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出来る範囲で精一杯頑張る

 さて、声楽のレッスンの続きです。今回はソロの曲の事を書きます。

 最初は、ベッリーニ作曲「Ma rendi pur contento/喜ばせてあげて」です。

 とにかく「丁寧に、丁寧に歌ってください」と言われました。リズム的にキッチリキッチリ歌わないとね。私、少し、リズムを丸めすぎていました。だって、この曲、キッチリ歌うためには、それなりにメンタルが強くないと、音楽の持っている緊張感に負けて、ついついリズム的に丸めたくなります。

 音楽が持っている緊張感に負けずに歌う…これがこの曲の課題かな?

 そのためには、ゆっくりと歌うのが一番いいのですが、あんまりゆっくり歌うと、体力的に最後まで持ちません。体力優先で、テンポをキビキビ歌うと、丁寧さに欠けてしまうわけで、ここでも問題になるのは、私の歌唱的な体力です。

 歌唱的な体力…即物的に考えるなら、体幹の強さです。私、体幹が弱いからなあ…これは散々キング先生にも言われたし、あの頃よりは多少なりとも強くなっていると思うけれど、それでもまだまだ体幹が弱い私です。こればっかりは、すぐに強くなるわけもなく、地道な努力が必要ですが、発表会は、それを待ってくれません。ですから、出来る範囲でベストを尽くさないとダメです。

 それにしても、現状では、下手くそさが結構目立っています。どうしましょうね。

 次は、レハール作曲「ほほえみの国」より「Dein ist mein ganzes Herz/君は我が心のすべて」

 まずは通して歌ってみました。とにかく、前回注意されたとおり、最後まで歌いきる事を主眼として、軽く軽く歌ってみましたが、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしで、今度は、歌い方が軽すぎると言われました。

 この曲、20世紀の曲ですからね。ワーグナーはもちろん、プッチーニよりも後なわけで、ある程度は、重い声で歌わないといけません。でも、最初から最後まで重い声で歌ったら、それこそ声が持たないし、下手すると声が壊れてしまいます。

 で、歌いだしの二分音符は重く歌いだし、そこから少しずつ声を軽くして、ノドへの負担を減らし、次のフレーズではまた重く歌いだして、そこから軽く歌う…というやり方をする事にしました。まあ、姑息と言えば姑息なやり方ですが、そうする事にしました。

 また、レガートに歌おうとするあまり、付点音符をあまり強調しないような歌い方にしていましたが、この曲はリズム的に単調なので、むしろ付点音符は強調する方向で歌った方が良いと言われました。そうしないと、ベターとした感じに聞こえてしまうそうなんです。確かに言われてみれば、そんな感じもしますね。

 ブレスの位置もいくつか変えました。私は文章に則したカタチでブレスをしてみましたが、それでは音楽的に色々ときびしいわけで、先生は音楽に則した箇所でブレスをするようにアドヴァイスをしてくれました。文章的には、多少不自然な位置でのブレス取りとなりますが、格段に歌いやすくなりました。音楽と言葉が寄り添うように作曲されていればいいのですが、20世紀の曲ですから、そこはあえて意図的に寄り添わせずに作曲されているのです。そうなると、歌手的には、言葉を優先するべきか、音楽を優先するべきかで、悩むわけだし、一流の歌手はこの難しい課題に対して、言葉も音楽も両方を優先してくるわけですが、私ごときにはそんな芸当は無理なわけで、言葉を取るか、音楽を取るか、そこが悩みになります。

 で、今回は、音楽を優先しましょうって事です。

 発声練習でも言われた“声は常に動かしている”事は、この曲のように、ロングトーンが多用されている曲では、特に注意しないといけません。音をただ伸ばしているのではなく、カラダの中で音を動かしながら歌う事が大切です。

 それと「歌っている時に、あきらめないように」と先生に言われました。私は歌っている時は「最初から最後までクライマックス!」という気持ちで歌っていますが、それを聞いている先生からすれば「あっちこっちで、気が抜けて、手を抜いて歌っているなあ…」との事です。まあ、私の場合、気持ちはあっても、カラダがそこに追いついてこないってわけです。どうも、支えがダメだな。支えがあっちこっちで抜けてしまい、結果的に手を抜いて歌っているように聞こえるわけで…ああ、未熟だ、未熟だ。

