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何事も無理はいけません

 …とつくづく思います。

 吹奏楽部の練習を見ていると、本当に生徒たちは無理をします。“ああ、こんなに甲高い音を…、ああ、こんなに細かい音符を…、ああ、こんなに早いテンポの曲を…”…こんなの到底できるはずもないだろうと思われるような曲を、実に何とかしてしまいます。それは実に見事なんですが、考えてみれば、長い子でせいぜい3年、短い子は数カ月の楽器経験しかないのに、私でも手が出ないような曲(私が下手過ぎってのは承知してますよ)を演奏しちゃいます。

 どう考えても、無理を通しているわけです。

 でもね、世の中はうまく言ったもので『無理を通せば道理が引っ込む』わけで、道理と言うか、案外大切なものが引っ込みます。それは“美”かな?

 子どもたちは、難しい音域の音でも、実に細かい音符の連続でも、目が回るほどにテンポの早い曲も、根性と努力と有り余る時間で、なんとかしちゃいます。そんな事は絶対にオトナには無理ですが、そこは子どもの柔軟性と可能性と成長力って奴が、困難を越えさせるわけです…が、その代わり、その音は美しくないですよぉ~。

 フルートに限らず、無茶をして吹いたフレーズは、たいてい汚いです。音を鳴らしすぎていたり、乱暴な立ち上がりだったり、一本調子だったり、他の音が混ざっていたり、それはもう「とりあえず吹いてみました」レベルの演奏なんですよ。

 これって、音楽ファン的にはアタマを抱えてしまいますが、顧問的に「グッジョブ!」だったりします。と言うのも、多少音が汚かろうがなんだろうが、合奏の中だと、それほど大きなキズに感じられないからです。それよりも、そこが吹きこなせずに落ちてしまう方がよっぽど怖いです。

 でも、それは合奏だからOKであって、決して誉められるような事ではありませんし、そんな事を繰り返していると(って、部活だから繰り返すのだけれど)、やがて、その汚い音色が普段の音色として、その子に定着してしまうのです。

 音楽ファン的には、それは可哀相だし、申し訳ないなあと思いますが、顧問的には「チームプレイに徹してくれて、ありがとう!」だったりします。

 吹奏楽部の卒業生は、そのほとんどの子は、プロの音楽家になるわけではなく、皆、学校を卒業すると同時に音楽を辞める子ばかりです。中には、上級学校に行っても吹奏楽を続け、市民吹奏楽団に入団する子もいないわけではありませんが、そういう子はやはり少数で、ほとんどの子は、卒業と同時に音楽を辞めてしまうので、部活のために無理をして音色を壊しても、大した問題ではないのかもしれません。

 考えてみれば、私も学生時代は柔道に邁進していましたが、卒業と同時に柔道は辞めてますからね。今でも柔道は大好きだけれど、オトナになると、なかなか柔道をするチャンスもないし、町の道場に通うほど、熱心でもなければ、時間があるわけでもないのです。吹奏楽だって、たぶん、同じような事でしょう。
 
 
 話を吹奏楽から声楽に変えます。

 声楽の場合、学習者は、より高い音やより低い音、また、より大きな声で歌いたいと願うものです。そのために、日々、ヴォイトレをして、自分を鍛えるわけです。これは、クラシックであろうとポップスであろうと、かわりありません。

 で、往々にして無理な練習をしてしまう事があります。例えば、高音の限界に挑み続けたり、声量の限界を越えようと努力しつづけたり…ねえ。そうするとどうなるか? 私のようなに、生まれつきのノドが強い人は、少々ノドが痛くなる程度で、どうにもなりませんが、多くの人は、声がつぶれてしまったり、声帯が損傷してしまったりします。その結果、発声障害を伴うようになります。具体的に言えば“嗄声”って言うやつで、分かりやすく言えば“ハスキー・ヴォイス”って奴ですね。

 一度、無理をして、ノドを壊して、ハスキーヴォイスになってしまうと、もう二度と、クリアな美しい声には戻りません。もちろん、高い声も大きな声も出せなくなります。

 ジャズやポップスなら、そんな声であっても、それを逆に表現に生かして歌えば問題ないのだけれど、クラシック系ではそんなわけにはいきません。だから、クラシックでは、声帯の健康を実に重要視しているわけです。無理はいけません。
 
