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音楽レイトスターターさんに100の質問[声楽編] その5

 さあ、最終日です。このままラストまで突っ走るよぉ。昨日の記事(その4)を読みたい方は、こちらをどうぞ。
 
 
[音楽学校(音楽大学含む)編]プロの音楽家養成所…なんでしょうか?
 
 
77)音楽学校を卒業しているにも関わらず、アマチュアの人に混じって、アマチュアとして音楽活動している人も見ると、どんな気持ちになりますか?

 声楽の場合、音大の声楽科を卒業して、アマチュアとして合唱団に参加していたりとか、アマチュアソリストとしてブイブイ言わせている人っているんでしょうが、悪い意味で目立つ事ってないと思います。と言うもの、そういう方がいらっしゃったからと言って、それで我々アマチュア歌手のショバが荒らされるという事はまず無いからね~。むしろ、合唱団のパートリーダーさんあたりは、声楽科を卒業されたプロ並の腕前の方がいらっしゃった方が何かと好都合だし…。

 そのあたりは、フルートとは違うと思いますよ。

 フルートだと、アマオケにせよ、吹奏楽団にせよ、フルートの座席数って、とても少ないでしょ。その少ない座席を音大卒に横取りされちゃえば、我々のようなピュアなアマチュアがあぶれてしまうけれど、歌の世界は、合唱にせよ、ソロにせよ、座席はたくさんあるわけだから、音大卒であれ、レイトスターターであれ、お互いに仲良くできるわけなんです。

 ましてや、音大を卒業されていたとしても、ピアノ科とか作曲科の卒業なら(音楽全般の能力は違って当然だけれど)歌に関しては、極端に違うわけではないので、むしろ“親しみやすい先輩”的なノリで仲良くできそうです(笑)。
 
 
78)音楽学校を卒業していないにも関わらず、プロミュージシャンとして活躍している人を見ると、どんな気持ちになりますか?

 『すげえ~な~』って、単純に尊敬しますよ。海外では、音大を出ないで、レイトスターターで始めて、プロのオペラ歌手になる人って、いるじゃない。もちろん、どこかのタイミングで声楽のトレーニングは受けるわけだけれど、社会人として活躍しだしてから、歌の道に入って一流のプロになる人もいるわけで、そういう人って、ほんと『すげえ~な~』って思います。

 ああいうのを見ると、歌の世界は、努力と才能の両方が必要だけれど、とりわけ才能に関しては、必要というか必須事項なんだなあ~って思います。
 
 
79)音楽学校に行きたかったですか? もし可能なら、今からでも音楽学校に行きたいですか?

 本音で言うと、微妙。いや、もしも自分に音楽的才能があって、状況的にそれが許される立場だったなら、音楽学校で学びたかったと思いますが、学んだ後、どーするのかって思うと、微妙ですよ。私は真面目だから、音楽学校を卒業したら、頑張って、音楽業界で働くんじゃないかな? でも、それが今の仕事や生活と比べて、幸せかと言うと、そうは思えないんですよ。

 だって、私、今、幸せだもん。仕事にも恵まれているし、経済的にも大きな不満はないし、仕事をしながら、こうやって趣味三昧な生活だって出来ているし。それを思うと、音楽学校に行って、音楽の道に進まなくてよかったと思ってますよ。ま、それ以前に、才能とか能力とかなかったし、状況的にも音楽学校への進学なんてありえなかったわけですけれどね。

 今から音楽学校ですか? 教える側ならともかく、学ぶ側ならパスだよ。もちろん、教えると言っても、音楽の専門科目は教えられないけれど、一般教養科目(音楽学校にだってあるでしょ?)から、いくつかの科目を教えることができるからね。

 それに学校に行くと、好きな事だけ学んでいればいいってわけにはいかないしね…。若い時なら、知識なんて、乾いたスポンジが水を吸い込むようにドンドン吸収できるけれど、老人になった今では、風呂場のタイルの壁に水をかけているようなもので、知識という水は下に下に流れこぼれてしまうだけだもん。学校はキッツイですよ(笑)。
 
 
[リアルライフ編]音楽で遊んでますか?

80)コンサートって行きますか? 他の人の発表会などにも行きますか?

