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英語の字幕はやっぱりキツい

 発表会が迫っていますので、少ない練習時間からなんとか時間を捻出して、声楽の練習を続けている私です。

 歌う曲は三曲。ドニゼッティ作曲「愛の妙薬」より二重唱「Una parola o Adina/そよ風に聞けば」と、ベッリーニ作曲「Ma rendi pur contento/喜ばせてあげて」と、レハール作曲「ほほえみの国」より「Dein ist mein ganzes Herz/君は我が心のすべて」です。
 ドニゼッティの二重唱は、以前にも歌った事があるので、まあなんとかなるでしょ。ベッリーニの歌曲は、歌曲だから、曲そのものに向き合えば、それでなんとかなります。問題は、レハールですね。

 この曲はオペレッタの中の曲なので、当然、この曲が入っているオペレッタ「ほほえみの国」を知らないと話になりません。このオペレッタがどんなオペレッタであって、私が練習しているこの曲は、劇中では、誰が誰に向かって、どんなシチュエーションで歌っているかが分かっていないといけません。

 でも「ほほえみの国」ってオペレッタ、日本では実にマイナーなんだよね。実は私も、オペレッタそのものは良く知りません。

 テレビ放送も無いし、DVDも日本語字幕付きは、昔はあったみたいだけれど、現在は廃盤になり、日本語字幕のものはございません。となると、高値がついている日本語字幕付きのDVDを中古で買うか、日本語字幕無しの輸入盤DVDを買うかの二者選択となるわけです。で、中古品が17000円から。一方、輸入盤なら新品が1000円で買えます。字幕以外はほぼ一緒ですから、字幕の有無だけで、値段が17倍も違うのは、さすがに違いすぎますでしょ? なので「まあ、英語の字幕で見ればいいか」と判断して、輸入盤の「ほほえみの国」を購入した私でした。

 で、その輸入盤を英語字幕で見たわけですが…いやあ、自分を過信しちゃいけませんね。確かに、この程度の英語なら、英語を日常的に読み書きに使っていた20代の頃の私だったら、なんて事もなかったかもしれません。しかし、日本語どっぷりの生活を長らく続けた、ぼけ始めたジイサンである私には、少々キツかった(涙)。

 いや、少々ではありません。かなりキツかったです。

 一応、私が、中国の皇子のスーであり、スーには妹のミーがいて、第一幕の段階では、スーはウィーンに滞在してる外交官である事は分かりました。で、ヒロインは、ウィーンの貴族の娘のリーザです。あと、いわゆるバリトンさんの役が、リーザの幼なじみでウィーンの貴族の御曹司であるグスタフとなっています。で、このグスタフはリーザに惚れていて、オペレッタが始まって早々に彼女にプロボーズをするのだけれど、リーザはグスタフには全然興味がなくて、グスタフを振っちゃいます。と言うのも、実はリーザはスーに片思いなんです。一方、スーの方はリーザに強い関心があるわけでもなくて、なんとなく二人は平行線なんですが、そんなある日の事、中国に革命が起こって、スーが国に帰らなければいけなくなった時も、スーは妹と二人だけで帰ろうとしますが、それを知ったリーザはスーの反対を押し切って、押しかけ女房的にスーと一緒に中国に旅立ちました。ちなみに、ここまでが第1幕。

 なんか分からなくなってきたのは、第2幕から。おそらく、このあたりで、私の集中力が切れてしまったからかもしれません。第2幕では、舞台がウィーンから中国の宮廷に変わっていました。私のスーはどうやら皇帝になったようです。で、恋女房であるリーザは後宮に入れられてしまったようで、リーザは自由にスーと会えなくなってしまったわけです。一方、リーザに惚れているグスタフは外交官として中国に赴任し、時折リーザに面会していました。ある日、グスタフがリーザに、スーがリーザ以外に4人の側室を持つことが政治的に決定したという情報を届けました。そしたら、リーザ半狂乱。そこにスーがやってきて、歌うのが、今回、私が発表会で歌う「君は我が心のすべて」です。

 嫉妬で半狂乱になっているリーザに「私が愛しているのは君だけだ」と歌い上げるわけだけれど、そんな歌じゃあ、リーザは全然収まらない。ブチ切れるリーザを見ているうちに、スーの方もぶち切れて「こんな分からず屋の女にはお仕置きが必要だ」とかなんとか言って、リーザを座敷牢にぶち込むのです(やっている事、結構、無茶苦茶です)。たぶん、こんな感じ(汗)。ここまでが第2幕。

 第3幕では、妹のミーがグスタフといい感じになって愛の二重唱を歌います。で、ミーとグスタフでリーザをなだめにいきますが、リーザは相変わらず、ブチ切れています。結局「こんな国、一秒たりともいられないわ」とかなんとかタンカを切って、リーザはスーと離婚して国に帰る事を決心し、ミーとグスタフとリーザで宮廷に乗り込んでリーザは「私を国に返してちょうだい!」とスーに迫ります。すべてを諦めたスーは、グスタフにリーザの事をゆだねて、帰国すること(つまり、離婚すること)を認めます。

 細かいところ、あれこれたくさん間違えているかもしれないけれど、たぶん、こんなストーリーだったと思います。少なくとも私はこう理解しました。でも、こんなストーリーなのに“喜”歌劇?

 いやあ、それにしてもやっぱり、字幕は日本語に限りますね。ほんと、なんか、あれこれ得心がいきません。

 つまり私が発表会で歌う曲は(本当は違うんだけれど)浮気が発覚して半狂乱になっている妻に向かって「誰よりも君の事が一番なんだよ」となだめるための歌っている歌なんですね。ここでのポイントは「他の子とは別れます」ではなくて「他の子の事も愛しているけれど、君がナンバーワンなんだよ」と言った部分かな? 男からすれば「ナンバーワンなんだから文句言うなよ」だけれど、女からすれば「他の女とは別れてほしい。私だけを愛してください」のすれ違いなわけだ。

 ある意味、精神的にマッチョで漢らしい歌だけれど、女心はちっとも分かっていない歌なのかもしれません。まあ、いいや。メロディはキレイだし、歌詞もかなりスイートだけれど、頑張ろう。

 それにしても「ほほえみの国」はオペレッタだけれど、ミュージカルよりもオペラの方に近い作品だなって思いました。おまけに、私が歌うアリア以外にも、良曲がたくさんあります。見ると結構楽しい作品です。ほんと、これで日本語字幕が付いていたら、かなり楽しめただろうなあと思うと、残念ですよ。

 実はもう一つ、日本語無しで英語字幕のオペラのDVDを持っています。デセイの椿姫なんだけれど、椿姫はストーリーはきっちりと分かっているので、英語でも…たぶん…大丈夫なんじゃないかな…なんて思ってます(汗)。しかし、デセイのDVDって、日本語字幕がついているものって、現行版にはほとんど無いんだよね、残念。

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