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LFJ2014 その2 フルートのマスタークラスを見ました

 好田タクト氏のモノマネを見た後は、マスタークラスの整理券をいただき、それが始まるまでの小一時間、とりあえず、あたりをウロウロボケーとしていました。だってね、好田タクト氏のモノマネの後、ほんと、何もないんだよね。お土産コーナーも休憩コーナーもやってない! だから、コンビニに行ったり、コンビニに行ったり、コンビニに行ったりしているうちに、コンビニにも飽きちゃったので、仕方なしにマスタークラスの入場の列に並ぶ事にしました。私は列に並ぶのが大嫌いなんだけれど、列に並ぶのが、一番の気晴らしという状況なんだもの、仕方ないよね。

マスタークラス(フルート:ジュリエット・ユレル)

 というわけで、朝一番のマスタークラスは、フルート奏者のジュエット・ユレルのレッスンでした。先生であるユレル氏は、たぶん年齢的にはお姉さんとオバサンの中間ぐらいなんだろうけれど、美しい人なので、実年齢よりも若く見えているような気がします。クラシック音楽の世界で成功するためには、女性は美人でないといけないんだよね。ちなみに、パリ国立音楽院卒業で、現在はロッテルダム・フィルの首席奏者で、ハーグ王立音楽院の教授さんなんだってさ。

 今回のレッスン曲目は、バッハ作曲「フルートソナタ ロ短調」です。まあ、フルートの曲は、ドイツバロックと近代フランスしかないから仕方ないけれど、できればフランスモノを聞きたかった私です(贅沢ですね)。

 ちなみに楽器は、先生がたぶん14Kで、生徒さんが9Kかなって思いました。なぜそう思ったのかと言うと…管体の色ですね(お二人とも、メカは銀でした)。生徒さんのフルートは赤っぽくて、先生のフルートは薄い黄色だったからです。だから、14Kと9kと判断したわけですが…間違っていたらごめんなさい。

 さて、例によって、先生がレッスン中におっしゃっていた事に私が若干の感想を加えながら書いてみたいと思います。

 音はお客の後ろまで飛ばす事。自分のために吹かないで これは生徒さんの演奏が終わって真っ先に言いました。実は私も似たような感想を持っていて、生徒さんの演奏はとても達者だと思ったのですが、なんか音が届いていないような気がしたんですよ。ちなみに、フルートの音を飛ばすには、歌口を大きく開き、たっぷり楽器に息を吹き込む事が肝心なんだそうです。

 バッハの曲はトラヴェルソを吹いているつもりで 私たちは現代フルートを使っているわけだけれど、バッハの時代にはそんな楽器はなかったわけだし、バッハはフルートではなく、昔のトラヴェルソのための曲を書いたのだから、バッハの曲を吹く時は「自分はトラヴェルソを吹いているんだ」という気分になって演奏することが大切なんだそうです。だから、決してヴィブラートはかけちゃダメなんだって。

 クラブサンをよく聞き、クラブサンのような音で吹くこと もちろん伴奏をしているのはクラブサンではなく現代ピアノなんだけれど、フルートをトラヴェルソに見立てているように、ピアノもクラブサンに見立てて演奏して、互いに対話する事が大切なんだそうです。あ、クラブサンってのは、いわゆるチェンバロの事ね。なので、フルートも、素朴に朴訥に吹くことが大切で、決してヴァイオリンのようなレガートで吹いてもいけなんだってさ。あくまでも、バッハの場合は、クラブサンのようにボツボツと吹くんだってさ。

 フルートを吹く前に、とにかく歌って 自分でどんな風に曲を吹きたいのか、イメージがあるなら、それを固めるために、フルートを吹く前に歌ってみることが大切だ言ってました。とにかく、この先生、フルートも吹くけれど、歌もよく歌います。生徒さんにフレージングを伝える時も、フルートではなく、歌って教えます。とは言え、別にホンモノの歌手のように立派に歌うわけではありませんが、まるでフルートを吹いているかのように歌うんですね。面白いです。

 主役と脇役を常に意識する事 バッハの音楽は多声音楽ですから、自分が今吹いているフレーズが主役なのか、それとも脇役なのか、常に意識をして、主役のフレーズを吹いている時は主役っぽく、脇役のフレーズを吹いている時は控えめに吹くことが大切なんです。

 今は何調を吹いてますか? 曲が転調するたびに、先生は生徒さんに調性の確認をしています。と言うのも、フルートは調性によって、音色を変えないといけないのだそうです。転調をしても音色が変わらないというのではダメなんだそうです。だから、今は何調を吹いていて、だから音色はこう変えないといけないと意識する事が必要なんだそうです。

 バッハを演奏するならバッハの他の曲も聞きなさい。特に受難曲とカンタータをたくさん聞きなさい 結局、バッハの音楽は声楽が基礎にあるので、バッハの作った声楽曲を知らないとフルートは吹けないのだと言いたいらしいです。

 呼吸が見えない もっと呼吸を見せて演奏してくださいと言ってました。呼吸とはフレージングなんだそうです。だから、呼吸が見えない音楽は、フレーズの見えない音楽なんだそうです。だから、しっかりと呼吸をしながら演奏しないといけないんだって。

 楽譜をしっかり読む事 この場合の“読む”は分析をする事です。バッハは多声音楽で、多くの声部が入り組んで書かれているので、それらを一つ一つ解きほぐしながら演奏することはとても重要なんだってね。

 パートとパート、フレーズとフレーズの会話を楽しみましょう バッハの音楽は、曲の中に、いわば“コール&レスポンス”があるようです。だから、問いかけながら応答し、応答しながら、さらに問いかける、という姿勢が望ましいみたいですよ。

 バッハの曲は音程が変わるとエモーションが変わる メロディを感情の起伏、とこの先生は捕らえているようです。だから、音程が変わると、曲のエモーションが変わるんだそうです(私にはちょっと難しい話でした)。

 ピアノと合わせて演奏しているのだから、アンサンブルです。アンサンブルである以上、相手の事も考えてあげてください これはピアノは減衰楽器なんだから、フルートも一緒に減衰しながら吹いて上げましょうねという事らしいです。

 今回のマスタークラスは、こんな感じかな? なかなか面白かったです。

 そうそう、先生と生徒さんと二人でフルートを吹いているのを客席から見ていて思った事は、フルーティストは右手はさほど目立たないけれど、左手って目立つなあ…って事です。右手につけたアクセサリーはあまり気にならないけれど、左手につけたアクセサリーとか指輪とか時計とか、見ていて、メッチャ気になります。左手、私も気をつけようっと。

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