 私は何気にコンサート・ゴーアーですよ。結構、出かけます。他の人の発表会なんて、大好きですよ。一流どころの完成された芸を見るのも悪くないですが、アマチュアとか、プロでも若手の血気盛んなコンサートって、未完成かもしれないけれど、見ていて楽しいんですよ。
 
 
81)同じ楽器をやっている親しい友人はいますか(リアル限定)。

 歌劇団の仲間たち! 彼らは私の宝ですよ。
 
 
82)同じ楽器をやっている人と、オフ会をした事がありますか?

 我が歌劇団は、宴会が好きです(笑)。練習回数に対する宴会回数なら、そんちょそこらの音楽団体に負けませんよ(爆)。
 
 
[ネット編]これを読んでいるって事は……ネットやっているよね。

83)ネットいる、同じ楽器のレイトの人って、気になりますか? 気になるとしたら、具体的にどんな点ですか?

 気になる…というか、お友達になりたいです。だって、レイトで声楽なんて、かなり好きじゃないとできないし、色々と大変だもの。

 気になる点ねえ…やっぱり、どんなところで苦労をして、それをどうやって乗り越えてきたのかってところかな? 特にテノールの人だったら、どうやって高音を獲得してきたのかは、気になりますよ。
 
 
84)ネットにある、楽器上達法のようなページって、信用してますか?

 歌ですから、楽器上達法というよりも、発声に関する情報でしょうが、ネットの情報など、ま~ったく、信用していません。そりゃあ、たくさん、ネット上に、発声のテクニックに関する事はたくさん書かれていますが、それらはヒントとして読むことはあっても、実際、私の役にたつかと言うと、微妙ですね。むしろ、害となる事だってあると思ってます。

 それは私に限らず、誰の場合でも、そう言えるんじゃないかって思います。結局、声って、オーダーメイドの楽器なんですよ。だから、その仕上げ方には、大雑把な方向性ってのはあったとしても、具体的で詳細な仕上げ方法は、歌手それぞれ、声それぞれなんだと思います。それこそ、自分の声楽教師やトレーナーに見てもらって、一つ一つ細かく声を作っていかないといけないだろうと思ってます。

 誰にでも通用するような、発声方法なんて、たぶん、ないんだと思います。そういう意味では、ネットの情報だけでなく、いわゆる、発声に関する書籍であっても、大雑把な事しか分からないんじゃないかなって思います。
 
 
85)ネットの質問コーナーなどに、楽器に関する質問ってした事ありますか?

 そう言えば…ないですね。だいたい、疑問点はすべてキング先生に直接ぶつけてますから。自分の先生が、一番信用できます。
 
 
[パートナー編]いわゆる、彼氏/彼女や配偶者に関する質問です。
 
 
86)あなたのパートナーはあなたの音楽活動に理解がありますか?

 ある…と思います。だって、ソプラノだもん。いわば“同じ穴のムジナ”ですからね。
 
 
87)あなたのパートナーは、何か具体的な援助をしてくれますか?

 色々助けてくれますよ。一番の援助は、私の練習用のカラオケを作ってくれる事かな? 私が練習で使っているカラオケは、たいていが彼女が作ったものです。私は楽譜が読めないので、彼女が作ってくれたカラオケ(メロディガイド付き)はとても重宝しています。それ無しでは、歌の練習ができないくらいです。
 
 
88)あなたのパートナーは音楽をやってますか?

 だから、ソプラノですって(笑)。
 
 
89)もし仮に、パートナーから、音楽辞めるか、私と別れるかという、究極の二者択一を迫られたら、どちらを選択しますか?

 そんな事、ありえないけどね(笑)。まあ、真面目に答えると、妻を選択します。だって私、生活の中に音楽が無くても生きていけるけれど、妻がいない生活なんて、考えられないからね。私は妻に寄生して生きてます(爆)。
 
 
[子ども編]お子さんをお持ちの方に質問です。
 
 
90)お子さんには音楽の早期教育を施しましたか?

 してないつもりです。小学校に入った段階で、ピアノを習わせ、少年合唱団に入れたけれど、これは別に早期というほど早期ではないだろうと思います。いわば、教養として学ばせています。だって、音楽における早期教育って、2~3歳から始めるんでしょ(笑)。

 でも、小学生のうちから、ホンモノのオーケストラ伴奏で歌える経験って、うらやましいですね。その上、今年の春は、ヨーロッパ各地を演奏旅行に行くんですよ。もち、オーケストラを帯同して(驚)。もう、うらやましいどころの騒ぎじゃないです。
 
 
91)音楽に打ち込んでいるあなたの姿をお子さんはどのように見ていると思いますか?

