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当日リハーサルは散々だったんです…発表会 その1

 いよいよ、その日がやってきました。はい、声楽の発表会に行ってきたんです。

 『ひと言』などでは、ちょっと書きましたが、私、発表会の数日前まで風邪ひいて寝込んでました。バカですねえ~。二年連続です。昨年も発表会直前に風邪をひいて、ノドを思いっきり腫らしてしまいました。それに懲りて、今年は健康に気をつけていたつもりですが、またやっちまいました。

 もっとも、今年はヒドくなる前に、あれこれあれこれ手を打ったので、そんなにひどい状況にはならず、3日ほど寝込み、発表会の前々日には布団から出ることが出来ました。風邪ひき中も話声的に不自由していませんでしたので「今年も風邪をひいてしまったけれど、大事に至らずに済んでよかったなあ」なんて思ってました。で、発表会前日に、声出しをした時は「まだ、中音域の高い音が割れるし、高音はまるっきり出ないなあ…」と思い、さらにもう一日声を休めて、発表会当日を迎えました。

 発表会の朝、家を出る前に発声練習をした時も「ううむ、中音域が鳴りづらいなあ。高音もうまく出ないなあ…。朝だし、仕方ないか」と軽く考えていました。

 まあ、確かに、朝は朝だったんだけれど、その前日まで風邪で寝込んでいたんだから、もう少し考えておくべきだったんだと思います。響声破笛丸だって持っているし、アズレンのスプレーだって持っているし゛いやいや、マスクぐらいして家を出ればいいのに、何も考えずに、何の手当もせずに、ゴホンゴホン咳をしながら「あ~、なんかノドが渇くなあ(ノドが腫れていると、渇いているような気がします)」とつぶやきながら発表会に向かいました。私がやった事と言えば、ちょっとアタマとノドが痛むので、ノド飴をなめていた程度です。

 もう少し考えて、手を打てよ>自分。まさに、後悔先に立たずですよ(涙)。

 で、そんなバカな私ですが(先生方を除いて)会場に一番乗りをしました…ってか、リハーサルが一番早かっただけなんですけれどね(笑)。とにかく、リハーサル開始45分前に会場入りし(それ以上早く来るなと先生に言われてました:笑)、楽屋に荷物を置いて、さっそく舞台に行きました。リハーサル開始前に舞台に行って、二重唱の時の演技の動きの確認をしないといけないからです。

 かなっくホールって、もちろん客として行った事は何度かありますが、ここで歌った事はないので、案外、色々なことを知らないものです。

 ここのホールは、すごく音響がいいですね。声楽には大助かりです。無理せず楽に発声しながら、ホールの隅々まで声が届きます。良いです。

 舞台と舞台袖は、カーテンではなく扉で仕切られています。ですから舞台の出入りに扉の開閉が必要なんですが、舞台側には何の手がかりもないので、扉の開閉は舞台袖にいる人がやらないと…舞台から袖に引っ込む事ができません(笑)。もちろん、舞台に出る時も、扉は自動では締まりませんから、袖にいる人が扉を閉めてくれないと、いつまでも開いたままになってしまいます。なんか、舞台と袖がカーテンで区切られているホールよりも面倒くさいです(笑)。その分、遮音性はカーテンよりも良さそうなのは、舞台袖に引っ込んでいる人間的にはうれしいかもしれません。

 楽屋は舞台袖の上の階にあって、行き来は原則、エレベーターを使います。ちょっと面倒臭いです。

 楽屋は、なかなか機能的で便利です。何より気に入ったのは、楽屋の中にトイレと洗面所がある事ですね。ホールによっては、楽屋の中にトイレがないところも多いです。それでも、楽屋がお客の動線とは区切られていて、出演者専用の共同トイレが用意されているところは、まだマシです。時々、楽屋側にトイレがなくて、客も出演者も同じトイレを使うようになっているホールもあります。まあ、我々素人の発表会程度なら、それでもいいのですが、ちゃんとしたプロの演奏会をする時は、どうするんでしょうね? 休憩時間にトイレに行って、出演者さんと連れションになったら、挨拶とか、どうしたらいいんでしょうね? 「頑張ってください」とか声をかけてもいいのかな? それ以上に、用をたしている時に握手を求めてもいいのかしら?

 今回、我々の発表会では、楽屋を3つ確保し、男性楽屋、女性楽屋、声出し部屋にしてもらいました。男性楽屋と声出し部屋は普通に狭いタイプの楽屋でしたが、女性楽屋はかなり広くて快適だったそうです。そうそう、声出しの部屋を確保してもらうのって、とても有難いんですよね。

 閑話休題。楽屋に荷物を置いた私たちは、さっそく舞台に行って、あれこれ確認を始めました。まずは、舞台の広さの確認です。ピアノの位置を確認し、客席からの舞台の高さを確認します。声を出してみて、どれくらい響くかも確認します。二重唱は演技を付けますので、実際に歌いながら動いてみると…事前に考えていたようには、うまくいかない部分も出てきますので、当日のこの段階で変更するところも当然出てきます。今回で言えば、妻がピアノの後ろに隠れるのを止め、曲の途中で舞台袖から出てくる事にしたので、そのあたりを変更しなければいけなかったし、歌っている時の二人の立ち位置とか、目線とか、基本的な演技プランの確認とか…あれこれあれこれ確認しないとといけない事がたくさんあります。

