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2017年声楽発表会 その4 さて、本番が始まりました

 出演者の交代のタイミングで、ロビーで待っていたお客さんたちを中に入れ、私自身も会場に入りました。ちょうどGENさんの最初の出番でした。そう、以前、よくこのブログに出入りしていたGENさんとは、今や同門の兄弟弟子なのでありました。ちなみに、私が兄弟子ね(笑)。

 それにしてもGENさんの声っていいなあ。もちろん、アマチュア歌手さんですから、歌には色々と課題はあるけれど(ま、お互い様ですね)、声は太くて優しくていい感じです。私同様、テノールなんだけれど、私がリリコ系のテノールなのに対して、GENさんはスピント系のテノールなのです。テノールはスピント系の方がカッコいいアリアが揃っているし、だいたい人気テノールって、スピント系の方が多かったりするわけで、なんとなく羨ましい感じがします。

 私もスピントなテノールになりたいなあ…(ぼそっ)。ま、無い物ねだりなんですけれど…ねえ。

 GENさんを始め、その他の方々も、皆さん、呆れるほどによく声が出ているし、難しそうな大曲が連続して歌われます。

 今回は、助演のテノールのA先生が大人気で、休む間もなく、相手を変えて、何度も何度も舞台を出たり入ったりします。もちろん、二重唱の相方として登場されるわけです。一曲歌うだけでも大変な曲ばかりを何曲も何曲も連続して歌います。いやあ、ほんと、見ていて大変だなあと思いました。

 やがて第一部も終了しました。さあ、第二部が始まります。私の出番が始まるわけで、重い腰を上げて、私も舞台裏に移動したのでした。

 私の出番は、第二部の2曲目です。すでに時間的な余裕なんて、そんなにあるわけではありません。もっとも、すでにタキシードに着替え、靴もステージ用の靴(靴底がゴムではなくスウェードなんです)に履き替えていた私ですから、そんなに準備に時間がかかるわけではありません。

 自分の出番までにやった事は、たった二つの事でした。一つは、ネクタイを取り替えた事。それまでしていた普通の黒蝶ネクタイを外して、役柄(カミーユ、若くてチャラい貴族の青年)のイメージに合わせて、ラメの入った幅広のキラキラネッカチーフに変更です。これが案外キマらなくて、鏡の前で時間を使ってしまいました。もう一つは、最後のダメ押しの歌詞確認です。特に、これから歌う二重唱はゲネプロで落ちてますからね。心配は心配です。とっても心配です。

 やがて妻も舞台裏に現れました。さて、我々の出番です。ステマネのY先生にお願いして、舞台中央に演技で使うイスを一つ出してもらいます。やがてピアノが前奏を弾き始めたら、演技をしながら、我々が舞台に現れて歌い始めます。

 実際の歌唱はこんな感じでした。

 ええと指摘される前に懺悔しておきます(笑)。あっちこっちで作詞をしています(ダメじゃん)。最高音である高いBは、スっぽ抜けた声で歌っております(明らかな失敗です)。ハモリの箇所が汚いです(ああ…)、もちろん私の音程がちょっと低いからです(残念)。大きなミスはこんな感じ、後は…舞台を見ている程度じゃ気づかない程度の失敗をちょぼちょぼとやってます(録音を耳をすませて聞けば、たくさん分かっちゃうでしょうね)。

 私たち以外にも、簡単な演技をしながらオペラアリアを歌う人はいますが、我々ほど、演技に重きを置いて歌う人たちは、ここには他にいませんから、歌の良し悪しはともかくとして、楽しんでいただけたんじゃないかな?

 たくさんの拍手をいただいて、最初の舞台は終了です。一度、奥に引っ込んで、再度登場します。

 という訳で、続きはまた明日。

P.S. 実はゲネプロの時に、並び方が美しくないと言われ、舞台上に同列に並んで立つのをやめて、妻を前にして、私が半歩下がって並ぶという取り決めをしたのですが、いやあ、本番では私、ついつい舞台中央の前側に立っちゃいました。だって、本番だもん、晴れやかな場所に立ちたいじゃん。スポットライト、浴びたいじゃん。いやあ、無意識にセンターに立っちゃいました。妻曰く「あなたが前に立つから、私はもっと前に立とうと思ったけれど、そんな事をしたら、舞台から落ちちゃうから、仕方なく、半歩下がって歌ったわよ」と叱られてしまいました。いやあ、ごめん。勘弁してね。テノールってバカだから、本能的に目立つように動いてしまい、打ち合わせ通りにできないんだよ(笑)。

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