 
 ほんと、音楽の練習では、無理はいけません。無理をし続けると、楽器ならひどい音色が定着し、歌なら声を壊してしまいます。きちんと手順を踏んで、少しずつ上達していったなら、きっとそんなにひどい事にはならなかったのだろうと思います。ただ、上達の順番を飛ばしたり、基礎力もないのに高度な事ばかりにチャレンジすると、ガタガタになってしまいます。これは、基礎工事が不十分なまま建てられた建築物が、実にひ弱な建物であるかと同じ事なんだと思います。

 ですから、音楽の練習では、無理をしてはいけません。

 そう言えば、少年合唱団育ちの歌手と言うのも、少ないですね。一説によれば、少年の時に歌いすぎてしまい、オトナの声がダメになってしまうからだと聞いた事があります。そんな事ってあるのかな? 都志伝説なんじゃないのかなって思う一方、有名なボーイソプラノの歌手が、そのままオトナになって、有名な歌手になれましたという例は本当に少ないですからね。

 そう言えば、歴史を振り返ってみると、音楽史上の最大の無理と言うか、無茶で極端な例として、カストラートってのがありましたね。さすがに、今ではカストラートは存在しませんが、ほんと、昔の人って、無茶なことでもやっちゃうんだねえ…。でも、カストラートは、本当に取り返しがつかないので、無くなってよかったと思います。

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コメント

  1. ひょっとこ より:

    無理と無駄は止めておいたほうがいい、かもね。

    この時代に例えば嬰ヘ長調とか止めていいんじゃないのかな。
    グローバルに動くようになると先々無駄になるし。
    (今だにイロハだと数えないと分からない、
      というか覚える気もないけど。)

    でも、好きなものだといつの間にかうまくなってるよね、
    ギター小僧なんか…

  2. ひょっとこ より:

    ひとこと、で。

    司法は大抵そんな判決だしてるみたいですよ。

    今回、違うのはマスコミの騒ぎ具合なんじゃないですかね。
    それと特定団体と。民◯党の時ってそんなに騒いでたっけ?

  3. ひょっとこ より:

    ごめんなさい。
    今回の裁判官は「選挙無効」って言ってたんだね。

  4. すとん より:

    ひょっとこさん

     そうね…調性の話なんかは、クラシック系はドイツ語で、ポップス系は英語でいいんじゃないかなって思います。本当は、それも一つにまとめて欲しいぐらいの気分だけれど、まあ、その二系列あれば十分じゃないかな?

     楽典のすべてから日本語を排除しろとは言わないし、そうすべきではないと思うけれど、日本語を採用することで、却って煩雑になったり分かりづらくなる部分があるなら、そこは外国語をそのまま使ってもいいんじゃないかなって思います。

     昔々、エラい人たちが知恵を絞って考えてくれた事には感謝するけれど、デファクト・スタンダードって奴を、もっと重んじた方がいいと思うし、教育の場でも、そちらを使って教えた方が絶対にいいと思います。

     で、裁判の話だけれど、今回の裁判官は、かなり、無茶で無理な判決を出しているんですよ。前回の選挙で、左翼が大きく負けた、と言うか、せっかくの左翼政権が瓦解してしまった事が、よほど悔しかったんじゃないかと勘繰りたくなるような、冷静さに欠ける判決が出たのが、問題なんですよ。

     ここんとこ、数回の選挙(もちろん、民主党が大勝ちした選挙も含めて)は、ずっと“違憲状態”だったと思うし、だから今後は、なるべく一票の重さに格差が生じないようにするべきだけれど、だからと言って、今回の選挙を無効だとするなら、先の民主党政権も含めて、全部無効な政権だったって事になるわけで、そりゃあやっぱりおかしいよ。

     それに、やっと、景気が上向きになって、日本に活力がみなぎりだした、このタイミングで、水をさすような判決を出すなんて「あなたは一体、どこの国の方ですか?」とか尋ねたくなります。

     それに、選挙って、行うと、何億円もの税金が飛んで行っちゃうし、衆参同時選挙になると、国政がストップして、またまた外国に付け入るスキを与えちゃうので、それは避けないといけないのに…、一体、誰のため、判決なんだか!