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コメント

  1. オペラ愛好者 より:

    すとん様

    始めまして、オペラ愛好者です。
    ,ネットサーヒィンをしていましたら、すとん様のホームページに出くわし、まるで
    生きているブログの感がして、色々なジャンル楽しみに読ませて頂いて居ります。
    特に、声楽についてはとても熱く語られ興味あります。
    熱心に勉強されておられ、その努力が何時の日かきっと、すとーんと美しい響き
    になる事と信じて居ります。
    コンサートの成功祈って居ります。

  2. すとん より:

    オペラ愛好者さん、いらっしゃいませ。

    >生きているブログの感がして、

     生きておりますよ~ぉ。このブログは私の“今”を書き留めているブログです。まあ、ざっくり言えば『趣味日記』なんですけれど(笑)。とにかく、日々、前進中でございます。

     今よりもっと年老いた時に「あの頃の私は幸せだったんだなあ…」と振り返るために、今、この楽しい時の楽しい事を書き留めているんです。

    >コンサートの成功祈って居ります

     あー、コンサートじゃないです、発表会です。コンサートは、観客が神様で、演奏家は観客のために心と技術を尽くして演奏するのですが、発表会は演者が神様で、観客は演者のために優しい心で彼の拙い演奏を聞いて上げるのです。そこんとこが、大きく違うので、ご注意ください(笑)。なので、水準以下の演奏の場合、コンサートなら「金、返せー!」と叫んでもいいのですが、発表会の場合は「次に期待してま~す」と優しい言葉がけをしないといけないんですね。

     でも、頑張りますよ、精一杯(うん)。

  3. だりあ より:

    すとんさん、道でこけちゃったのですか?大変でしたね。
    お怪我は大丈夫ですか?自分の転び経験からしますと、はじめは打ち身の直接の痛みがとても痛くて泣けました・・・・。そのあと、直接転倒とは関係ない別のところが痛み始めて・・・。たぶん、無意識に力が入ってたり、ねじってたりしてたみたいです。

    転ぶときって、ほんとうに「あっ」という間ですよね。特に身体が疲れているときは注意力も落ちちゃってるし・・・・ほんのちょっとしたことでも足元が狂います、疲れすぎてるときはほんと、いいことないですよ・・・。私は年齢的に考えると、今後の転倒は直接ホネにきそうなので、ものすごく気を付けています。そりゃもう、足元には慎重ですよ。

    すとんさんは、柔道で鍛えてこられたからちょっとやそっとでは壊れない頑丈なつくりとは思いますが、要休養のサインを見逃さないように、どうぞお大事になさってください。

  4. すとん より:

    だりあさん

     確かに柔道をやっていましたから、常人よりは無様な転び方はしないと思っていますが、それでも若い時なら、絶対に転ばずに堪えられていたはずだと思いますので、弱ってきたなあと思います。

     ちなみに、転んで直接怪我をしたのは、左の足首です。つまり、左足を取られた転んだわけですが、一番痛かったのは、右の脇腹です。左足を取られた時に、転ぶまいと右の脇腹が頑張ったにも関わらず、転んでしまったわけです。つまり、右の脇腹的に言えば「限界まで頑張りましたが、力及ばずごめんなさい」状態だったわけで、左足ももちろん痛かったけれど、それよりも右の脇腹から来るズドーーンという感じの筋肉痛が一番痛かったです。

     きっと、脇腹の筋肉がブチブチと何本もちぎれたんだと思います。

     骨折は怖いですね。年を取って骨を折ると、治りも遅いのですが、その間の安静にしていないといけない時間も長くなり、患部以外の筋肉がなまってしまうの困りものです。特に足の骨を折ると、絶対に足の筋肉が衰えてしまうので、怖いです。歩けなくなったら、ヤバイですもん。

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