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2017年声楽発表会 その3 憎まれ役は心が痛みます

 さて、やがて、私たち男性陣の楽屋入りの時間が近づいてきたので、楽屋に行ったところ、案の定、私達の前の人(合唱の人たち)が時間が過ぎているにも関わらず、楽屋を使ってました。ま、楽屋入りが遅くなったのだから、そりゃあ楽屋開放が遅くなるのも、分からないでもないけれど、本番の都合もあるし、私などは時間の余裕があるからいいけれど、まもなく本番の舞台に上がらないといけない人もいるし、助演のテノールのA先生だって着替えないといけないわけだし、こちらにはこちらの都合があるわけです。

 なんとか交渉をしてもらって(さっき楽屋に入ったばかりで…うんぬんと言ってたようだけれど、そりゃあいつまでも練習室で練習しているからでしょ?)楽屋を開けてもらいました。急いで着替えて、正規の時間に次のグループの人たちに楽屋を引き渡しました。まあ、我々男性で、時間調整をしたわけです。

 それにしても、着替え、大変だったなあ。実は私、着替えるのが遅い人なんですよ。真面目に黙々と着替えるのだけれど、それでもチンタラしてしまうようで、平服からタキシードに着替えるのに20分近くかかってしまうので、本当に急いで着替えました。

 ですから、靴のひもは結べず、カフスボタンとネクタイもせずに、楽屋を飛び出しました。ああ、ノロマは辛いなあ…。

 楽屋を出て、舞台裏に行くと、すでに開場され、お客さんたちが客席に入場していました。出番の早い人達が舞台裏に待機して、本番独特のピリピリした空気がマックスになっていました。そんな中、カフスボタンをして、ネクタイを絞め、靴のひもを…妻に結んでもらい(ズボンがきつめなので、靴のひもを自分で結ぼうとすると、ちょっとやばそうな感じなんですね:笑)、準備万端整ったら、自分の出番まで、楽屋も使えない事なので、当初予定では、客席に行って、お客さんに混じって、第一部の歌唱を聞いちゃおうと思っていたのだけれど…なんか、不安なんですよね。いやあ、不安。こんな私でも、本番を前に、ややナーバスになっております。特に今回、今更練習不足を感じているので、気休めかもしれないけれど、客席に行かずに、練習室に行きました。もう一度、自分の歌を確認しておこうと思ったわけです。

 さすがに本番が始まっているのに、練習室を使おうなんて人は…私ぐらいのようです。一通り練習をし、歌詞を確認し、不安な気持ちを練習でごまかしました。

 で、一通りやって、偽りの安心を手に入れたところで、客席に向かいました。

 それにしても、ノドが保つようになったなあ。朝のゲネプロで歌って、その後で妻と練習して、また一人で練習して、その後、本番だよ。キング門下時代だったら、すでにこの段階で声を使い切ってしまっているよね。今は、発声法を変えたので、そんな事くらいじゃ声は減りません。ああ、上達しているなあ。

 で、練習室を出て、客席に行って発表会を見るために、一度ロビーに行きました。ロビー経由で会場に入ろうと思ったわけです。なにしろ、関係者席は会場の一番後ろに用意されているので、ロビーから入った方が便利なのです。ロビーに向かう途中、助演のテノールのA先生が通路で所在なげにしていたので「楽屋の代わりに練習室が使えますよ。あそこなら一人になれるので、集中できますよ」とアドヴァイスをしておきました。

 で、ロビーに着いたら、大騒ぎな状態でした。ちょうど、合唱の人たちが歌い終わって、興奮冷めやらぬ状態でロビーに来ていました。合唱の人たちの応援団やお友達集団もロビーに集まって、そりゃあもうテンヤワンヤとなってました。

 …気持ちは分かる、…けど、まだ本番中だよ。そういう事は、休憩中か、発表会終了後にやるものだよ。今は静かにして、バックヤードで控えてなきゃダメじゃん…って思ったけれど、でも文化の違いはいかんともしがたいです。

 自分もそうだったから分かるけれど、合唱の人って、自分たちの出番が終わると、終了&解散なんだよね。だから、合唱系のコンクールとか発表会に行くと、他の団体が歌っていても、自分たちが終われば解散で、お客さんたちと交流をしちゃったりするんだよね。お客さんもお客さんで、自分のお目当ての団体だけがお目当てだから、他の団体が歌っていようと、全然関係ないんだよね。でもそういう文化だから、良いも悪いもないのです。
 それに、本番直後って、それがまた、すごく盛り上がるんだよね。

 でも、その場所がロビーってのが、ちょっと困りました。だって、遅れてきた人が会場に入ろうと思っても、会場のドアを開けた途端に、ロビーの喧騒が会場の中に聞こえちゃうわけで…そりゃあダメだよね。もしもロビーが静かだったなら、たとえ舞台が演奏中でも、後からやってきた人が、そおっと静かに入場しちゃうって事も出来ないわけじゃないけれど、現状、ロビーで大騒ぎなので、舞台が演奏中の時は、ドアを開けるに開けられません。それでも入りたいお客さんがいるわけで、私、臨時ドアボーイを始めちゃいました。いやあ、恨まれた恨まれた。客からすれば、聞きたい人が今歌っているのに、なんで入っちゃいけないんだよーってわけだものね。

 片方で会場に入れろと良い、片方で開放感で大騒ぎをしています。で、会場はミニサイズで響きがやたらと良いってきているんです。ああ、憎まれ役って心が痛いです。

 そんなわけで、明日に続きます。

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