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LFJ2018 その6 まさか「スペイン」が聞けるとは思わなかったよ

 ソプラノさんのコンサートが終わったら、再び休憩になりました。おやつとして、会場で販売していたレモンのパウンドケーキとコーヒーをいただきました。美味しかったですよ。

 先程歌ったソプラノさんには、ファンの方がたくさんいるようで、この休憩時間が、まるでファンミーティングのような状態になっていました。なので、聞かずとも色々な事が聞こえてしまいました。まあ、ブログに書きませんが、へーとか、ほぉーとか思うような会話もたくさんありました。全く知らない人同士の会話って、詳細はよく分からないのですが、分からないが故に面白いものだなあと思いました。

 休憩の後は、チェロとピアノのコンサートでした。

チェロとピアノのコンサート

 チェロ:長谷川 晶子
 ピアノ:植野 愛

 1)ブラームス作曲:「チェロとピアノのための6つの歌」より「野の寂しさ」「メロディーのように」「子守唄」「愛の歌」

 私が思うに、ブラームスってヴィジュアルで損をしているような気がします。

 彼が作るメロディーって、これらの曲に限らず、とてもメロディアスで、イケメンな旋律でしょ? ブラームスって、本当に優れたメロディーメーカーだと思うのです。

 でも、あのヴィジュアルなんですよ。毛むくじゃらのクマさんのような容姿でしょ? あの容姿を見てしまうと、彼のメロディーの良さとつながらない…と言うか、ロマンチックからは程遠い彼の容姿は、彼の音楽の良さを忘れさせてしまう…と言うか、足を引っ張る…と言うか、とにかくマイナスに作用しているような気がするんです。

 ショパン…とまでは行かなくても、せめてリストぐらいの容姿をブラームスが持っていたら、世界は大きく変わったかもしれないって、そんな気になるほど、実に耽美なメロディーの曲だったのでした。

 ちなみに、ワーグナーの場合は、容姿はともかく、その奇人っぷりが有名だったようです。となると、当時盛んに論じられていた“ブラームス対ワーグナー”ってのは“醜男対奇人”という、どちらにせよ目も当てられない究極の選択だったのかもしれないし、醜男であれ奇人であれ、作った作品さえ素晴らしければ、それで評価された良い時代であったと言えます。二人とも現代に生きていたら、容姿やら奇行やらが妨げになって、世に出られなかったかもしれませんよ。

 2)ラフマニノフ作曲:「チェロ・ソナタ」第3楽章

 やっぱりラフマニノフの書くメロディーって美しいと思いました。ほんと、美しいのです。ラフマニノフって、優秀なメロディーメーカーなんだなと思いました。器楽曲でこれだけ美しいメロディーが書けるなら、歌曲はきっと素晴らしいだろうなあと思いました。私、ラフマニノフの歌曲、あまりよく知らないのですよ。なにしろ、ロシア語歌唱だからね。言葉の壁を越えて、聞いてみたいと思いましたし、可能なら歌ってみたいかもっ…って思いました。でも、ロシア語はアルファベットすら読めないから、まあ無理だよね。日本語か、せめて英語の歌詞が付いていたら歌えるんだけどなあ…って、ちょっぴり思ってしまいました。

 3)ショパン作曲:「序奏と華麗なるポロネーズ」

 チェロの方がMCで話していたとおり、チェロもピアノも音数が多くて演奏が大変そうでした。

 私が観客の立場で音楽を聞く時は、音数とか、楽譜の黒さとかは全然気にせず、それよりも奏でられる音楽が美しいかどうか、自分の趣味と合うかどうかで判断していますが、アマチュアと言えども演奏家の立場で聞いてしまうと、奏者の演奏テクニックとか、楽譜の音の密度であるとか、フレージングの取り方、音程の正確さなどが、すごく気になります。そういう観点で見ると、ショパンって、よくもこんなに演奏したくない?曲を書くなあ…って思います。だって、どう聞いても難しいもの。ショパン自身がかなりのテクニシャンで、そのテクニックを見せつけるために曲を書いたという部分があるんだろうけれど、観客として聞いても、音楽の美しさに圧倒され、演奏者として聞いても、そのテクニシャンぶりに圧倒される…ショパンって、すごい作曲家なんだなって思いました。

ピアノ二重奏

 ピアノ:関屋 茉梨子 、多羅 紗恵子

 さて、お次はピアノ二重奏でした。二重奏と言っても、二台ピアノではなく、四手ピアノです。つまり、一台のピアノに二人並んで弾く…というパターンです。

 1)ヒナステラ作曲:「三つのアルゼンチン舞曲集」より「年老いた牛飼いの踊り」「ガウチョの踊り」

 何ともおどろおどろしくて楽しげな音楽でした。いかにもラテンな感じです。私はこういう音楽は好きだけれど、会場にいた乳児さんは、この音楽が怖かったらしく、演奏が始まった途端に大泣きを始めてしまいました。まあ、気持ちは分かります。ちなみにこの曲はお一人で演奏されていました。

 2)ピアソラ作曲:「リベルタンゴ」

 リベルタンゴって、チェロとかバンドネオンやアコーディオンで聞く事が多いです。四手ピアノで聞くのは始めてかもしれません。新鮮でした。なにしろ、チェロにせよ、バンドネオンにせよ、その音色って深い響きを伴う渋いものですが、そこへいくとピアノってキラキラじゃないですか? キラキラな音色で奏でるリベルタンゴは、だいぶ印象が変わりますが、これはこれでアリだなって思いました。ただ、だいぶあっさりした仕上がりになって、ラテンぼさが薄くなったような気がします。

 3)チック・コリア作曲:「スペイン」

 こちらはお一人で演奏されました。

 私、スペインって曲、大好きなんですよ。ピアノが主役とは言え、フルートもたくさん聞ける曲ですからね。ジャズフルートを勉強していた頃に知って、それ以来のお気に入り音楽です。

 通常はジャズバンドで演奏される曲ですが、それをピアノ独奏で演奏しました。しかし、この曲、改めて聞いてみると、えらく難しい曲だなあ…と思いました。ジャズって、クラシックよりも一般的に言って、音数が多く、変リズムが多いのですが、この曲って、まさにそんな感じです。クラシックピアノではショパンは難しいと思うけれど、この曲の難しさはショパンとは別ベクトルを向いていると思います。クラシックの人が演奏するのは、本当に大変なんだろうなあって思います。楽譜を見て演奏されていたけれど、楽譜だと、どんなふうに書かれているのかしら?

 ちなみに、チック・コリアを含め、ジャズの人たちが演奏するメロディーと、今回の演奏は微妙に違っていたのですが、それも楽譜に記載されてしまったからかなって思います。ジャズって、基本的には耳コピの世界なんですよね。楽譜はあっても、必ずしも忠実には演奏しないし、楽譜も演奏されたとおりに書かれていないわけで…だから楽譜通りに演奏すると、ちょっと変な感じになってしまう事が多いのです。でも、そんな小さな違いでも、その曲がお気に入りだと、結構気になってしまうわけです。

 4)カプースチン作曲:「シンフォニエッタ」第1楽章、第4楽章

 これは四手ピアノで演奏されました。

 またも出ました、カプースチンって感じです。いやあ、今回はカプースチンを聞くチャンスに恵まれているなあ…。で、曲の印象は…カッコイイの一言です。私はピアノを弾きませんが、もしもピアノ弾きだったならば、こういう曲に憧れるかも。でも、カッコイイけれど、とても難しそう(汗)。色々と勉強になります。

 というわけで、続きはまた明日。

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