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フルートは独学で吹けるようになるのか?

 よくネットでは「◯◯(楽器名)は独学できるだろうか?」という命題が定期的にアップされます。その結果は、その楽器の特性や、その記事を書いた方の信条で、まああれこれあるわけですが、私も今回はそういう風潮に乗っかって記事を書いてみようと思いました。

 さて、表題の「フルートは独学で吹けるようになるのか?」の回答ですが、私的には 「全然OK、問題無し」となります。

 もちろん“吹ける”の想定をどのレベルに置くかによって答えが変わったり、奏者の年齢とか教育レベルをどこに置くかでも答えは変わると思いますが、ひとまず私はそれを…

 吹ける…は、ジブリ映画の主題歌のメロディーを無伴奏で吹ける程度。
 奏者に関しては…子育てを終えたばかりの、音楽の専門教育を受けたことのない主婦たち。

 …と想定しています。

 まあ、ジブリ映画うんぬんは、誰でも知っているメロディーを吹けるって事で、誰でも知っているという事は、楽譜がちゃんと読めなくても、楽譜を見て音が拾える程度の読譜力があるって事だし、無伴奏で吹けるというのは、自分の好きなテンポやタイミングで吹けるって事で、つまりアンサンブル能力に関しては問うていません。だから、そんなに高度な“吹ける”レベルを想定しているわけではないし、いわゆるアルテで言えば、一巻の中ぐらいの力量を想定しています。

 つまり、趣味で好きな曲のメロディーを吹いて楽しめる程度の演奏力を想定しているわけです。

 奏者に関しても“子育てを終えたばかり…主婦”と言うのは、若者ではなく、音大卒ではなく、普通教育を普通に受けた、比較的練習時間に恵まれた人を想定しています。もちろん、フルート大好きで熱心である事は大前提ね。

 こういう想定の元ならば、楽器と初心者向けの教則本があれば、おそらく独学で吹けるようになると思います。

 心配な点としては、音が出せるかどうか…かな? 音出しって、フルート学習の、入門期における最難関な課題ですからね。ここをクリアできるかはさすがに心配ですが、ここさえクリアできれば、おそらくフルートは独学で吹けるようになると思います。

 逆に言えば、誰であれフルートの音出しに関しては、苦労する人は苦労するわけで、先生に付いていたってダメな人は全然ダメなのが、フルートの音出しなわけです。もちろん、先生についていれば、苦労している時に多少のアドヴァイスはいただけるでしょうが、先生がいてもいなくても結局やるのは自分なのだから、独学で先生がいないと言っても、音出しの習得に関しては、極端に不利であるとも言えないだろうと思ってます。フルートの音がスムーズに出せるかどうかは、才能の有無とトライ&エラーの繰り返し…で、自分にベストなやり方を見つけられるかどうかって話なのですから。

 フルートは独学可能だという良い証拠としては…若い人の話になるけれど…中学校の吹奏楽部に未経験の新入部員が入部してフルートを初めて学んでも、きちんとした指導者もいなくて、実質的に独学状態でほぼ4ヶ月ほど学んで、それでコンクールに出ちゃったりする人もいるわけです。まあ、若さがあってこそという部分はもちろんありますが、これって独学でも全然OKって事の証拠じゃないかなって思います。

 まあ実際問題、いくら若いと言えども、コンクール出場と言ったところで、演奏中はあっちこっち落ちまくりであまり上手な演奏とは言えないかもしれないけれど、それでもその子のレベルで立派に演奏しているわけだしね。まあ、吹ける…って感じなんだろうと思います。

 オトナだと4ヶ月でコンクール出場レベルにまで上達するのは難しいかもしれませんが、そのレベルに達しなくても、ある程度の期間、真面目に学べば、そこそこのレベルならば、独学でイケちゃうのがフルート…だろうと私は考えています。

 なので「フルートは独学で吹けるようになるのか?」という問いに関しては、そこそこのレベルならば、問題なく独学で吹けるようになりますって言っちゃいます。

 だいたい皆さん、小学校~中学校でリコーダーを勉強しているじゃないですか? フルートを始めようなんて思った人は、たいていリコーダーが吹けるはずでしょ? あのリコーダーって楽器、実はフルートの親戚な楽器なわけで、リコーダーが吹ける人がフルートを吹けないはずはないのです。

 問題は、アンサンブルであったり、あるいは人前で演奏できるほどの腕前を身につけるには、独学だけで十分かと言えば、それは不十分なわけで、先生がいるに越したことはないって事です。

 アンサンブル能力を磨くには、実際にアンサンブル仲間がいて、経験を積んでいかないと上達しないし、人前で演奏できる腕前になるためには、がんがん人前で演奏していく経験を積んでいかないといけないわけで、独学ではなかなかそういう経験を積んでいくのが難しいので、ある程度以上の上達を望むなら、先生について学んだり、音楽仲間を作って活動していかないと…独学だけではきびしいだろうという事を、最後に書いておきたいと思います。

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コメント

  1. まきりん より:

    すとんさん、お久しぶりです。
    いつも読み逃げでごめんなさい。

    今日久々にコメントしたのは、本文に全然かんけいなくて…(ごめんなさい)
    デニスブリアコフのコンサートに行って来たんです!
    そうです、ブリアコフ氏アルタスフルートを使ってるんです。
    もう、魂ぬかれました、CPEバッハの無伴奏。
    思わずCD買ってしまって、サイン、&握手〜。
    若くてイケメンの手を握るなんておばちゃん千載一遇のチャンスを逃すはずはありません!←ばか。
    日常がハードなだけに、夢の様な時間を過ごす事ができました。

    すとんさん、お忙しそうですね。お体ご自愛ください。

  2. すとん より:

    まきりんさん、お久しぶりです。

     おお、ブリアコフ氏ですか、うらやましいです。

     ブリアコフ氏は、以前は録画でしたが、メトロポリタン歌劇場でフルートを吹いていたので、よく見ていたのですが、最近、彼はメトロポリタン歌劇場を辞めてしまって、たしか今は…ロサンジェルス交響楽団だっけ?…に移籍してしまったため、めったに見ることができなくなってしまったのです。

     そんな、録画ですらなかなかお目にかかれないブリアコフ氏の生演奏? ああ、うらやましすぎます。

    >すとんさん、お忙しそうですね。お体ご自愛ください。

     はい、仕事が忙しいのもありますが、やはり体力がめきめき衰えているのを自覚しています。もう若い時のようにガムシャラに働くことはできないのだなあ…と痛感している毎日です。

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