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LFJ2015 その2 パソナはアグリベンチャーもやっている会社だって、知ってましたか?

 さて、素敵なフルート演奏を聞いた後は、お昼御飯です。パソナ本社は東京駅日本橋北口のすぐそばにありますので、お食事処には全く不自由しませんので、どこか近所のレストランにでも入って食事をしようかなと思っていた時に、場内アナウンスが入りました。玄関ホールのすぐ隣にあるラウンジの売店で昼食を販売してますって言うんですよ。で、わざわざ外に出かけるのもなんだからと思って、その売店で販売していた野菜カレーを購入して食べました。

 500円で、具だくさんのカレーライスでした。おまけにドリンク付き。私はドリンクにオレンジジュースを選んだんですが、これがまた美味しかった。で、食べながら思ったのは、これだけ美味しくて安いのは、パソナがアグリベンチャーの会社でもあるからだなって思ったわけです。

 アグリベンチャー…つまり農業をビジネスにしているわけです。パソナというと、人材派遣と、ASKA麻薬事件と、栩内香澄美容疑者によるセッ○ス迎賓館で(不本意でしょうが)有名な会社ですが、良い事業も色々とやっていて、日本の農業を企業ベースで展開するための仕事もやっているのです。つまり、農業もパソナの事業の一部なんだから、その会社の本社で提供する野菜カレーがマズいわけないのです。安くて美味しくて当然、だって自社製品を本社で提供しているわけだからね。

 実際、野菜カレー、野菜の味がしっかりしていて、本当に美味しかったですよ。チャンスがあれば、また食べたいです。おそらく隣で売ってたおにぎりも、お米が美味しいんだろうなあって思いました。

 で、思わず美味しい昼食にあずかって、私は次のステージを聞くために、またもパソナ本社玄関ホールに戻ったわけです。

限りなく天国に近い音楽(ソプラノ:岩下晶子)

 このステージ、当初はラ・フォル・ジュルネの公式HPに載っていなかったコンサートで、ですから私は当日、その存在を知ったわけで、ある意味、サプライズ・コンサートでした。いやあ、びっくりしました。元々、この前のコンサートと次のコンサートの間の休憩時間は1時間ある予定だったので、外で昼食を食べるつもりだったんだもん。それがこのコンサートが入ったので、休憩時間が30分になって、それで野菜カレーを食べたという経緯もあります。

 何はともあれ、コンサートを聞きました。

バッハ:アリア~「ゴールドベルク変奏曲」より
シューベルト:アヴェ・マリア
シューベルト:岩の上の羊飼い

 一曲目は、ピアニストさんの宮崎真利子さんのソロでした。二曲目は、ピアノに加えて、ソプラノの岩下さんとクラリネットの井上幸子さんが登場しました。あれ、アヴェ・マリアなら、ピアノとソプラノだけで十分なのに、なぜ、クラリネットが…?

 演奏は、ピアノ伴奏にクラリネットソロで…で、二巡目はクラリネットに代わってソプラノが本来のカタチで歌いました。で、クラリネットは、ソプラノの演奏に加えて、控えめにオブリガードを吹いてました。

 いやあ、クラリネットが良かったです。クラリネットって、こんな美しい音色の楽器なんだなって思いました。なにしろ、普段耳にする吹奏楽のクラリネットの音とは、全くの別物でした。丸くて優しくて太い音でした。まあ、プロ奏者と素人さんや学生さんを比べちゃいけませんが、普段はその素人さんとか学生さんの音しか聞かないわけだから、プロの演奏は、その音色だけで、十分私をノックアウトしちゃいました。

 二巡目に加わった岩下さんの歌唱は…“ザ・ソプラノ”と言った感じで、よかったですよ。そして、クラリネットのオブリガードもいいものです。「このカタチの演奏がオリジナルですよ」と言われても、信じちゃいかねない出来でした。

 それはさておき、なんで、ピアノとクラリネットとソプラノという、滅多にない組み合わせで、今回のコンサートに登場してきたのかと言うと、それは最後の曲『岩の上の羊飼い』の演奏のためでした。

 この『岩の上の羊飼い』という曲は、ピアノとクラリネットとソプラノの3つの楽器で演奏されるのがオリジナルのカタチのシューベルトの大曲リートだからです。その編成の珍しさ故に、滅多に演奏されない曲のようですが、それってなんだかもったいないくらいに良い曲でした。

