避けるために中声用の楽譜で学ぶ事に決め、高音発声に関しては、同時に学んでいるイタリア・オペラのアリアを歌う方でやっていきましょうって事になっていました。で、その事については、理解もし納得もしていたわけですが、やはりそれを数年に渡ってやり続けるというのは、精神的にちょっと厳しかったです。頭で分かっていても、心からは受け入れていなかったわけで、まあ、簡単に言っちゃえば「我慢にも限界はある」ってところでしょうか?
 そんなわけで、先生に「“水車小屋”を止めたいです」と伝えたわけです。皆まで言わないうちに、先生は受け入れてくれました。
 まだまだ歌曲を学び続ける必要はあるけれど、別にドイツリートにこだわる必要はないので“水車小屋”を止めて、イタリア歌曲に戻してもいいとまで言ってくれましたが、別にドイツリート全般がイヤになったわけではなく“水車小屋”に飽きてしまっただけなので、ひとまず“水車小屋”は今歌っている9番で中断して、その次からは別のリートを歌いましょうと提案しました。
 ならばいっその事、9番はもう止めて、次回から別の曲を歌いましょうと言ってくださり、そういう事になりました。
 で、次の曲は何にしましょうか?という話の中で、私の強い希望で「Der Tod und das Maedchen/死と乙女」を提案し、これに決定にしました。先生は、かなり嫌な顔をされましたが、やはり好きな曲を歌いたいので、わがままを言わせてもらいました。
 どんな曲かと言うと、こんな曲です。
 はい、全くテノール向けの曲ではありません。バリトンの方が歌う事が多いのですが、おそらくはバスバリトン~バスを想定して書かれたのではないかと思われる曲です。この音源では、ミルコ・パラッツィというバス歌手が歌っています。
 なにしろ、この曲、どの声種であっても、原則的に移調せずにニ短調で歌う事が通例とされていて、死神の歌うフレーズの最後の音がD3(ト音記号で言えば、五線の下に下線をたくさん付けてはみ出るレ)と表記されています。男声が歌うなら、実音ではD2ですよね(汗)。D2ってのはバスの最低音で、バリトンが歌う時は、1オクターブ高いD3として歌います。
 そんな低音で決める感じの曲なので、まず知性派のテノールは歌いません。プロならマネージャーが止めます。なにしろ、D2を回避してもメロディにA2(五線の下にはみ出るラ)があって、こっちは回避できませんからね。A2ってのは、合唱バリトンの最低音です。テノールの下限はC3(低いド)なので、テノールの音域からだいぶ下に、はみ出ちゃっているわけで、そういう意味でも、この曲はテノール向きの曲ではありません。しかし、それでも多くのテノール(特にアマチュア)は知性とは縁遠いので、下限からはみ出ていても、曲自体がカッコいいため「これ、歌いたい」と思うものらしく、案外皆さん、果敢にチャレンジします…D2に(笑)。で「やっぱ、俺には無理だわ」と諦めて、しぶしぶD3で歌うみたいです。D3にすれば、低いは低いですが、ひとまずテノールの守備範囲に入りますからね(それでもA2問題は解決しません:笑)。
 私が思うに、この曲は、低音が出る出ない以上に、死神パートをいかにイケボで歌えるかが鍵なんじゃないかな?って思ってます。そういう意味でも、イケボじゃない私には無理めな曲ですが…でも、死ぬ前に一度は歌ってみたい曲なんだよね。
 次回のレッスンまでに、この曲の譜読みを終えて準備すると同時に、この曲の次に歌う曲を決めるために、初心者用のドイツリート集を用意して、先生に選曲してもらう事になっています。
 そんなわけで「美しき水車小屋の娘」はひとまず中断する事にしました。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。

にほんブログ村 クラシックブログ 声楽へ

にほんブログ村

コメント

  1. おぷー より:

    もっと美しい曲を選んだら如何でしょう。
    シューマンだったら、Die Lotosblume 蓮の花とか、ブラームスのWie Melodien zieht es mir 歌の調べのように とか。
    テノールなので、美しいメロディラインの曲をおすすめしたいです。

  2. 如月青 より:

    「水車小屋」好きには残念です。
    この曲集、音域はそう広くないのですが、(私見ながら)シューベルトの中でも特に「少年度」が高いので、低めの音域でも響きを明るく高く保つのが大事かな、と(自分にとってはそこにつけいるスキがありそうにみえるのですが)。中声用を使われていたのはその意味でではないでしょうか。
    とはいえ、表現という側面では、「オトナ」になってしまうともうついて行けない世界かなあ、とも思うので、そのあたりで引っかかる人も多いと思います。
    その点、「死と乙女」、「死」は大人的にカッコイイですよね、でもご指摘のとおり低!女声には無理でしょうか。乙女パートを女声、死のパートを男声、といった演出があったら面白いかも。
    話は変わりますが、犬の飼い方のご意見、全く同感です。元来屋外で生活するようにできている動物を屋内に閉じ込める方が「虐待」では?屋外に居場所が作れないような環境しか用意してやれないなら、犬など飼ってはいけない、と常々考えています。

  3. すとん より:

    おぷーさん
     今回の「死と乙女」は完全に私のワガママで、次回からちゃんとリートの勉強をするので、そこまでの“ツナギ”なんです。まあ、歌いたいから歌わせてもらう…って感じです。
    >テノールなので、美しいメロディラインの曲をおすすめしたいです。
     そうそう、今後はメロディが美しい曲を見繕って歌っていきたいと思ってます。ちなみに、シューマンはとてもとても歌いたいのですが、先生から禁じられています。ブラームスは…今度言ってみます。

  4. すとん より:

    如月青さん
     「水車小屋」はマジで飽きちゃったのです。しばらく他の曲を歌ってから、また取り組むかもしれませんし、もうやんないかもしれないし…ってところです。何しろ、人の寿命は短く、歌いたい曲はいくらでもあるわけですし…ね。
     それにドイツ歌曲は、今まで関心が無かったこともあって、どんな曲があるのかすら、よく知らない感じなので、これから色々と勉強しながら選んでいきたいと思います。
     それにしても、犬って外で飼うものですよね。彼らには“番犬”という役目があるわけで、その番犬は外にいないとダメだよねえ…なんて思う私なのです。もっとも、だからと言って、室内飼いを否定するつもりは全くありません。家の中でも家の外でも、ちゃんと飼ってやれば、それでいいと思ってます。

タイトルとURLをコピーしました