今回の記事は、ある方からメールをいただいたのがきっかけです。まあ、この方は、実にあっちこっちの方々に同様なメールを送っているようですが…(苦笑)。
それさておき、アマチュア音楽家が人前で演奏を披露するという状況を想像してみてください。
フルートならば、無伴奏での演奏ってのがありますので、必ずしも伴奏者が必要というわけではないでしょう。でも、無伴奏で演奏するのって、聞いていて寂しいし、1曲2曲ならともかく、それなりの曲数を一度に演奏するとなると、すべてを無伴奏曲ってわけにはいきません。そんな事をすれば、どうしてもプログラムの単調さからは免れませんし、音楽的な広がりもありません。そうなると、やはり、伴奏者をお願いすることに越したことはありません。
合唱も同様です。無伴奏での合唱も良いですが、やはり伴奏ピアノがあった方が音楽の幅が広がります。
声楽となると…伴奏無しはありえません。必ずピアニストを帯同しての演奏とならざるを得ません。
つまり、いくらアマチュア音楽家とは言え、人前での演奏を前提とするならば、伴奏者を必要とするでしょう…ってわけです。
となると、どうやって伴奏者を探して依頼するかが問題となります。
おそらく、合唱の人たちは、普段の練習時から伴奏ピアノは必要ですから、普段伴奏をしてくださるピアニストさんにお願いするだろうし、それがダメでも、ピアニストさん経由で、別のピアニストさんを紹介してもらうという事できますし、合唱団の場合なら、指導をしてくださる先生がいらっしゃるだろうから、その先生経由でピアニストさんを紹介してもらえばいいのです。
どちらにせよ、合唱は人が集まって音楽をやっているわけですから、誰かしらピアニストのアテがあったりするわけで、それほどピアニスト探しに苦労はしないと思います。
問題は、個人で活動しているアマチュア音楽家の場合ですね。
クラシック系のフルートや、声楽を学んでいる人は、基本、普段は一人で活動していると思います。門下の発表会等なら、伴奏者は先生が用意してくれるでしょうから、特に問題ないでしょう。問題となるのは、個人で何かの演奏会(例えば私なら、クラシックコンサート)に参加したり、慰問活動をしたり…って場合です。つまり“私”が個人的に伴奏してくれるピアニストさんを用意しないといけないって場合です。
そんな場合に、あなたならどうしますか?
私は…別に慌てません。一応、お願いできるピアニストさんは二人確保していますので、まずはそのお二人のどちらかに声をかけさせていただきます。もしもそのお二人がダメでも、まだ他にもプロアマ問わずピアニストさんの知り合いはいるので、そういう方々に声を掛けてみることも出来ます。
でも、皆が皆、私のようにピアニストさんの知り合いがいるわけじゃないですね。
ピアニストさんに知り合いはいないけれど、ピアニストさん急募!って方は、どうすればよいのでしょうか?
どこかにピアニストさんを斡旋してくださる方はいないのでしょうか? まあ、私なら、ダメ元で近所の音楽教室やピアノ教室に問い合わせてみると思います。ほとんどの方は、どこの馬の骨とも分からないようなオッサンからの仕事の依頼なんて断ってくるでしょうが、中には物好きな方もいらっしゃるかもしれませんからね。それでピアニストさんを見つけられればラッキーです。
でも、そんな片っ端から問い合わせしてみるような勇気を持ち合わせない人もいるかもしれません。まあ、その程度のハートの強さが無い人が人前で演奏を披露するとは考えづらいのですが、仮にいたとします。知らない人に、いきなり問い合わせするなんて無理!って思ってしまうわけですね。
そういう人はどうするのでしょうか? 今はインターネットの時代ですから、ネットを利用して探すかもしれません。
そこで記事の冒頭に書きました、ある方からのメールです。普段の私は、その手のメールをいただいても無視をするのが普通なのですが、今回は、ちょっと興味が沸いた事と、こうやってブログネタにもできたので、例外的に、そのサイトをご紹介したいと思います。
“伴奏者募集広場”というインターネットのサイトがあります。
ここは、その名のとおり、伴奏者を見つけるためのサイトです。伴奏したい人と伴奏してもらいたい人を取り持つサイトです。ま、健全な出会い系サイトと言えるかもしれません。
用途としては、一応、音楽コンクール等の、マジだったりガチだったりするような時にピアノ伴奏を依頼できる、本物のピアニストさんを紹介してくれるサイトです。仕事の依頼の方法は、サイト経由でピアニストさんに直接メールで依頼するカタチです。こんなやり方で、サイト運営者は儲かるのかしら?