 3つの曲を一つにつなげた、一種の組曲なんですが、まるでモノオペラのような雰囲気すら漂う曲です。ソプラノ歌手さんたちによって歌われる事の多い曲だけれど、曲の内容を考えると、少年やテノールが歌った方が良さそうな気がするけれど、テノールが歌っている音源は、ネットで見つける事ができませんでした。この曲、テノールは歌わないのかな? なんか、ちょっぴりもったいない気がします。

 それにしても、こんな隠れた名曲を聞けるなんて、ラ・フォル・ジュルネも捨てたもんじゃないね。

PASSION~愛の形~(ソプラノ:鈴木さおり)

 岩下さんによる『岩の上の羊飼い』を聞いて、音楽的に満腹した私でした。「この後は…え、またソプラノ? 大丈夫かな…」といらぬ心配をしながら、次のコンサートを聞いたわけですが、そんな心配は全くの杞憂に終わりました。岩下さんもスゴかったけれど、こちらの鈴木さんも実に良かったわけです。

 むしろ、声的には鈴木さんの方が私は好きかも(笑)。この方、プロフィールによれば、芸大卒業して、藤原歌劇団と劇団四季の両方に所属して、年間300回も舞台に立っている方…なんだそうです。プロ中のプロって感じの方なんですね。なので、舞台に出てくるだけで、発散するオーラが全然違いました。歌手なんだけれど、いかにも舞台人ってオーラなんですもの。プログラムはこんな感じでした。

バッハ:貴方がここにいたら
ヘンデル:オンブラ・マイ・フ~「セルセ」より
ヘンデル:愛しい眼差しよ~「ジュリアス・シーザー」より
ビゼー:ハバネラ~「カルメン」より
シベリウス:フィンランディア賛歌

 私は最初のバッハで心を持って行かれました。この曲は、本来は宗教曲なんだそうです(貴方=神様、ってことね)が、鈴木さんは全くそうでないふうに歌い、私には上質なラブソングに聞こえました。こういう聞き方は不謹慎かもしれないけれど、それで心を掴まれてしまったんだから、仕方ないです。

 この曲を歌いたくて仕方なくなりましたが…ドイツ語なんだよな、この曲。おまけに楽譜も持っていないし…。まあ当面、歌うチャンスはないだろうけれど、いずれ歌ってみせよう…なんていう、私の小さな野望の一つに加える事にしました。

 四曲目のカルメンは、私はいいなあと思いましたが、妻に言わせると「あの人、きっとフランス語が話せないと思う」と感じたんだそうです。…怖いなあ。私はイタリア語が話せないけれどイタリア語の歌を歌うんだよね。やっぱり、その言語が得意な人が聴けば、しゃべれる人が歌っているのか、しゃべれない人が歌っているのかは、一発で分かるんでしょうね。おお、怖い。

 最後のフィンランディア賛歌は、元々が交響曲ですから、言語は何であれ関係無いのでしょうね、鈴木さんは、フィンランド語ではなく、最初は英語で、次は日本語で歌いましたが、日本語の歌詞は、私がよく耳にする讃美歌の歌詞(やすかれ、わがこころよ)とは違っていました。歌詞が違うと、違和感がありますね。

 それにしても、このソプラノさん、実によく鳴る楽器をお持ちでした。ソプラノなのに、中低音の響きが充実しているのが、とても聞きやすかったです。それに声に色気があるのも、よかったです。

 岩下さん、鈴木さんと、立て続けに立派なソプラノを聞いて、本当の本当にお腹いっぱいになった私でした。

 この続きは、また明日アップします。

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コメント

  1. 鈴木さおり より:

    ブログ主さま

    なんとなく今日自分の名前で検索しこの記事を読んで感謝しております。
    お客様に自分の思いを伝えるのに「形」でないものをと四苦八苦してなんとか続けてきていますが、こんなに丁寧にお聴きいただいていたとは、本当に恐縮でした。
    フランス語は高校と大学で四年間習ったのですが日常的に使わないと厳しいですね 笑。
    今後ますます精進をしていこうと思いました。本当にありがとうございます。
    心から感謝申し上げます。
    本番がお近いようですね。季節の変わり目ですので温かくして当日思い切り実力が出せるようお祈りしております。私も10月3日にシューベルトミサ曲のソリストの本番がございます。お互いに成功しますように!!(長文失礼いたします)