 ううむ、どうだろ? 歌は確実に息子の方が上手だからねえ…。呆れられているかもしれないです。
 
 
92)お子さんにも音楽の趣味を持ってもらいたいと思いますか?

 持ってもらいたいです。なにしろ、息子は音楽が嫌いだから(笑)。ピアノはそこそこ弾くのに、ピアノ嫌いだし、歌もそこそこ歌えるのに、歌は嫌いなんです。まあ、ピアノも歌も親にやらされているから、そういうやらされ感があって、嫌いになってしまったのかもしれません。

 まあ、子どものうちは、嫌いでも仕方ないと思いますが、やがては、オトナになった時、音楽を好きになってくれて、音楽を趣味(仕事じゃないよ)にしてくれたらいいなあとは思います。
 
 
93)お子さんに楽器を習わせるとしたら、自分と同じ楽器にしますか? それとも違う楽器にしますか?

 テノールに…って話ですか? こればかりは神様が決める事だからねえ。親や本人が決められる事ではないですからね。
 
 
94)自分の子どもを音楽学校に入れたいと思いますか?。

 ない無いない(笑)。彼は音楽学校に入ったとしても、プロ奏者に成れるほどの才能はないし、音楽業界に入るなら、音楽学校経由ではなく、一般大学経由で音楽業界に入った方がよっぽど良いと思うのです。
 
 
[その他]ラストスパート、行くよ~!

95)あなたは喫煙者ですか? 喫煙者が音楽をやる事について、どう思いますか?

 私は非喫煙者です。喫煙者が声楽をやってもいいとは思いますが、タバコ吸っていると、息苦しいとか思わないのでしょうか?
 
 
96)もしかして「のだめカンタービレ」を見て、音楽を始めた?

 いいえ、それ以前から歌ってます。
 
 
97)今までに見た音楽映画で、心に残ったものと言えば何?

 う~む、今日の気分は…ウィングスの「ロックショー」かな。今ならDVD発売ってところだろうけれど、当時はそんなものなかったから、首都圏では新宿の映画館で上映していて(一館上映だったんです)、それをわざわざ見に行ったんだよね。当時は、入れ替え制ではないから、ライブの途中から見たわけだし、ずっと立ち見だったわけですが、色々と懐かしいです。

 この「ロックショー」は、部分的には「マッカートニー・イヤーズ」というDVDに、ほんの7曲ほどがDVD化されて入っています。つまり未だに全編がDVD化されていないんです。VHSのビデオ版は持ってますが、こいつも実は部分的にカットされているのですよ。私が映画館で見たのは、カット無しバージョンだったので、そのカット無しバージョンでDVD化して欲しいなあって思います。

 出たら、絶対に買うよ。
 
 
98)「レイトで良かった」と思う事ってありますか?

 無いです。歌は若いうちから始めるべきです。遅く始めて良いことなんて、何もないですよ。あるとすれば、すでに色々な可能性が閉ざされているため、選択肢が少なくなっていて、悩んだり迷ったりする必要がないって事ぐらいですか。でも、そんなのって悲しいだけですよ。
 
 
99)「レイトで困った」と思う事ってありますか?

 いつも困ってます。特に、人生で残された時間が少ない事は困りました。歌って、若くて元気でないと歌えないって部分があるんです。もっと若い時に、真剣に歌っておきたかったと思います。
 
 
100)自分と同じようなレイトな人に声かけるとするなら、どんな言葉ですか?

 お互い、老い先短いけれど、できる範囲で全力を尽くしていきましょう。健康第一です。健康でないと、歌えないですからね。…って感じかな。
 
 
 年末の紅白歌合戦を見ていて悲しく思った事は、私が子どもの頃から見ていたベテラン歌手たちの幾人かが醜態をさらしていた事です。歌手が老いるって、こういう事なんだなって思いました。声が伸びない、音が届いていない、声が割れる、…マイクの助けを借りている流行歌手ですら、この有り様。アコースティックな歌唱を目指している私などは、もっと条件が厳しいわけです。