まあ、一応、マジガチ系の仕事を前提としているようですから、アマチュア音楽家には無縁なサイトに思えますが、相手のピアニストさんはプロですから、依頼のやり方と謝礼の取り決めさえ、ちゃんとしておけば、もう少し緩い感じのお仕事であっても、依頼できるんじゃないかな…なんて思います。アマチュア音楽家であっても、そこんとこさえきちんとしていれば、それほどマジガチ系の仕事でなくても、依頼するのは可能だと思うよ。
それはさておき、このサイトの良いところは、明朗会計な事かな? 音楽関係の仕事って、口約束も多く、多くは信頼関係で成り立っていたりするので、金銭的にアバウトだったりする事もあり、その業界の人間ならともかく、門外漢から見れば、寿司屋で時価の寿司を頼むような怖い感じはしますでしょ? でも最初っから明朗会計ならば、安心してお願いできるし、こちらの予算に応じて伴奏者さんを依頼する事もできます。
ダメなところは…別にこのサイトの責任じゃないけれど、伴奏者さんが都会に集中しているって事かな? 都会の人なら、このサイトも便利に使えるかもしれないけれど、地方の人には…あまり役にたたないよなあ。だって、地方のピアニストさんがあまり登録していないからね。
おそらく、本当に需要があるのは、地方の方なんじゃないかな? 都会の人って、周囲にたくさんピアニストさんがいらっしゃるから、この手のサイトを利用しなくて、すぐにピアニストさんは見つかるでしょ? でも地方って、音楽ネットワークが都会ほど広くないし、ピアニストさんがそもそも地方には少ないから、伴奏してくれるピアニストさんの情報って貴重だと思います。
プロの音楽家さんって、ほんと、地方だと数少ないんだよね。学校の音楽の先生ですから、地方では人手不足だからね。都会は音楽家がたくさんいすぎて、仕事が足りなくて、音楽の仕事にありつけないプロの方も大勢いらっしゃるのに、地方だと音楽家そのものが少ないんだよね。
音楽家さんって、何故か、地方に住みたがらないんだよ。たとえ仕事にあぶれていても、地方には行きたがりません。でもね、地方にいけば、それなりに仕事があるのにね。
私が以前フルートを習っていた笛先生は、今、某地方にいるのだけれど、そこでもフルートをバリバリ教えているんだけれど、今ではフルートを教えるだけでなく、演奏活動も充実しているみたいだし(なにしろ、その土地では唯一のプロフルーティストでから、地域独占で活動しているようです)地元のテレビ局にも出入りできるようになり、ローカル番組等で使う音楽を演奏したり、作曲したりと、結構忙しいみたいです。こちらにいた時はなかなか難しかった、自分のための海外でのフルートの勉強も、今では定期的に行っているみたいで、羽振りがよくなったんだなあって、端からは見えます。
私の見えない部分でのご苦労も当然あるでしょうが、押しなべて言えば、地方移住大成功ってパターンのようです。
閑話休題。おそらく他にも似たような伴奏者紹介サービスはあるかもしれないけれど、これも何かの縁なので、こちらの“伴奏者募集サイト”をご紹介させていただきましたが、私自身はここを利用する予定はないし、何かトラブル等が発生しても、サイトのご利用は自己責任って事で、よろしくお願いしますよ。
蛇足 本当にガチマジ系の仕事を依頼するなら、こういうサイトではなく、ちゃんとした音楽事務所と話をして、そちらからピアニストさんを派遣してもらう方がいいような気がします。何か不測の事態が起こった時、個人的な依頼だとどうにもならない事があっても、事務所経由なら、事務所が何とかしてくれるでしょ。ガチマジ系なら、その辺のリスクもちゃんと計算に入れて、仕事の依頼をするべきだと…私は思います。
↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。
にほんブログ村
コメント
すとんさん、こんにちは。
私は発表会ではなくて、自分だけでも出る場合、とりあえず声楽の先生に紹介してもらっています。それこそ、「発表会で伴奏してくれた●●さんを紹介して下さい」と言うと、先生は伴奏者に連絡先を教える承諾を取った後、こちらで連絡がとれるようにして下さります。
あとは、なるべく一旦お願いした方の連絡先は聞くようにするとか・・・
紹介サイトも使ったことがありましたが、直接のやり取りにならないため、返答が遅いのが難点です。一番重視するのは、その日時で対応できるか、ということなのですが、プロフィールで選んで一人ひとりに確認しろ、というシステムが不便だと思いました。
ドロシーさん
>一番重視するのは、その日時で対応できるか、ということなのですが、プロフィールで選んで一人ひとりに確認しろ、というシステムが不便だと思いました。
そう言われてみれば、そうだね。相手はプロのピアニストさんなわけで、当然、仕事をたくさん抱えているわけで、こっちのスケジュールに合わせてもらえるのかってのは…確かに難しいですね。
大抵のプロのピアニストさんは忙しいのが、デフォルトだもんなあ…。
知り合いなら、そういうところって、なんとなく知っているものだし、だからそこを踏まえて頼んだり頼まなかったりするわけで(だから私もピアニストさんは二人キープしているわけだ)相手が全くの他人だと、そこをいちいち確認しなきゃいけないわけで、そのやりとりがスピーディーに出来るならともかく、確かにサイトをはさんでのメールのやり取りだと、少々不便かも。
とは言え、本当にアテがないなら、こういうサイトも無いよりはマシ(ごめんなさい)ってところなのでしょうね。
まあ、最初こそはサイト経由でも、いい人で相性も良ければ、次からは直に頼んじゃえばいいわけだし、そうやって人脈広げていけばいいんだろうなあって思います。