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支えは上下の力をどこで拮抗させるか…って話なのですよ

 昨年末の話になりますが、声楽のレッスンに行ってきました。

 まず最初に行ったのは、次回のレッスンからの課題曲決めでした。今やっている、トスティの「Malia/魅惑」と、ジョルダーノ作曲の「フェドーラ」のテノールアリアの「Amor ti vieta/愛さずにいられないこの思い」は今回で終了とし、来年(つまり今年)からは新曲に臨みましょうって事になりました。

 で、歌曲は…と言うと、Y先生、おもむろにトスティの楽譜を眺めて「Penso!/僕は思っている」を指定しました。私、実はよく知らない曲だったのだけれど、異存はないので了解しました。だってまあ、テノールが歌う“トスティ歌曲集”には滅多に入っていない曲ですからね。でも、聞いてみたら、なかなか良い曲だし、男性っぽい曲なので気に入りました。

 アリアの方は、私の提案で、ヴェルディ作曲の「椿姫」のテノールアリア「De’miei Bollenti spiriti/燃える心を」にしました。第二幕の冒頭に歌われるアリアですね。一度はチャレンジしてみたかった曲なのです。レチタティーヴォとアリアの両方を歌うことにしました。

 さあ、頑張るぞ。

 レッスンはハミング練習からです。とりあえず「丁寧に発声してください」と言われました。つまり、ガツン!と歌うのではなく、ppからffへ滑らかに歌うわけで、そのためにも、まずは息を滑らかに通すように気をつけて下さいって事なのです。で、息を滑らかに通すためには、ひとまず支えが必要って事なのです。

 今回、先生から支えについて詳細なレクチャーを受けました。それを短い言葉で表現するのは難しいのですが…要は支えとは、上から支える力と下から支える力の両方があって、その上下の力が拮抗している事が大切であり、その拮抗している場所がどこであるかが更に大切なわけです。だから、支えは力任せにする必要はないし、かと言ってフニャフニャでもいけないのです。

 で、その拮抗点は音程によって違うわけで、低い音程ならば低い位置での拮抗点で良いし、高い音程ならば高い位置での拮抗点でなければ、うまく発声できないのです。だから、支えは、もちろん支える力も大切なのだけれど、その拮抗点をどこに設定するか(つまりは上下のバランス)というイメージも大切なわけです。で、出すべき音程のイメージと、そのための拮抗点をどこに設定するかというイメージがあれば、後はカラダが自動的に反応して、声が出るのだそうです。

 つまり、私がうまく高音を発声できないのは、音程のイメージが悪い事と、その音程に必要な支えの拮抗点のイメージが無い事と、その拮抗点に支えを持っていける筋力が足りない事の三重苦なんだそうです。

 …結構図星だったので、グサグサ来ました(涙)。

 大切な事はイメージなのです。そのイメージ無しで、いくら音階練習やろうが、いくらエチュードを歌おうが、いくら筋トレをしようが、それでは効果が薄いのです。大切な事はイメージをきちんと持ちながら歌うことなのです。

 ちなみに声の軽重は上からの支えの軽重と関係があり、上からの支えと拮抗させるために下からの支えの強さも当然関係します。先生曰く、私は必要以上に重い声で歌おうとする傾向があるそうで(つまり、上から下への方向の力が強い)、そんなに重い声で歌いたいなら、それにふさわしいだけの、下から上への力を身につけるか、あるいは自分の現在の(下から上への)支えの力にふさわしい軽い声(上から下への力を弱くする)で歌うか…を選ばないといけないわけで、そういう事にも私は無頓着だと言うわけです。

 ああ、だからキャリアを積んでいくと、筋肉が発達して、上下ともに支えの力も増してきて、声が重くなっていくのかな? 違うかな?

 という訳で、今回の発声練習では、徹底的に腹筋をイジメました。そして、自宅練習でも腹筋練習をしてくるように厳命されました。いやあ、今度こそは頑張って腹筋運動をしようと思いました…三日坊主にならないように頑張りたいと思ってます。

 さて、では知らない人のために、今年のレッスンから歌い始める、トスティの「Penso!/僕は思っている」の音源をアップしておきます。

 歌っているのは、テノール、作曲家、音楽プロデューサーのホアキン・ピクサーンです。つまり、音楽の“何でも屋さん”だね。でも(と言うのもおかしな話ですが)歌は素晴らしいですよ。

 ああ、こんな声でこんな風に歌えたら最高だろうなあ…。

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