 老いが目立つ前に、なんとかしたいです。ほんと、何とかしたいです。

 さて、この「音楽レイトスターターさんに100の質問[声楽編]」を楽しんでいただけましたでしょうか? 半年たつと、同じ人間が同じ質問に答えていても、答えが違っていますね。オトナになると、そんなに変わらないと思ってましたが、案外、そうでもないんですね。むしろ、その事に驚きです。

 次の特別編成期間はお盆になりますが、お盆は何をやろうかな? 乞ご期待(爆)。

コメント

  1. Yテノール より:

    新年明けましておめでとうございます!
    本年もよろしくお願い申し上げます〜♪
    とても面白く拝読させて頂きました。
    なにしろ音感、リズム感の悩み等、ストンさんとかぶるところが多いレイトスターターのテノーレですから〜笑
    レイトとくれば、絶対負けてないし〜爆
    ストンさんとかぶるところ、かぶらないところがクリアーになって自分を見つめる意味でもとても参考になりました。

    キング先生という宿命的なご縁を得て,歌うことの楽しさに目覚めました。
    先生との出会いの幸運を最大限生かす為に独唱テノールというハードな勉強をしていますが、私自身は俺様タイプじゃないので独唱にもテノールにもさほど執着はありません。
    やれる限り、このハードなジャンルを学んでいきたいと思っています。

    肉体的限界がきても、その範囲内で歌い続けていければ好いなって思っております。

    笛でも歌でもアンサンブルで重宝されるおじいさんになるのが夢です〜爆

  2. すとん より:

    Yテノールさん、あけましておめでとう。

     私は独唱にこだわりはないんですよ。いや、むしろ、合唱が好きです。でも、合唱は歌えない(笑)ので、独唱をやってます。とは言え、独唱を『仕方なく』とか『イヤイヤ』とかではなく、喜んでやってますよ。本当は、合唱で思いっきり歌えるなら、それが一番幸せを感じる事かもしれません。あ、でも、やっぱり、一人でライトを浴びて人々に注目される独唱は捨てがたいか(笑)。

     テノールにはこだわってますよぉ~。執着してますよぉ~。テノール出来ないなら、歌は辞めちゃいますよ(マジです)。肉体的限界が来て、テノール出来なくなったら、すっぱり歌を辞めちゃうつもりです。それくらい、私はテノールにこだわってます。

     もっとも、すっぱり辞める前に、しばらくは、みっともなくテノールにすがりついていると思いますが(爆)。

    >やれる限り、このハードなジャンルを学んでいきたいと思っています。

     同感です。独唱テノールって、ハードですよねえ…。

  3. もり より:

    クリスマスとイースタにだけ参加させてもらっているコーラスでは、小さなオケとソリストと共演できるんですが、テノール・ソリストは確保するのが大変らしく、毎回のように違う人が来るんです。
    私なんてホントにド素人ですけど、そうやって色々聞いていると何となく違いが分かってきます。
    同じテノールでも、高音域をちょっと頭声っぽく安全に歌う人と、正面からガーンとぶち当たっていく人がいます。
    柔らかく歌われると、無難で聞いていて安心は安心ですが、ちょっと残念感が漂いますね。
    やはりテノールは命削って歌ってますみたいな情熱というか、崖から落ちる(声が裏返る)寸前で足の親指一つで踏み止まりましたみたいな緊張感があるからこそセクシーなんですねぇ(うっとり)

  4. すとん より:

    もりさん

    >やはりテノールは命削って歌ってますみたいな情熱というか、崖から落ちる(声が裏返る)寸前で足の親指一つで踏み止まりましたみたいな緊張感があるからこそセクシーなんですねぇ(うっとり)

     さすが! 分かってらっしゃいますねえ。その命を削っているギリギリで歌えるのが、良いテノールなんですね。ま、私のように、いつも崖の手前で、すっ転んでいるようでは、まだまだ論外なんですが(涙)。その崖のギリギリで踏みとどまって、切なく歌うのが、とても難しいんですね。プロ歌手でも、狙いすぎて、時々崖から落ちてしまうのが、テノールなんです。

     私、テノールの歌唱って、ある意味、サーカスの曲芸みたいなもんじゃないかって思う時ありますよ。いつも命ギリギリのきわどい事をやって、お客さんもハラハラしながらそれも見守る…わけでしょ。まさに空中ブランコの演者とそれを見ている観客と同じじゃないですか。で…たまにブランコから落ちるわけで(笑)。

     とにかく、私の場合は、崖にたどり着かないと(汗)。頑張りますよ。

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