  5. su_zan より:

    ウォルフガング・シュルツさん(オーストリアのフルート奏者)が28日、ウィーンで死去、67歳。

  6. こうじ より:

    中音域を切々と感情をこめて歌い上げ、感極まっての最高音、いいですね~。

  7. su_zan より:

    神戸の審査を辞退されていたのでもしかしたら、と思っておりました。
    なにか時代がかわっていくような、そんな気配を感じました。
    お弟子さんのフォーグルマイヤーさんもなくなりましたから、寂しいです。

  8. operazanokaijinnokaijin より:

    ああ、シュルツさん、お亡くなりですか。
    悲しい。残念です。

    1度、お会いしたことがあるのです。
    あの、シェレンベルガーさんとシュルツさんとで、
    日本の(音大ではない)大学のオーケストラと共演し、
    そのあと、学生食堂で、一般市民とのレセプションにご参加くださいました。

    シュルツさんは英語をあまりお話になりませんので、
    もっぱら、シェレンベルガーさんと話したのですが、
    少しだけ、シュルツさんとも、、、、、
    決して、自慢話ではなく、
    懐かしの思い出話でありことを、ご理解ください。

    おしまい

  9. すとん より:

    su_zanさん

     あらまあ、そうなんですか。それは、とても残念です。と言うのも、また67歳ですか? 演奏家としては、まだまだ十分ご活躍できる年だったのですね。返す返すも残念です。私は直接生演奏を聞いた事はないので、録音音源でしか知らないのですが、録音の印象では、骨太な音で演奏される方だと思いました。

     ご冥福をお祈りいたします。

  10. すとん より:

    こうじさん

     ん? シュルツさんの事でしょうか? 私は生憎、シュルツさんについて、多くを語れるほどに詳しいわけではありません。シュルツさんはフランス系のフルーティストがもてはやされる中、貴重なドイツ系のフルーティストさんだったと思います。私自身は、フランス系が好きなので、ドイツ系は詳しくなかったのですが、そんな私ですらシュルツさんのCDは数枚持ってますよ。それほどのフルーティストさんだったわけです。

    感極まっての最高音…はいいですね。うっかりすると、単なるヒステリックな悲鳴になりかねないわけで、高い音を感情的に演奏するのは、難しいと思いますし、それが出来てこそのプロ奏者なんだと思います。

     今、シュルツさんの演奏された、テレマンアルバムを聞きながら書いてますが、本当に、心にしみるバロック演奏だと思います。

  11. すとん より:

    もひとつ、su_zanさん

     いつの世も、人が入れ代わる事で、世の中は前に進んでいます。ですから、古い人が消えて、新しい人が世に出てくる事はめでたいことであり、望ましいことなんですが、人間には感情があるので、席を譲ってくれる先輩方の後ろ姿を見ることは、寂しい事です。

     ましてや、それが、黄泉の国への旅立ちなら、なおさらです。

     時は、まもなく四月、学校でも職場でも、新しい体勢となり、人々が動いていきます。立ち去る人もいれば、やってくる人もいます。そんな季節だから、寂しさが余計にこたえます。

  12. すとん より:

    operazanokaijinnokaijinさん

     operazanokaijinnokaijinさんは、シュルツさんとも面識があるのですね、本当に顔の広い方ですね。でも、顔見知りならなおさら、寂しさを感じてしまいますね。袖振り合うも他生の縁…ですものね。

     私なら、知り合いが天国に旅立ったと聞いたなら、結構こたえてしまいますよ、体調を崩してしまうかもしれません。operazanokaijinnokaijinさんは、くれぐれもご自愛くださいね。

  13. K&A より:

    こんにちは。いつも楽しく読んでます。

    うちの子どもも小学校高学年でフルートを始めて、1年間先生にならって、その後中学の吹奏楽部に入ってレッスンはやめたのですが、1年たって、指はものすごくまわるようになったものの、変に荒っぽく吹いて喜んだりするようになったのと、プロの指導が部活に来ないようなので、ときどき個人レッスンを受けさせるようにしました。

    楽器はまずは音色がすべてだと思いますし、個人レッスンの先生はピッチや音色には厳しいので、いまのところたいへんよい感じです。

    最初に基礎をきっちりしてたのでまだよかったのですが、中学から始めるような人のためには、変な癖がつく前に、きっちりプロの指導をうけさせるようにしないとだめですよね。

  14. すとん より:

    K&Aさん

     吹奏楽部では『指が速く動く事』と『大きな音で吹ける事』が要求されます。その代わり、音色が美しくなくてもOKだし、タンギングやスラーの処理が荒っぽくてもOKだし、ピッチが甘めでもOKとなります。また、どんな吹き方であっても、速く大きく吹ければいいので、悪い癖や誤った運指での演奏も見過ごされます。また、プロ奏者の指導などは、基本的に期待できません。