  2. すとん より:

    鈴木さん

     いやあ、ご本人にブログ記事をご覧いただけたなんて、うれしいです。

     記事に書いた事は本当の感想で、心に沁みる歌唱をありがとうございました。やはり歌は生ですね。録音もいいですが、やはり声の魅力は、生歌を聴くことかなって思います。声の美しい響きとか、歌にのせた感情の機微とかは、やはり生歌でなければ伝わらないと思います。

     またご縁がありましたら、ぜひ歌を聞かせてください。

  3. 鈴木さおり より:

    本当の感想が一番嬉しいですね、やはり人の想いも「生」が一番なんでしょう(*^^*)。
    ありがとうございます。録音では人の技術の髄を尽くしても立体感において未だライブに追いつけない、目には見えない「空気」に代るものが人は生み出せないかもしれないなぁ。。と思う日々です。そういう意味では芸術って本当に豊かな楽しみですね。。
    10日の本番頑張ってください。少し遠いので伺えるかどうかはわかりませんご成功をお祈りしております。10月の大きな本番(シューベルトミサ曲のソリスト)は3日に終わってしまったのですが、10月20,27日(火曜日)夜 高円寺駅近くの「ボンジュール」というお店でオペラなど歌います。
    土曜日の24日は夜19:00~東大和市の「カリヨン」という店で日本の歌を歌います。
    11月16日は小金井宮地楽器小ホールで私の歌とピアニストのジョイントコンサート(ただ時間が昼2時からになります)、28日は昼2時から「ボンジュール」でソロコンサート、29日昼2時から埼玉県鶴ケ島市(遠いです自分の家からも)「かふぇ ぴんころ」でソロコンサートがあります。
    もしいらして頂けそうなものがありましたら、どうぞご連絡ください。(メールアドレスそちらに表示されておりますでしょうか)いずれもお値段は大体2000~4000円の間です。お気軽にいらしていただきたいので。長くなり申し訳ございませんが、歌の好きな人とお知り合いになることは本当に喜びです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

  4. すとん より:

    鈴木さん

     録音も素晴らしいですが、やっぱり音楽は、生演奏がいいですね。

     私も本番が迫っていますが、実は現在、風邪をこじらせております。きちんと休めれば、すぐに良くなるのでしょうが、生きて行くためには仕事もしないといけないので、自分を誤魔化しながら日々を過ごしているため、風邪は悪くなっても、全然良くなりません。

     ほんと、本番が迫っているのに、どーしましょーって感じです(涙)。まあ、現段階での最大限の力で本番を乗り切るつもりでいます。

     と言うわけで、昨今の私は遠出を控えております。近所の映画館に映画を見に行くのさえ「だるいのでパス…」と言った状態です。高円寺、東大和…さすがに湘南からだと遠いなあ。元気だったら、スケジュールを調整して出かけることも可能ですが、今はちょっとパスです、ごめんなさい。

  5. 鈴木さおり より:

    すとん様

    お返事いただいていたのですね!!1年ぶりに今年のラ・フォル・ジュルネはどうなっているのかな?とインターネット検索しましたらこちらのブログにまたたどり着き…懐かしくてこちらの記事を開きお返事が!!と拝見した次第です。大変失礼致しました。
    1つ1つの音楽を本当にきちんと聴いていらっしゃるすとん様、私もそういう方がおられないと上手くなりませんので、これからもどうぞ宜しくお願い致します。演奏活動もどうぞ頑張ってくださいね!!(^ω^)

  6. すとん より:

    鈴木さん、おひさしぶりです。

     別にコメントが遅れたり、途切れたりする事は、お気遣いなく。

     ネットでのコメントのやり取りというのは、どこかで終わらさないといけないモノです。ですから、適当なところで、打ち切ったり、次の話題に移ったりするものです。

     ラ・フォル・ジュルネは…どうなんでしょうね。主催者の方々の頑張りは分かるのですが、以前ほどのワクワク感はなくなったと思います。本体での興行よりも、周辺で行われている演奏会の方が、私の気を引くほどですからね。だからと言って、本体無しの周辺だけでは人は集まらないだろうし、私もわざわざ東京まで出向かないと思います。

     ラ・フォル・ジュルネも、色々と難しいんだろうなあって思います。

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