 もちろん、リハーサル前の舞台を私たちだけで専有するわけにはいきませんし、やがて他にも舞台を使いたそうな人がやってきたので、程良い所で切り上げて、舞台を譲り渡しました。

 で、しばらく休憩をしているうちに、ピアニストさんがやってきて、リハーサルの時間になりました。

 まずは、それぞれのソロ曲からリハをはじめました。リハと言っても、そんなに時間があるわけではありません。一人の本番の持ち時間が7分なのに対して、リハの時間は一人8分ですから、基本的には一回通して歌い、先生からひと言いただいて終わりです。返す時間すらありません。

 ピアニストさんに挨拶をして、モーツァルトのリハから始めました。

 歌い出したところで、いきなり歌とピアニが合いません。私が歌いたいテンポとピアニストさんの弾きだしたテンポが違いすぎて合わなかったんですね。ピアノ合わせの時にも「少し早目のテンボでお願いします」と言っておきましたが、本番当日は、その時のテンポよりも、もっと速いテンポで歌いたかった私なんです。後から考えると、体調の悪さもあったんだと思います。で、無意識にテンポを速くしたくなったわけです。

 ほんと、歌手って、わがままですよね。

 ですから、演奏を一度止めて、ピアニストさんに向かって、手拍子を取りながら歌ってテンポを指示しました。ああ、なんて偉そうな事をしちまったんだろう。相手は現役ピアニストにして大学の先生だよ。もう、プロ中のプロですよ。こちとら人生後半戦の素人歌手なのにね…でも、私の舞台なんだから、遠慮は無用ってわけで、偉そうにやっちゃいました。

 案の定、テンポを速めたところで、どうにかなるものではありませんでした。息は滞っているし、声はボトボト下に落ちてしまうし、それ以前に音がぶら下がる…どころではなく、明らかに音程はずしまくっているし。いやあ、ヒドい。この時の録音は取ってあって、後で聞きましたが、思わず耳を塞ぎたくなりました。自分では無自覚でしたが、あきらかに風邪は治ってませんね。絶賛、風邪ひき中の声です。ノドも相当に重かったはずですが、当日は、舞い上がっていて、それすら分かっていなかったみたいです。自分では「あれ? なんか変だな」程度にしか感じていなかったんですが…録音を聞いてみたら…こりゃあダメじゃんって感じでした。

 ドニゼッティの方は…まだリハという事もあり、演技の方は動きの確認程度で軽く流してみました。録音を聞くと…かなりヤケになっているように聞こえます。軽く流して歌っているつもりでしたが、かなりむりやりに歌っているように聞こえます。ううむ、歌っている感じと、聞こえる声って、こんなに違うんだね。

 ひと通り、通して歌ったところで、Y先生からは「色々ありましたね…」とアバウトな感想をいただきました。いやあ、あまりに色々ありすぎて、本番当日だし、もう注意のしようがなかったんだと思います。

 自分でもリハがうまく行かなかった事は感じていましたので、なんか凹んでしまいました。リハの時間を1分ほど余らせたまま、リハを終了しました。F先生から「もういいんですか?」って言われちゃいましたが、いいんです。これ以上歌っても凹むだけですからね。K先生からは「本番までに修正すればいいんだから…」と暖かいひと言をいただきました(これでどれだけヒドいリハだったか、想像できるでしょ)。

 とにかく、このままではマズすぎるというわけで、妻と二人で、さっそく声出し部屋に向いました。

 続きはまた明日アップします。

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コメント

  1. milky より:

    すとんさん、風邪のお陰(?!笑)で舞台裏ではだいぶ苦労されていたのですね・・・だけど、すとんさんのおっしゃる様に『かなっくホール』は音響が優れていたのか、風邪で調子の悪さを感じさせないくらい良い出来映えでしたよ。確かに高音がつらそうな時もありましたが、ご愛嬌の範疇です。私もフルートの発表会の時に風邪をひいたり口唇炎になったりでフラフラの時がありましたが、前日に内科に駆け込み「点滴を打って欲しい」とお願いした事があります。人によると思いますが私の場合は点滴がよく効きました♪

  2. すとん より:

    milkyさん

    >風邪で調子の悪さを感じさせないくらい良い出来映えでしたよ。

     それは本番の話ね。本番は立て直したんですよ(そのあたりの話も記事に書きます)。ほんと、リハはヒドかったんですよ(涙)。

     まあ、舞台の上では平気な顔をしていても、舞台裏ってのは、ヒッチャカメッチャカだったりするものです(笑)。でも、そんな舞台裏の事を微塵も思わせずに、立派に本番を勤めあげるのが、一人前の舞台人…なんだろうと思いますが、私とは縁遠い世界の人たちの話だったりします。

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