     でも、部活ですし、学生時代で完結する趣味ですから、それでも許されるんだと思います。

    >中学から始めるような人のためには、変な癖がつく前に、きっちりプロの指導をうけさせるようにしないとだめですよね。

     実はこれはなかなかの問題でして、たまに吹奏楽部で音楽に目覚めてしまい、音大に進学したい、プロ奏者になりたいと願う若者がいるんです。で、中学高校と吹奏楽に邁進して、高校も二年の秋ぐらいになって、音大受験準備のために、初めて先生について個人レッスンを受け始めるというケースがあります。

     もちろん、先生によって、その対応は様々でしょうが、私が師事しているH先生は、そういう子を断る事にしているんだそうです。理由は『可哀想だから』なんだそうです。

     もちろん、合格が難しいのに頑張らせるのは“可哀想だから”断るそうなんです。

     では、なぜ合格が難しいのか、その理由は…吹奏楽経験者だからだそうです。

     吹奏楽部経験者の場合、まず、悪い癖を取らないといけないのだそうです。悪い癖を取り除いて、正しい奏法を身に着けさせないと音大合格は無理なのですが、それを行うには、かなりの時間が必要ですし、高校二年からでは、すでに時間が短すぎるのだそうです。

     ちなみに、吹奏楽未経験者(はっきり言って、ズブの素人)ならば、本人の頑張り次第では、たとえこの時期であっても、まだ受験に間に合うそうですが、吹奏楽経験者では、とてもとても間に合わないのだそうです。

     それほど、一度身についた悪い癖を取り除くのは、容易な事ではないそうです。

     実はH先生は、なかなかお弟子さんを取らない先生なんですよ。基本的には、ご自分のお弟子さんで、すでにプロとして活躍しているお弟子さんが教えていた生徒さんだけしか受け入れないのだそうです。私のように、全然別の先生に習っていた生徒を受け入れる事はまずないんです。その理由は、やはり『変な癖がついている生徒は教えたくない』って事なんです。私の場合は、前に教えてくださっていた笛先生がしっかりと教えてくださっていたので、OKだったみたいです。

     と言うH先生なので、ご自分の生徒さんたちには「吹奏楽はやっていけない」と釘を指すのだそうです。すでに吹奏楽部にいる子は「フルートか、部活か、どちらを選びなさい」と迫るんだそうです。それくらい、吹奏楽経験者は、音大受験に不利だと、H先生は考えていらっしゃるようです。ちなみに、H先生は元音大教授なんですね(今は引退されてます)。

  15. K&A より:

    すとんさん

    詳しいお返事ありがとうございます。

    >と言うH先生なので、ご自分の生徒さんたちには「吹奏楽はやっていけない」と釘を指すのだそうです。すでに吹奏楽部にいる子は「フルートか、部活か、どちらを選びなさい」と迫るんだそうです。

    いや、厳しいですね。子どもはいまのところ音大受験は考えていないのですが、部活は部活でアンサンブルの楽しさを感じているようなので、自分の演奏については、先輩や先生のいうことは聞かずに、レッスンの先生の指導を守るように言ってます(苦笑)。一応、指揮者の先生は金管のプロだった方で、ピッチには厳しいので(フルートには詳しくないですが)、まあいいかなと。

    個人レッスンでついている先生は、フランスで本格的に学ばれて、多くの国内外の著名なフルーティストとお知り合いなので、その先生の耳でチェックしていただいて問題なければ大丈夫だろうと安心しています。

    少し前のすとんさんのエントリで、すとんさんの先生の、吹奏楽のフルートは、絶対に金管と張り合わずに、バンド全体の音の上にフワリと乗って、響き豊かに柔らかく吹く、というのがありましたが、大いに参考にさせていただいて、子どもにそれを言い聞かせています。

  16. すとん より:

    K&Aさん

     H先生は、厳しい先生だと思いますよ。私が吹奏楽部の顧問だと言う事もありますが、やりたいのならば、うまく両立できるようにやらせてあげればいいじゃないかと思ってますが、H先生はあくまでプロ奏者を育てるという立場の方ですから、ほんのちょっとでも悪影響を及ぼすのなら、徹底排除という方針のようです。

     実際、フルートって、吹奏楽の中では、他の楽器とは、かなり特性の違った楽器ですから、フルートの事がきちんと分かっている指導者がいないと、たしかに厳しい側面がある事は事実です。

