スポンサーリンク

クチは縦開きって何度も注意されているけれど…

 時計の針を約一ヶ月ほど戻して、3月下旬の話をします。ひとまず、声楽のレッスンの話をしましょう。

 まずは発表会の日程と場所が決定した事をお知らせします。

 もっとも、まだ日程と場所が決まっただけで、参加メンバーも決まらず(何しろ、当門下の発表会は希望参加制ですから、これから参加者を募るわけです)、そのコンセプトもまだ決まっていてません。人数次第では、昨年同様にオペラのハイライトをやれるといいのですが、まずは人数が集まるかどうか、そして、集まったメンバーたちがオペラ上演を望むかどうか…、そこが問題です。まあ、私と妻は発表会に参加しますし、できればオペラを歌いたいと願っていますが、こればかりは皆さんの意見もあるからなあ…。とにかく、もう少し詳細が決まったら、ぼちぼちとお知らせしたいと思います。

 さて、今回のレッスンは3月下旬に行われたレッスンだったのだけれど、その前のレッスン(3月上旬のレッスンだね)では、実は私、珍しい事に声楽のレッスンをお休みしてしまったのです。フルートのレッスンは曜日や仕事の関係もあって、よく休む私ですが、声楽のレッスンは、そういう忙しい日を避けて、レッスン日を、その都度設定しているので、めったに休む事はないのですが、今回は、レッスンの少し前にひどい風邪をひいてしまって、レッスン当日は声が全く出なくなってしまったので、やむなくレッスンをお休みしてしまいました。

 ですから、今回のレッスンが、ほぼ一月ぶりのレッスンだったわけです。

 もっとも、風邪は治っても、花粉症が真っ盛りの時期だったので、ノドは腫れに腫れている状態で、自宅練習もままならぬ状態だったし、公私共に忙しい最中の時期だったので、ほんと、練習不足のままで迎えたレッスンでした。ちょっと前まで熱心にやっていた腹筋の練習も、そんなに一生懸命に呼吸をすると、花粉症が悪化すると思い、練習をサボっていたくらいなので、ノドは腫れているは、カラダは緩んでいるは…という、どうにもこうにもこうにもな状態でのレッスンだったわけです。

 なので、今回の発声練習は、いつもの倍以上の時間をかけて、ゆっくりと丁寧に行われました。いや、発声練習とは名ばかりで、ほぼ呼吸関係の筋トレ状態でした。いやあ、キツかった。

 私には、歌っている時にクチが横開きになるという悪い癖があるわけですが、なぜクチの横開きがダメなのか? それは、クチを横開きにして発声すると、声が平べったくなるからです。平べったい声は、日本語の発声には適していますが、歌の声としては、あまり適していません。特にクチを横開きにして、浅い響きで歌っていると、音程の幅も狭くなりがちです。音程の幅は広い方が歌うのに楽だし、音程の幅の広い声ってのは、結局、深い声なわけですから、聞く方も心地よいわけです。

 歌う側の音程問題を楽にし、聞く側も心地良いのが、クチを縦開きにして歌う事なのです。しかし、クチを横開きにして得るものだってあります。一つは自然な日本語の音韻を使いやすい事と、高音が多少出しやすくなる事です。

 私の場合は、無意識のうちに、高音を出しやすくしようとして、クチを横開きにするようです。と言うのも、中音を歌っている時は、きちんと縦開きなのに、高音に移行すると、無意識でクチが横開きになるからです。これって、意識していないのに、カラダが自分なりに高音に備えてしまっているわけです。クワバラクワバラ。

 もちろん、クチを横開きにして高音を出すのは、声楽テクニックとしてはアリなのですが、同時に注意も必要です。と言うのも、口を横開きにして高音を出しても、先はないのだそうです。つまり、口を横開きにして高音を出すのは、あくまでも最終手段であって、日頃からこれを乱用しては歌がうまくならないって事です。

 という訳で、発声練習も終わり、次はいよいよ歌曲の練習に入りましたが、その前に、現在歌っている、カッチーニの「Amarilli/アマリッリ」(イタリア古典歌曲)は、今回でひとまず終わりにして、まずは次に取り組む曲を決めましょうって事になりました。

 色々と候補は上がりましたが、最終的には、ティリンデッリ作曲「O Primavera!…/春よ」にしました。理由は…今の季節の曲だから、今じゃないと歌えないから…です。いやあ、だいぶ前からこの曲を歌いたいと願っていたのだけれど、いつもいつもそれを思いつくのが、春じゃない季節だったので、言いそびれていたわけです。

 でも、今は春なので、堂々とお願いしちゃいました。

 知らない人のために音源を貼っておきますね。

 画像も音声も、あまり良くないですが、パフォーマンスはなかなか良いでしょ? これ1987年のカルロ・ベルゴンツィの東京リサイタルからの音源です。良いですね~。この曲は、YouTubeにアップされた音源に限らず、コンサートなどでも女性歌手(ってかソプラノ歌手)たちによく歌われる曲ですが、歌詞の内容を考えると、若い男性(って事は声的にはテノール)が歌うのがふさわしいと思うのですが…別に歌曲だから、歌の主人公と歌手の性別や年齢が一致していなくても良いので、まあ、ソプラノが歌っても全然問題ないのですが…ね。

 とにかく、いい曲でしょう?

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村 クラシックブログ 声楽へ
にほんブログ村

コメント

  1. ショウ より:

    お疲れ様です!
    ブログ再開待ってました!

    なかなか1ヶ月練習しないと支障が出るもんなんですねー

    ところで、前の記事のシンギングフォルマントについて気になることがあるんですが、このシンギングフォルマントは、鳴りと響きという二つの要素でいうと響きの方に入ってくるんでしょうか?

  2. アデーレ より:

    そうそう、口を縦に!大概の先生に同じ事言われます(笑)基本、どの母音でも口を縦に、ですかね?ひょっとこ口でずっと歌えばいいんですか?って感じですが、あまり口を突き出してもダメなんかしらん。。テレビでたまに見るバリトンの方、凄いお口がメガホンのようなんですが、見た目はイマイチだけど、声量はダントツですから、見た目はイマイチも(笑)、ソプラノの私も試してみようかな(笑)

  3. すとん より:

    ショウさん

     シンギングフォルマントとは、3,000Hz付近に生じる倍音の事です。かなり高い音です。ピアノの一番高いAの音がそれくらいになるそうです。もちろん、それ自身は倍音であって、鳴りとも響きとも違うものですが、鳴り中心の声は倍音がたくさん出るわけですから、感覚的には鳴りの方に分類してもいいかなって思ってます。

  4. すとん より:

    アデーレさん

     クチの縦開き横開きは、頬の筋肉の使い方やアゴの落とし方の違いだと思います。

     一方、お口がメガホンってのは、クチビルの筋肉の使い方なんですよ。ですから、理想は“クチは縦開き、クチビルはメガホンのように突き出す”んです。実際、私もクチビルはメガホン…と言うか、トランペットのようにしなさいと注意されます。テノールの声は楽器に例えるとトランペット的な位置づけらしいです(音域的にはトランペットより1オクターブほど低いのですが…)。

     実際、クチビルをラッパのようにすると、声量増えますし…ね。

タイトルとURLをコピーしました