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終われば、反省会です…発表会 その5

 自分の出番が終われば、気楽なものです。実にリラックスした感じで、他の方々のステージを見せていただきました。それにしても、圧巻は、夜の女王のアリアでしょうね、それも2曲とも歌っちゃったんだよね。すごいすごい。F先生の生徒さんですが「私は何も教えていないんだよね」って先生がおっしゃってましたし、歌っている本人も「別に努力をしたわけじゃなく、高い声が楽に出る声帯を持っているだけ…」とか言ってしました。半分は謙遜にしても“才能に勝る努力は無し”ですね。まずは才能。そして、それを努力で磨き上げる…のが歌の世界ですね。

 それを痛感したのは、ゲスト歌手の方の歌唱。これだけたっぷり、上手なアマチュアさんたちの後で歌っても、きちんと格の違いを見せつけてくれるわけですから、ほんと、プロって上手なんだなって思うし、これだけ飛び抜けていないと「私はプロです」って言えないんだろうなあって思います。

 自分がどれだけ努力をしても、決してプロには近づけない…って思いましたよ。いや、マジです。

 本番が終われば、打ち上げでございます。

 今回の私は、日頃話さないF先生(そりゃそうだ)のそばに陣取って、F門下のお姉様方に混ざって、あれこれとお話をうかがってました。Y先生とは色々と視点が違っていて、色々と勉強になりました。

 F門下のお姉様方は、皆さん二重唱をやりたいのだそうですが、でも、なかなか相手がいなくて「あなたは二重唱の相手がいて、いいわね」と言われ続けちゃいました。

 まあ、門下にソプラノしかいなければ、なかなか二重唱はできないよねえ。一応、発表会前にF先生にお願いすると、F先生が、生徒さんとY先生のデュエットをコーディネートしてくれるのだそうですが「でも、私が歌いたい歌をF先生に言っても『あ、それダメ。これもダメ。ダメ、ダメ、ダメ』って言われ続けて、ほんと、いやになっちゃう」ってこぼしてました。「ちなみに、どんな歌が歌いたいんですか?」って尋ねると、たいていがソプラノとテノールの二重唱。そりゃあ、ダメって言われるよなあ、Y先生、バリトンだもん。

 考えてみれば、世の中の有名な二重唱って、たいていがソプラノとテノールの愛の二重唱なんだよね。ソプラノさんからすれば、歌いたい二重唱があっても、テノールの相方がいないと歌えないんですね。

 「私は『乾杯の歌』が歌いたいのよ~」と酒の席で叫んでいましたよ。その気持ち、分からないでもないです。

 でも、私のカラダは一つだし、私の二重唱のパートナーは妻だしね。今回は、妻が怪我して歌えなかったので、代役をNさんに頼んだけれど、妻が回復したら、やっぱり妻と歌うことになるから、なかなか、余所の人の相手役にまで手が広がらないんだよね。それにあれこれと二重唱ばかりしたら、自分のソロ曲を歌う余裕が無くなるし…。

 だったら、Y門下(男性多数の門下です)の他の方にお願いをしたら…と思っても、私以外の男性陣は、基本的にバリトンだからなあ…。

 お姉様方の魂の叫び声を聞いて「じゃあ、次の発表会では、テノールの人をゲストに呼びますか?」とY先生は言ってました。やっぱり、そうでもしないと、収まらないかもね。
 打ち上げの席でY先生に言われたことは、色々ありますよ。

 「すとんさんは、演技をしながら歌うと、よく声が出る」って言われました。F先生からは「すとんさんは、アンサンブル向きなのかもしれません」とも言われました。挙げ句の果てにY先生からは「次の発表会では、ドン・バジリオのアリアをフリ付きで歌ってもらいましょうか」とも言われましたが、それは勘弁だな。

 だって(フィガロの結婚の)ドン・バジリオのアリアって、超難曲ってことで有名だけど、聞いてみると案外地味だし、オペラでもよくカットされちゃう程度の曲でしょ? それに二重唱で相手がいるから演技もしやすいけれど、ソロのアリアで手振り身振りで歌っても…それは演技って言えるのかな? 単なる“タコ踊り”って言うんじゃないのかな?

 「だいぶテクニックが身についてきて、以前のような乱暴な歌い方をしなくなりました」とも言われました。まあ、年が年ですから、勢いとか若さなどありませんから、これからはテクニックがないと、まともに歌えなくなると思ってます。だからこそ、頑張って歌のテクニックって奴を身につけたいですよ。頑張りますよ。

 「残念なところは残念だったけれど、それ以外は、なかなかよかったですよ」 やっぱり、残念なところは残念だったんだ(涙)。でも、そこ以外はよかったと褒められると、悪い気はしないものです。

 「今回の発表会で一番よかったのは、愛の妙薬でしたよ」 まあ、外交辞令と受け取っておきますが、客受けが一番よかったのは間違いなかったと思います。声が出ない分、心を込めて演技させていただきましたから。

 打ち上げが終わると、先生方は二次会に繰り出していきましたが、私は体調が悪いし、翌日は朝から仕事だったので、さっさと帰りました。自宅に着いたら、私よりも先に、妻がダウンしました。私は本番だったので、アドレナリンを垂れ流しにしていたので、なんとかなりましたが、妻はとっても疲れたようです。一日、私につきあってくれて、ありがとう。

 次の本番は…地元開催の“秋のクラシック・コンサート”だな。今年は何を歌おう。次こそは、健康な状態で、満足のいくステージを行いたいものです。

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コメント

  1. wasabin より:

    発表会お疲れ様でした~

    かなり得るものが有った会の様でしたね。
    一度参加表明したら、出ないと言う選択肢は至難の業です。
    ましてや、2重唱があった訳ですから。

    マリアカラスが声の調子が非常に悪くて舞台キャンセルした時は
    いらない詮索をされたり、不躾なインタビューに追われたり。
    プロでも歌えないほど調子悪いがあるのですから、、、
    と言うか、プロだから名を貶める舞台は踏めなかったのでしょう。

    さあ、秋に向けて出発ですね~~
    私は7月初旬です (^^;)

  2. すとん より:

    wasabinさん

     マリアカラスだけでなく、ソプラノさんは滅多な事では舞台をキャンセルしませんから、たまにキャンセルすると、オオゴトになって大変ですね。そこへ行くと、プロでもテノールの場合は、みなさん、普通にキャンセルしますからね。だから私が発表会をキャンセルしたところで「彼はテノールだから」と言って、許してもらえたと思います。テノールなんて、そんなモンですから(笑)。ただ、今回は二重唱の件があったので、ちょっとばかり無理をしちゃいました。

     自分一人だけだったら、きっとキャンセルしていたと思います。

     はい、次は秋ですね。今年のピアニストさんは、どなたにしようかと考えている最中です。ピアニストさんが決まったら、次は選曲作業に入ります。で、曲が決まったら、ひたすら練習となります。ほんと、息を継ぐ暇もありません。

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