     私も部に行っては、フルートの子たちには、彼女たちがイヤにならない程度に、アレコレ言わざるを得ません。他の楽器の子には、何も言わないくせに(笑)。まあ、私の他に、金管しか分からない顧問と、打楽器しか分からない顧問と、何も分からない顧問(大笑)がいるので、まあ、マシな感じの部かなって思います。あとは、木管、とりわけリード楽器しか分からない顧問が入れば、OKなんですよ。

     と言うわけで、ウチのフルートの子たちは、私の監視下にあるわけなんだけれど、それでも、こっちがうっかり目を離すと、金管楽器のような音色でフルートを吹いていたりしてます(爆)。どうしても、金管楽器と張り合いたくなるんでしょうね…。

  17. 椎茸 より:

    すとんさんとK&Aさんのやり取りを拝見し、
    ここで、すごく素朴な疑問を抱きました。
    吹奏楽部の通常の編成で、フルートってそもそも聴こえるのでしょうか。
    曲の中にパートソロがあったりするのでしょうか。

    す、すいません、あほすぎる質問で……[E:sweat01]

  18. すとん より:

    椎茸さん

     現役吹奏楽部顧問の私が答えます(笑)。

    >吹奏楽部の通常の編成で、フルートってそもそも聴こえるのでしょうか。

     聞こえません(笑)。フルートの音は、隠し味のようなものでして、吹奏楽では“風味”を担当しておりまして、フルートの音というものは、金管やらリード楽器やら打楽器やらの音にかき消されております。

     実は、吹奏楽におけるフルートの役割って、メロディを司るトランペットの倍音を補う役目なんですね。ですから、トランペット奏者が十分な腕前を持っていれば、フルートはいなくてもいいんです(悲しいなあ…)。とは言え、学生のトランペッターでは、腕前的にまだまだですから、フルートは必要なんですよ。

    >曲の中にパートソロがあったりするのでしょうか。

     あります、ってか、フルートソロがある曲もあります。ただ、フルートのソロ演奏の時は、他の楽器、とりわけ金管楽器は、ほぼお休みになっています。でないと、聞こえないからね。あと、指揮者が気を使って、他の楽器の音量を抑える様に心がけているケースもあります。

     フルートは合奏ではほとんど聞こえませんので、フルートソロの時が、唯一と言って良いほどの目立ちポイントです。なので、フルートちゃんたちは、ソロに命をかけて演奏します。

     ちなみに、吹奏楽ではフルートはほぼ聞こえませんが、ピッコロはよく聞こえますよ。ピッコロは吹奏楽の花形楽器の一つです。なので、吹奏楽のフルート奏者でピッコロに憧れる人が多いのはそういう理由ですね。「ピッコロが吹きたいです」というフルート奏者は、まず吹奏楽経験者だと思って間違いないですね。

    >す、すいません、あほすぎる質問で……

     いいえ、吹奏楽って、やはり特殊ジャンルな音楽ですから、普通の音楽ファンは知らなくても当然ですから、気にしないでください。

  19. su_zan より:

    吹奏楽経験者ですよ。
    奏法は直されなかったけど、エチュードはんぱなし。
    あ、わすれてた。吹奏楽する前にならってたんだ。
    けど、受験きめたときに吹奏楽はやめなさいといわれた。
    中学校、トロンボーンの先生でしたが、フランスものすきで、
    ばりばりとは吹かせなかった。
    ピッコロも。

  20. すとん より:

    su_zanさん

    >ばりばりとは吹かせなかった。

     それはいい先生だと思います。

     吹奏楽という音楽ジャンルは(ご存じでしょうが)、コンクール至上主義だし、そのためには、音量と音程とリズムの三つを、これでもかと言う具合に突き詰めていくわけです。そして、それらを突き詰めた上で、ミスのない演奏した所が金賞をもらえるわけです。

     音量と音程とリズムの三つを簡単に極めるには、生徒たちにバリバリ吹かせるのが手っとり早いわけですから、たいていの指導者はそこに手を伸ばします。で、子どもたちも、指導者の求めに全身で応えようとしますから…あとはああなっちゃうわけです。無理はいけないんですよ。

    >受験きめたときに吹奏楽はやめなさいといわれた。

     吹奏楽と音大受験って、両立しないんですよ。それはなぜか? それは…音楽としてのジャンルが違うからなんですね。ロックと日本民謡が全然違うのと、たぶん同じ事です。

     ちなみに、合唱も音大受験を決めると、やめなさいって言われますね(笑)。

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